何か新しい技術を学びたいと考えたとき。
その方法には、専門書や映像教材、セミナーなどがありますが、近年は、実践を重視した「ハンズオンセミナー」を選ぶ獣医師が増えています。
その技術、分野のスペシャリストに直接の手ほどきを受けられる機会は、極めて高い価値があり、またいつでも講師に質問できるメリットも、とても大きいでしょう。
ハンズオンセミナーは間違いのない技術を身につけられるだけでなく、習得にかかる時間も、独学と比べると何倍、何十倍も早くなります。一緒に学ぶ仲間との意見交換も、さらなる学びへのモチベーションにつながるでしょう。
ハンズオンセミナーの絶大なメリットを活かし、日々の臨床クオリティを大幅にアップする技術を習得してもらいたい。そして、それはいま以上に多くの動物を救うことに繋がる。
こう信じている私たち医療情報研究所は、新たに「全4回の特別な実習企画」を開催することを決定いたしました。今回、先生方にご提供するハンズオンセミナーは、「腹部エコー」です。
日々の臨床で”最も”活用されると言っても過言でない検査が、腹部エコーではないでしょうか?
現在、日本の動物病院での腹部エコーの普及率は凄まじく、腹部エコーは腹腔内疾患の診断に今や欠かせない検査装置です。そのため、腹部エコー技術の向上は日々の臨床クオリティアップに直結します。
しかし実は、腹部エコーの”技術向上”だけでは、腹部エコーを最大限活用できていないかもしれません。
たとえば、「一通り描出できるけど、、、それをどう考えればいいのか分からない」「この症状の時には、どの部分に注意し、どこを評価しておいた方がいいのか?」がその代表的なもの。取り敢えずエコーしてみたけど、、、と判断に困った経験がある先生方も多いではないでしょうか。
さらに、腹腔内疾患はエコー所見だけで確定診断までたどり着くのが難しい場合も多いため、「異常は発見できたけど、次に何をすればいいの?」と悩んでしまう先生方も多いと聞きますが…
いまお話したとおり、腹部エコーを最大限臨床に活かすには、「描出できる!」だけでは不十分。
「各臓器の正確な描出と評価」に加えて「異常所見を見つけに行くための”思考”」と「異常所見を見つけた”後の対応”」をセットで学ぶ必要があるのです。どれか一つ欠けただけでも、正確な診断はできません。
しかし、これらを独学で習得するのは、とても大変です。時間をかけて習得したとしても、「本当に正しくできているのか?」「もっと良いやり方があるのでは?」という不安が常につきまとうでしょう。
たとえば、黄疸を呈した犬が来院したとき。
腹部エコーで「胆嚢粘液嚢腫を発見!次に総胆管を評価、、、」とよく遭遇するシチュエーション。
腹部エコーの経験が浅い先生の場合、「総胆管を自信を持って評価できない」。総胆管さえ自信をもって評価できていれば、肝性黄疸と肝後性黄疸を判断できたかもしれません。
しかし、腹部エコーの経験が豊富な先生でも「総胆管の描出はできる」けれど「総胆管が拡張していなかった」。こんな場合、「正しく描出できていないのか?」「肝性黄疸、肝後性黄疸のどちらなんだろう?」と悩むと思います。
これは、日常臨床でよくあるケースの一つですが、実は、正確な腹部エコー技術に加えて「内科医的な考え方」ができれば、解決できる問題なんです。
だからこそ、先生が腹部エコーを学ぶときは、エコー技術とそれを最大限生かす”内科的思考”を合わせて学んでもらいたいと考えました。
今回のエコー実習の講師は、超音波診断が専門の内科医であり、これまで二次診療施設および大学で難解な症例を1000症例以上も担当された、酪農学園大学の田村先生です。
学んだ知識を技術に変えるには、何よりもアウトプットが重要です。
実践しなければ、知識は知識のまま。自動的に技術に変わることはありません。そこで今回の4回のエコー実習では、各回のあいだに1ヶ月のアウトプット期間を設けました。
