【改定】ACVIMガイドライン 犬の僧帽弁閉鎖不全症で、より適切な治療をおこなうためのステージングと、より高い精度で診断をくだすための心エコー検査技術とは?

心エコーを正しく
実施できる病院は少ない

2019年3月にACVIMガイドラインが改定され、犬の僧帽弁閉鎖不全症の診断・治療をおこなうために、心エコーによる検査が推奨されています。

しかし、ガイドラインに沿ってふさわしい治療をおこなうには、心エコー検査の再現性の低さ、つまり同じ術者が同じ動物に対してエコー検査をしても、結果にバラつきが発生してしまう問題を解消する必要があります。

なぜなら、検査結果が異なれば、選択する治療法も異なってしまうからです。

ACVIMのガイドラインは、僧帽弁逆流の犬を検査所見、あるいは臨床徴候に応じてステージングをおこない、各ステージごとにふさわしい治療法を提示するものです。

このように僧帽弁逆流の正しい診断と治療をおこなうには、まず対象となる犬がどのステージにあるのかを見極めなければいけません。

そのためにも、心エコーによる正確な評価が求められているのです。

聴診レントゲン検査だけでは
正しく診断できない場合がある

僧帽弁逆流の診断を心雑音やレントゲンといった、これまでの検査法のみに頼っていると、さまざまな誤診が発生する危険があります。

×心雑音があるから薬をだしましょう

「聴診により、はっきり心雑音が聞こえるから心不全の薬をだしましょう」

大きな心雑音が聞こえても、心拡大や心不全が発生しているとは限りません。心拡大も心不全もなければ、ACVIMのステージB1にあたります。

×心陰影の拡大がないから心原性肺水腫ではない

(冊子P46)

「心陰影の拡大がないから、心原性肺水腫ではない」

そう考えていると、ときに致命的な間違いを招くかもしれません。

上の症例は心拡大は認められませんが、実際には心原性肺水腫であり、利尿剤で速やかに改善しました。もし、肺炎と診断し治療にあたっていれば、致命的な状況に陥っていた可能性があります。

うっ血性心不全(心原性肺水腫)は、ACVIMのステージCにあたります。

×咳がとまらず心拡大しているから心不全

「咳が止まらず、レントゲンを見ると心臓の拡大が見られる」

こうした理由から、本症例は難治症の心不全と診断されて、多くの薬剤が投与されていました。しかしながら、気管支軟化症であることが判明し、そちらに対する治療をおこなうことで軽快しました。

ACVIMのステージングからは離れますが、咳の原因として確実に鑑別しなければいけない気管支疾患(気管支軟化症)についても把握しておく必要があります。

犬の僧帽弁閉鎖不全症を
より高い精度で見極める心エコーの検査技術とは?

僧帽弁逆流(僧帽弁閉鎖不全症)は、日常的に遭遇する疾患です。

そんな疾患を、今まで以上に正確に診断・治療できるようになることは、動物にとっても、飼い主さんにとっても、動物病院にとってもプラスになることは間違いありません。

そこで今回は、循環器認定医として活躍されている中村先生を講師にお迎えし、犬の僧帽弁閉鎖不全症を、より高い精度で見極めるための心エコー検査技術についてお話しいただき、DVDに収録しました。

講師プロフィール

中村 健介先生
中村 健介先生
■プロフィール
北海道大学獣医学部卒業後、酪農学園大学内科研修医、北海道大学大学院獣医学研究科にて博士号取得。同大学大学院獣医学研究科博士研究員、同大学附属動物病院助教を経て2017年4月より現職。日本獣医循環器学会 動物循環器認定医 アジア獣医内科学会 設立専門医として犬や猫の心エコー検査法の普及のためにセミナー・講演を積極的におこなっている。

