循環器症例の診断、病態や重症度評価に心エコーを活用したい獣医師のための心エコーで“考える”循環器症例の治療戦略(犬の8症例)

循環器症例の診断、病態や重症度評価に心エコーを活用したい獣医師のための心エコーで“考える”循環器症例の治療戦略(犬の8症例)

Case 1

アビシニアン、12歳8ヶ月、避妊猫。数日前から食欲が無く、意識レベルの低下を主訴に夜間動物病院に来院

Case 1

・肝臓自体の高エコー化なし
・肝臓のFNAで40%程度の肝細胞に軽度の空胞変性の所見あり

高アンモニア血症?
肝リピドーシス?
その他の肝疾患?それとも肝臓以外の疾患?

Case 1

遠肝性血流!それにシャント血管が太い…それ以外の場所に遠肝性が無いぞ。腹水貯留も無いぞ。CPSSによる高アンモニア血症か?

“CTが無くとも疑うことが可能”

門脈シャントの超音波検査に対してこのように思っていませんか?

そうだとしても大丈夫です。今回のZoomセミナー(アーカイブ版)を視聴すれば、こんな症例に対応できるようになるかもしれません。

確かに門脈シャントにCTは必須です。でも、もし、一次診療の現場で

超音波検査を活用しパパッと
門脈を評価できたなら、
非常に多くの情報を得ることができます

たとえば、

など、このような症例でも門脈シャントの“可能性”をその場で“ある程度”判断できれば、その後の診断および治療プロセスを大きくかえることができるかもしれません。

こうおっしゃるのは、酪農学園大学・伴侶動物内科学の講師、田村昌大先生です。

一次診療施設でも門脈シャントに超音波検査を活用できるように、2022年5月に、田村昌大先生をお招きして、肝臓エコーのトリセツ~先天性門脈体循環シャント編~という、ウェビナーを開催しました。

講師紹介

田村昌大 先生
田村昌大 先生
田村昌大先生
2014年3月 日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医学科を卒業
2018年4月 学術振興会特別研究員 DC1に採用
2020年3月 北海道大学 獣医学院 博士課程を1年短縮し修了
北海道大学 附属動物病院で特任助教(肝胆膵内科)を経て、現在、酪農学園大学 伴侶動物内科学 講師として一般内科および肝胆膵内科を担当。
肝胆膵内科および超音波診断を専門とし、慢性肝炎や門脈体循環シャントの超音波診断に関する多数の国際学術論文や書籍の執筆、そして講演を行う。

■主な受賞歴
2021年12月 日本獣医循環器学会 にて「 シアウェーブ・エラストグラフィによる新たな非侵襲的右心房圧の推定」で最優秀発表賞(研究部門)を受賞
2019年2月 獣医内科学アカデミーにて「Shear wave elastography(SWE)により重度肝線維化を予想出来た若齢犬の1例」、2018年2月 獣医内科学アカデミーにて「Shear wave elastography (SWE)を用いた犬の肝硬度測定」で2年連続アワード受賞
これまでの受賞歴5回
■主要な国際学術論文
Tamura M, et al. Extrahepatic biliary obstruction can interfere with hepatic fibrosis prediction using two‐dimensional shear wave elastography in dogs. Veterinary Radiology & Ultrasound 2021.
Tamura M, et al. Usefulness of noninvasive shear wave elastography for the assessment of hepatic fibrosis in dogs with hepatic disease. Journal of Veterinary Internal Medicine 2019.
Tamura M et al. Contrast-enhanced ultrasonography is a feasible technique for quantifying hepatic microvascular perfusion in dogs with extrahepatic congenital portosystemic shunts.Veterinary Radiology & Ultrasound 2019.
これまでの国際学術論文(筆頭著者)9本
■主要な講演・口頭発表等
獣医内科学アカデミーや獣医画像診断学会など各学会で多数登壇
これまでの講演・口頭発表 25回
■主要な書籍等出版物
膵疾患を極める 「犬と猫の膵炎」 Clinic Note 199号、EDUWARD Press 2022年2月
胆嚢関連疾患 総まとめ 「胆嚢粘液嚢腫」 Clinic Note 191号 、EDUWARD Press 2021年6月
など多数執筆

田村先生から今回の講義内容を
解説していただきました…

「現在の獣医療においても超音波検査は最も欠かすことのできない画像診断ツールの一つであり、そして一次診療における画像診断の要でもあります。その中でも今回は、先天性の肝外門脈体循環シャントに絞った超音波診断のお話をさせて頂きたいと思います。

門脈シャントの診断にはCT検査が必須であると考えている先生方が多く、実際にそれは事実です。しかし、CT装置がなければ本当に何もかもがお手上げなのでしょうか?