あいだに1ヶ月挟むことで、「実習→臨床→実習→臨床」のパターンをくり返せるため、教わった内容は、次回の実習までに臨床で試すことができます。
つまり、実習でインプットするだけでなく、臨床でアウトプットすることで、腹部エコーの基本を確実にマスターできます。
たとえば、実習の第1回目は、エコー装置の設定やプローブの選び方、走査方法などの基本中の基本から解説します。
これらは、学んだあとすぐに日々の臨床に活かせる内容ですので、翌日の腹部エコーからすぐに反映することができます。
もし、実践してみてわからないことや、上手くいかないことがあっても、心配はいりません。なぜなら、わからない部分は、次回の実習で田村先生に聞くことができるから。
「実習→臨床」をくり返しながら学ぶことで、より短期間のうちに実践的な腹部エコー技術を習得できます。
今回のエコー実習は、少人数制(各グループに1名のインストラクター)でおこないます。
1グループの人数を「4人まで」と制限することで、
など、より密度の濃いエコー実習ができるメリットがあります。先生がわからない、習得できないまま、どんどん先に進んでしまうようなことはありません。
実習は、各日程とも、①田村先生の講義、②田村先生の実技デモンストレーション、③各グループに分かれての実習という3ステップに沿って進行します。
その日の大事なポイントは、まず、20分程度の講義で簡単にご説明します。ポイントを理解してから実習をおこないますので、より効率的に腹部エコー技術を習得できます。
描出する腹部臓器や評価のポイントなどは、講義資料にもまとめられていますので、後日、復習にもご利用いただけます。
実習で学んだ内容を臨床で試し、わからないことが出てきたとき。
どうしても、すぐに教えてほしい。次回の実習まで待てないこともあると思います。今回は、そんなときのサポートもご用意しました。
4ヶ月の実習期間中は、田村先生にメールで相談できます。
腹部エコーの質問はもちろん、内科症例に関する質問もOKです。「上手く検査できない症例がいる」「こんな症例は、どう対応すれば良いのか?」など、どんな内容でも構いません。
実習の場以外に田村先生に直接相談できるメールサポートは、とても貴重です。
おなじ検査をするにしても、犬種が変われば、検査のやりやすさも変わります。狙った臓器が出しやすい犬種もいれば、描出に少しばかりコツが必要になる犬種もいるでしょう。
そこで今回の実習では、先生に、さまざまな犬種に対する腹部エコーを体験していただきたいと考えました。
全4回の実習では、動物病院によく来院する人気の小型犬のうち、毎回、異なる犬種を実習モデルに使用します。
犬種による違いを直接体験できることは、日常臨床にも大きなプラスとなるはずです。
実習は、全4回の日程で開催します。(すべて金曜日に開催、12:00~16:00の4時間を予定)
実習の第1日目のターゲットは、肝臓、胆嚢と胆道、脾臓です。これから本格的に腹部エコーを学ばれる先生のため、エコー装置の設定や、プローブの選び方、走査方法といった基本も飛ばさず、丁寧に解説します。
実習は、田村先生の実技デモンストレーションをご覧いただいたあと、モデル犬を使い、先生に実際に肝臓を描出、評価していただく流れで進行します。
異常所見を発見した場合の考え方もくわしく解説しますので、一歩踏み込んだ実践的な腹部エコーを習得できます。
実習の第2日目のターゲットは、上部消化管と下部消化管です。
日々の臨床でもよく遭遇する嘔吐、下痢、食欲不振などが続く症例のほか、異物が疑われる症例も検査の適応となります。
消化管のエコーでとくに重要になるのが、5層で構成される消化管の構造を正しく理解すること、そして「どこに、何の病気が起きやすいか」を知ることです。
たとえば、消化管壁に5層構造を維持したまま軽度の肥厚があった場合、「どう判断すればいいのか?」と迷ってしまうこともあるのではないでしょうか?