■略歴
2005年 北海道大学 獣医学部卒業
2005年 酪農学園大学附属動物病院 内科研修医
2007年 北海道大学大学院 獣医学研究科 博士課程入学
2010年 北海道大学大学院 獣医学研究科 博士課程卒業
2011年 北海道大学大学院 博士研究員
(日本学術振興会特別研究員PD)
2011年 北海道大学大学院 獣医学研究科 附属動物病院 助教
2017年~現在 宮崎大学 テニュアトラック推進機構(獣医内科学分野)
テニュアトラック 准教授
■表彰
1.平成19年度 日本小動物獣医学会地区学会長賞, 2007年9月
2.平成20年度 日本小動物獣医学会地区学会長賞, 2008年9月
3.平成21年度 日本小動物獣医学会地区学会長賞, 2009年9月
4.平成22年度 日本小動物獣医学会地区学会長賞, 2010年9月
5.第151回   日本獣医学会学術集会大会長賞, 2011年3月
6.平成24年度 日本小動物獣医学会地区学会長賞, 2012年9月
7.第108回   日本獣医循環器学会 最優秀学会発表賞, 2018年6月,
■セミナー・講演
◎平成29年度
  1. 心エコー実技Advance 心機能入門 キヤノン超音波実技セミナー、2018年3月18日、大阪(教育講演)
  2. 咳が主訴の時の僧帽弁閉鎖不全症の考え方 ベーリンガーインゲルハイムアニマルヘルスジャパン循環器セミナー2018、2018年3月12日、鹿児島(教育講演)
  3. 犬の僧帽弁逆流における外科手術の現在地:宮崎大学を拠点とした南九州地区での実現に向けて宮崎県獣医師会第4回小動物臨床部会シンポジウム、2018年3月11日、宮崎(シンポジウム)
  4. エコーを中心とした診療の進め方―腹部編― 日本小動物獣医師会生涯教育卒後研修講習会、2018年3月4日、福岡(教育講演)
  5. 心エコー実技Basic 心形態の評価 キヤノン超音波実技セミナー、2018年2月25日、大阪(教育講演)
  6. 呼吸器ケースカンファレンス 第14回日本獣医内科学アカデミー学術集会、2018年2月18日、横浜(シンポジウム)
  7. 猫の心筋症:診断 第14回日本獣医内科学アカデミー学術集会、2018年2月17日、横浜(教育講演)
  8. エコーでCTに勝つために私が頑張っていること 平成29年度日本獣医師会獣医学術学会年次大会、2018年2月11日、別府(教育講演)
  9. 心臓と肺をエコーで診る 日本小動物獣医師会生涯教育/卒後研修講習会、2018年2月4日、富山(教育講演)
  10. エコーを駆使した診療のススメ 日本獣医師会平成29年度小動物講習会、2018年1月28日、熊本(教育講演)
  11. 左室と左房を正確に測る キヤノン超音波実技セミナー、2018年1月21日、札幌(教育講演)
  12. 腹部も胸部もエコーで全部診る 日本小動物獣医師会生涯教育/卒後研修講習会、2018年1月7日、仙台(教育講演)
  13. 難治性僧帽弁疾患へのアプローチ 北海道九州小動物ジョイントシンポジウム2017、2017年12月17日、札幌(教育講演)
  14. 心エコーで右心房を評価する 第107回日本獣医循環器学会・2017年秋期合同学会、2017年12月10日、名古屋(合同企画)
  15. ACVIMガイドラインUPDATE ベーリンガーインゲルハイムベトメディカジャパン循環器セミナー、2017年12月2日、宮崎(教育講演)
  16. こんな時こんな風にエコーを使っています 臨床五月会定例セミナー、2017年11月26日、鳥栖(教育講演)
  17. 最低限の心エコー 犬のウルトラサウンド、2017年11月25日、那須塩原(教育講演)
  18. パネルディスカッション 蛋白喪失性腸症の治療最前線 1.病態と診断 第38回動物臨床医学会年次大会、2017年11月19日、大阪
  19. 超音波を駆使した内科診療 鹿小臨セミナー、2017年11月9日、鹿児島(教育講演)
  20. 二次診療を使いこなせ アピナック錠発売12周年・プロナミド錠発売8周年記念獣医学臨床連携セミナー、2017年9月24日、宮崎(教育講演)
  21. 「原因特定」だけじゃない 消化管エコーの+α 第19回日本臨床獣医学フォーラム年次大会2017、2017年9月17日、東京(ランチョンセミナー)
  22. 精密検査としての呼吸器エコー 第62回日本獣医画像診断学会、2017年9月14日、鹿児島(教育講演)
  23. 獣医師からみた動物の心エコー:自然発症例から動物モデルまで 東京大学院医学研究科先端医療セミナー、2017年8月28日、東京(教育講演)
  24. エキスパートが答える胆嚢疾患の診断と治療 画像診断 SA Medicine×Surgeonコラボセミナー、2017年8月27日、東京(シンポジウム)
  25. 吐く症例で必須な上部消化管およびその周辺の描出法 東芝超音波実技セミナー、2017年7月30日、札幌(シンポジウム)
  26. 造影超音波検査の現状と未来 第61回日本獣医画像診断学会、2017年6月17日、大宮(シンポジウム)
  27. 獣医師の立場からみる動物の肺高血圧症:動物モデルから自然発生例まで 第2回日本肺高血圧・肺循環学会学術集会、2017年6月3日、札幌(ランチョンセミナー)
  28. 超音波検査を駆使した治療指針~腹水編~ サンダイコーセミナー、2017年5月17日、宮崎(教育講演)
  29. 超音波検査を駆使した治療指針~胸部編~ サンダイコーセミナー、2017年5月10日、宮崎(教育講演)

