
From:権田
日付:2026年6月28日12:00

講師紹介
たかの ともみ
Profile
北里大学獣医学部教授。獣医伝染病学を専門とし、20年以上にわたって猫伝染性腹膜炎(FIP)およびネココロナウイルス(FCoV)に関する研究に取り組む。FCoVの基礎ウイルス学からFIPの病態、診断、抗ウイルス薬治療、治療反応の評価に至るまで、基礎と臨床応用を繋ぐ幅広いテーマを展開。近年は、FIP治療におけるモニタリング指標や治療反応予測に関する知見も報告している。
かつて不治の病と呼ばれた猫伝染性腹膜炎(FIP)は、抗ウイルス薬の登場により「早期の適切な介入により、寛解を目指せる可能性が高い疾患」となりました。
その一方で、知見や治療選択肢が増えたことで、臨床判断は以前にも増して複雑化しています。
多角的な情報を統合する姿勢が求められ、特定の検査所見だけで結論を急ぐことは、むしろ誤診のリスクを高めかねません。
特に、ドライタイプや非典型例、他疾患が背景に潜んでいるケースでは、慎重な見極めが不可欠です。このように治療の可能性が広がった今だからこそ、早期介入と誤診回避のために、これまで以上に「診断の確かさ」が求められています。
ですが、FIP診療を難しくしているのは、医学的な判断の複雑さだけではありません。
FIP診療のもうひとつの難しさは、臨床医としての「判断の迷い」を、先生の中だけにとどめておけない点にあります。
診断過程では、FIPを疑う根拠や検査の意義、投薬理由、再発リスクなどの問いに対し、限られた時間で答えなくてはなりません。しかも、ご家族はインターネットやSNSで多くの情報に触れており、期待と不安の両方を抱いて来院されます。根拠の曖昧な説明は不信を招き、先生ご自身の迷いも深めかねません。
つまり、現代のFIP診療には、「現時点で何が判明しており、どこから先を慎重に見極めるべきか」を、誠実かつわかりやすく伝える力。そして、治療開始だけでなく、治療終了の判断や再発時の対応まで含めた「診療全体を設計する力」が求められているのです。
本教材は、単に最新知識を学ぶだけの教材ではありません。
診断の組み立てから他疾患との鑑別、薬剤選択、経過観察、終了判断、再発対応。そして、ご家族への説明までを「一連の臨床判断」として体系化したものです。
つまり、診断と治療の開始だけにとどまらず、治療開始後の継続的な評価や、院内スタッフとの共有、そしてご家族への説明の質を高めるための実践的な指針となる内容です。
講師は、20年以上にわたりFIPを専門とする北里大学の高野友美先生。アカデミックな最新知見と一次診療での妥当性を繋ぐ講義は、「診る・判断する・伝える」という一連のプロセスにおける迷いを減らし、確かな根拠を持って診療をおこなうための揺るぎない土台となるはずです。

●7月1日(水)12:00 にお申し込み専用ページをご案内しますので、
今しばらくお待ちください。