第2回目の実習では、消化管エコーのポイントと考え方をくわしく学びながら、上部消化管、下部消化管それぞれのエコー検査の体系的なアプローチの習得を目指します。
実習の第3日目のターゲットは、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱)と副腎です。
猫の飼育頭数が犬を大きく上まわった今、泌尿器のエコー検査は、とくに重要度が増しています。
内分泌のエコー検査では、右副腎の描出が苦手な先生も多いのでは?また萎縮や片側の腫大を見つけた時にどうすれば良いのか、などもよくお聞きする疑問です。
第3日目の実習では、腎臓、尿管、膀胱などの各部位ごとの走査方法とチェック項目はもちろん、尿生成を確認する簡易的な方法、また描出の難しい右副腎を攻略する方法や異常を見つけた時の対応もお伝えします。
実習の最終日は、腹部エコーの中でも少しアドバンスな内容です。
たとえば、膵臓と総胆管がキレイに描出できない…」「門脈って、どうやって描出するの?」「などは、独学で腹部エコーを学んだ先生が悩みがちな問題です。
総胆管や門脈などは、腹部エコーの中でもとくに描出が難しいため、評価にも自信が持てずにいる先生が多いと聞きます。
でも、心配はいりません。田村先生が教えるコツを実践するだけで、「こんなに簡単に描出できるんだ!」と驚かれるはずです。
今回のエコー実習は、先着16名で受付終了します。
広い会場で開催すれば、もっと人数を増やせたかもしれません。しかし、先生一人ひとりに行き届いた指導をおこない、腹部エコーの基本をマスターしていただくには、これが限界です。
何度もくり返しお伝えしましたが、現代の獣医療において腹部エコーは、必要不可欠な避けては通れない検査です。また、日常臨床でも、とくに実施する機会が多い検査です。
ご自身で勉強する手もありますが、独学での習得は何年という時間がかかる上、常に「本当に正しくできているのか?」という不安がつきまといます。
だからこそ、このチャンスに田村先生から腹部エコーの基本を教わり、最短で日々の臨床に活かせるようになってほしいのです。
また、次回のエコー実習は、開催するかどうかも含めて未定です。ぜひ、席数が埋まる前にお申し込みください。
・まったくの初心者ですが、受講できますか?
もちろん大丈夫です。実習の第1回目では、エコーの設定やプローブの持ち方、走査方法など、腹部エコーの基本から解説します。これから本格的にエコーを学ぶという先生も、ぜひ、ご参加ください。
・私ではなく、他の者が代理で受講するのも可能ですか?
若手獣医師の教育目的など、代理の受講もOKです。ハンズオン(実習)の際には、受付にて、お申込みいただいた方のお名前をお知らせください。
・実習には、本物の動物を使用しますか?
本物のモデル犬を使用して、腹部エコーの実習をおこないます。犬種ごとに検査のポイントが異なるため、全4回の日程では、よく来院する小型犬のうち、毎回、異なる犬種を使用します。
・エコー機器は、何台使用しますか?
最新鋭のCanon社のエコー機器を4台ご用意します。先生が、直接操作する時間を十分に確保するため、「1台につき最大4名まで」の少人数グループで実習をおこないます。
・実習中の怪我などについて
動物の引っ掻きや噛みつきによる怪我など、当社の責に帰すことのできない事由により生じる損害については、当社は責任を負いかねますのでご了承ください。
・キャンセル対応はしていただけますか?
申し訳ございません。お申し込み後のキャンセル対応はいたしかねます。必ず実施日をご確認の上ご参加ください。
・実習が中止になることはありますか?
9月10日(火)時点で最小催行人数に達しなかった場合、中止になることがございます。また、予期せぬ事象(天災、新型コロナウイルスの影響等)により、日程を変更することがございます。予めご了承ください。
・銀行振込は対応していますか?
はい。対応しております。銀行振込をご希望の場合は、カスタマーサポートまでご連絡ください。振り込み先をご連絡させていただきます。
TEL:0120-826-200(平日10:00~12:00、13:00~17:00)
カスタマーサポートへのメール問い合わせ先はこちら
・次回、開催の予定はありますか?
現在のところ、同じテーマでの実習の開催は未定です。ご興味をもたれましたら、ぜひ、今回の実習にご参加ください。