◎平成30年度
  1. 今、心エコーに求められているもの 学際企画第224回小動物セミナー、2019年3月3日、福岡(教育講演)
  2. 今、心エコーに求められているもの 学際企画第224回小動物セミナー、2019年2月24日、東京(教育講演)
  3. 変革期を迎えた僧帽弁閉鎖不全症の治療~正しい治療方針を提示するために必要な知識~ステージング 第15回日本獣医内科学アカデミー学術集会、2019年2月16日、横浜(教育講演)
  4. 心エコーによる右心機能の評価 第15回日本獣医内科学アカデミー学術集会、2019年2月16日、横浜(教育講演)
  5. ニース2018から学ぶ肺高血圧症治療戦略 第15回日本獣医内科学アカデミー学術集会、2019年2月16日、横浜(教育講演)
  6. 今、心エコーに求められているもの 学際企画第224回小動物セミナー、2019年1月20日、大阪(教育講演)
  7. 肺高血圧症の診断と右心系機能との関連 第109回日本獣医循環器学会、2019年1月12日、仙台(教育講演)
  8. よくある状況に応じたエコーの使い方 肺が白い、吐いてます、胆嚢が変? 北九州市獣医師会平成30年度第1回小動物講習会、2018年12月16日、北九州(教育講演)
  9. 「心不全を評価するための肺と血管のエコー キヤノン超音波実技セミナー、2018年12月9日、大阪(教育講演)
  10. 心エコーにて右心系の評価をどう行うか? 第39回動物臨床医学会年次大会、2018年11月18日、大阪(教育講演)
  11. 腹部超音波検査とCT検査の比較検討 第39回動物臨床医学会年次大会、2018年11月17日、大阪(教育講演)
  12. 「腎不全ですね」で終わらないための泌尿器のエコー キヤノン超音波実技セミナー、2018年11月11日、大阪(教育講演)
  13. 吐く症例で必須な上部消化管およびその周辺の描出法 キヤノン超音波実技セミナー、2018年9月2日、大阪(教育講演)
  14. よくある状況に応じたエコーの使い方 肺が白い、吐いてます、胆泥見つけた編 大阪市獣医師会講習会、2018年8月26日、大阪(教育講演)
  15. 僧帽弁逆流に薬を処方する目的は何か? 循環器アップデートセミナー2018、2018年8月24日、札幌(教育講演)
  16. 吐く症例で必須な上部消化管およびその周辺の描出法 キヤノン超音波実技セミナー、2018年8月12日、北見(教育講演)
  17. 「腎不全ですね」で終わらないための泌尿器のエコー キヤノン超音波実技セミナー、2018年8月5日、札幌(教育講演)
  18. 知らなければ絶対に診断出来ない肺塞栓症 サイレントキラーの痕跡を画像で捉える 第25回九州地区小動物獣医学会卒後研修会、2018年7月22日、鹿児島(教育講演)
  19. 肝胆膵を超音波で診る WJVF第9回大会、2018年7月15日、大阪(教育講演)
  20. 心エコー検査なんとなくしていませんか? 評価できる断面の出し方 WJVF第9回大会、2018年7月14日、大阪(教育講演)
  21. 超音波を駆使した内科診療 -嘔吐編(犬)- 鹿小臨セミナー、2018年5月10日、鹿児島(教育講演)

