アビシニアン、12歳8ヶ月、避妊猫。数日前から食欲が無く、意識レベルの低下を主訴に夜間動物病院に来院
・肝臓自体の高エコー化なし
・肝臓のFNAで40%程度の肝細胞に軽度の空胞変性の所見あり
高アンモニア血症?
肝リピドーシス?
その他の肝疾患?それとも肝臓以外の疾患?
遠肝性血流!それにシャント血管が太い…それ以外の場所に遠肝性が無いぞ。腹水貯留も無いぞ。CPSSによる高アンモニア血症か?
“CTが無くとも疑うことが可能”
そうだとしても大丈夫です。今回のZoomセミナー(アーカイブ版)を視聴すれば、こんな症例に対応できるようになるかもしれません。
確かに門脈シャントにCTは必須です。でも、もし、一次診療の現場で
たとえば、
など、このような症例でも門脈シャントの“可能性”をその場で“ある程度”判断できれば、その後の診断および治療プロセスを大きくかえることができるかもしれません。
こうおっしゃるのは、酪農学園大学・伴侶動物内科学の講師、田村昌大先生です。
一次診療施設でも門脈シャントに超音波検査を活用できるように、2022年5月に、田村昌大先生をお招きして、肝臓エコーのトリセツ~先天性門脈体循環シャント編~という、ウェビナーを開催しました。
「現在の獣医療においても超音波検査は最も欠かすことのできない画像診断ツールの一つであり、そして一次診療における画像診断の要でもあります。その中でも今回は、先天性の肝外門脈体循環シャントに絞った超音波診断のお話をさせて頂きたいと思います。
門脈シャントの診断にはCT検査が必須であると考えている先生方が多く、実際にそれは事実です。しかし、CT装置がなければ本当に何もかもがお手上げなのでしょうか?
それは大きな間違いです。
例えば、実臨床ですでに顕著な総胆汁酸高値を呈している症例の場合には、そこまで大学病院や二次診療施設への紹介に悩むことも少ないと思います。しかし、一次診療の先生方が実際の現場で遭遇するのは、微妙な肝酵素や総胆汁酸の高値でそもそも紹介すべきか悩むような症例、すでに目の前で高アンモニア血症で肝性脳症を呈しており、それが門脈シャントによるものか悩む症例、門脈シャントだと思いながら紹介を希望されない飼い主様、そもそもCT検査ができる紹介施設が遠方、など様々だと思います。
そんな時にこそ超音波検査で、門脈シャントの“可能性”をその場で“ある程度”判断できるようになれば、その後の診断および治療プロセスは大きく変わるものです。
さらに、門脈を評価できるようになると、門脈高血圧や門脈血栓などの診断にも役立ちます。ただし、超音波検査における門脈の評価は最も難易度の高い走査を必要とし、経験や技術が必要です。
さらに、超音波検査で門脈シャントを評価するにはちょっとしたコツと考え方が非常に重要となります。今回は、Zoomセミナーだからこそできる、基礎からマニアックな部分まで含んだ「肝臓エコーのトリセツ~先天性門脈体循環シャント編~」についてお話させて頂きます。」
■サンプル動画限定公開中
■検査前の準備
■CPSSの“始点”と“終点”の考え方
■各種血管の描出方法
■おまけ:左胃静脈の長軸アプローチについて
など、3D画像などわかりやすいスライドを使い、解説いただきます。
今回は基礎からマニアックな所まで、先天性門脈体循環シャントの超音波検査についてお話いただきます。門脈シャントの診断において積極的に超音波検査を使っている先生が多くないと聞いたことがあります。しかし、
田村先生は、こうおっしゃいました。「超音波検査で、門脈シャントの“可能性”をその場で“ある程度”判断できれば、その後の診断および治療プロセスは大きく変わる」と。このような結果をだせるようになるなら、このZoomセミナーをきっかけにして、エコーで門脈を描出して診断と治療に活かしていただきたいと考えています。
もし、少しでも興味を持たれたなら、この機会にご視聴してください。