それは大きな間違いです。

例えば、実臨床ですでに顕著な総胆汁酸高値を呈している症例の場合には、そこまで大学病院や二次診療施設への紹介に悩むことも少ないと思います。しかし、一次診療の先生方が実際の現場で遭遇するのは、微妙な肝酵素や総胆汁酸の高値でそもそも紹介すべきか悩むような症例、すでに目の前で高アンモニア血症で肝性脳症を呈しており、それが門脈シャントによるものか悩む症例、門脈シャントだと思いながら紹介を希望されない飼い主様、そもそもCT検査ができる紹介施設が遠方、など様々だと思います。

そんな時にこそ超音波検査で、門脈シャントの“可能性”をその場で“ある程度”判断できるようになれば、その後の診断および治療プロセスは大きく変わるものです。

さらに、門脈を評価できるようになると、門脈高血圧や門脈血栓などの診断にも役立ちます。ただし、超音波検査における門脈の評価は最も難易度の高い走査を必要とし、経験や技術が必要です。

さらに、超音波検査で門脈シャントを評価するにはちょっとしたコツと考え方が非常に重要となります。今回は、Zoomセミナーだからこそできる、基礎からマニアックな部分まで含んだ「肝臓エコーのトリセツ~先天性門脈体循環シャント編~」についてお話させて頂きます。」

Zoomセミナーの内容は?
肝臓エコーのトリセツ
~先天性門脈体循環シャント編~
Zoomセミナー(アーカイブ版)

■サンプル動画限定公開中

■検査前の準備

  • 適切なプローブの選択方法や動物の毛刈りについて
  • 超音波で門脈シャントを診断する意義とは?
  • 超音波で門脈シャントを描出するために大切な5つのこと
  • 3D画像でみる門脈周辺の解剖、門脈シャントの分類
  • 珍しいタイプの先天性の肝外性シャントについて
Case 1
Case 1

■CPSSの“始点”と“終点”の考え方

  • 超音波検査での検出可能な部位(始点側)
  • 超音波検査での検出可能な部位(経由 or 終点側)
Case 1

■各種血管の描出方法

  • 始点:脾静脈の長軸アプローチ
  • 始点:胃十二指腸静脈の長軸アプローチ
  • 右肋間からの短軸アプローチで確認すべき項目、右肋間からの短軸アプローチのコツ
Case 1
  • PV/Aoの算出、総胆管の評価、肝門リンパ節の評価、門脈血栓の評価、肝静脈波形の評価、門脈-胃十二指腸静脈の評価、奇静脈シャントの有無
Case 1
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■おまけ:左胃静脈の長軸アプローチについて

Case 1

など、3D画像などわかりやすいスライドを使い、解説いただきます。

Zoomセミナー(アーカイブ版)の参加費ですが…

今回は基礎からマニアックな所まで、先天性門脈体循環シャントの超音波検査についてお話いただきます。門脈シャントの診断において積極的に超音波検査を使っている先生が多くないと聞いたことがあります。しかし、

田村先生は、こうおっしゃいました。「超音波検査で、門脈シャントの“可能性”をその場で“ある程度”判断できれば、その後の診断および治療プロセスは大きく変わる」と。このような結果をだせるようになるなら、このZoomセミナーをきっかけにして、エコーで門脈を描出して診断と治療に活かしていただきたいと考えています。

もし、少しでも興味を持たれたなら、この機会にご視聴してください。

肝臓エコーのトリセツ
~先天性門脈体循環シャント編~
Zoomセミナー(アーカイブ版)
総収録時間:94分
通常価格5,940円(税込)

ウェビナー

  • PC・タブレット・スマホ各端末の視聴に最適化
  • 視聴期限なし
  • 0.5~2倍速まで再生速度調整可能
  • どこでも学習可能
  •     
  • ネット配信なのでスキマ時間を活用

受付は締め切りました。