より精度の高い心エコー検査を
おこなうためには?

より精度の高い心エコー検査をおこなっていただくために、今回のDVDでは以下の点に特に焦点を当てて解説をおこなっています。


まずは、正しく心臓の大きさを図るテクニックを身に着けなければいけません。どこを、どのタイミングで、プローブをどのように当てればいいか? など、計測時によくある疑問やトラブルなども踏まえて解説しています。

これにより、正確な診断をおこなう土台となる、エコー診断結果のバラつきをなくす技術を身に着けましょう。

心エコー検査の結果などを踏まえて、症例がACVIMによるステージのどこに該当するか判断し、治療方針を決定します。

そのために、ACVIMの各ステージにおける状態や、それにふさわしい治療方針について詳しく解説します。

中には、類似症状や見分けることが難しい症状も多く、判断を迷いやすいよくある症例についてもあわせて解説しているため、臨床のときに本当に役に立つ情報を得ることができるでしょう。

動物の咳が止まらないことは、飼い主さんをとても心配にさせます。犬の咳が止まらない原因を突き止めるためにも、心エコー検査は有効です。

咳の原因としては、心臓病以外に気管支疾患も考えられるため、気管支疾患(気管支軟化症)についても詳しい知識を身につけることで、より正確な治療をおこなえるようになるでしょう。

今回の教材では、これらの知識や技術を詳しく解説していますので、ぜひ目を通されることをオススメします。そこで、その内容をもう少し詳しく紹介しますと・・・

僧帽弁逆流の犬における
心エコーの使い方

知ってて良かった! 猫の純血種診療と高齢猫の医療

DISC1:ACVIMのステージングと心臓の評価

DISC2:心不全をエコーで評価する

DISC3:咳について

特典「動画内容の冊子」

冊子

今回のセミナー映像を冊子にしたものをプレゼントいたします。

動画内で使用したスライドを見直すことができるため、内容を詳しく復習するのに便利な冊子です。忙しいときも、手元に置いておいておけば、すぐにDVDの内容を確認することできます。


心エコーによる診断が
当たり前の時代がやってきます

犬の僧帽弁閉鎖不全症において、アメリカ獣医内科学会(ACVIM)が心エコーを中心に治療方針を決めるガイドラインを示したことは、非常に大きな意味を持ちます。

一方で、動物病院における超音波検査装置の普及率は高くなっているとはいえ、心エコーを正しくおこなえる動物病院はまだ多くありません。

中村先生は、こうした状況が場合によっては大きな間違いを生む危険性があるのではないかと、今回、警鐘を鳴らすとともに、心エコーを精度高くおこなえる技術を公開くださいました。

ACVIMのガイドラインに従い、より適切な治療をおこなうためにも、心エコー検査による診査スキルを向上させることは、これからの動物病院に求められていくでしょう。

安心の60日間返金保証を
お付けいたします

「もしかしたら、もう知っている内容ばかりかもしれない…」「内容を理解できるか不安だ…」「期待にそえる、教材なのか?」など、思われた場合もご安心ください。

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送料も、返金振込料も、当社が負担させていただきます。返金保証が付いている、獣医師向け教材なんて、ほとんどありません。これは、今回リリースするDVD教材への自信そのものです。

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僧帽弁逆流の犬における心エコーの使い方DVD

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僧帽弁逆流の犬における
心エコーの使い方

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