なぜ、嘔吐で来院した犬のリパーゼが高くても急性膵炎と診断してはいけないのか?

なぜ、嘔吐で来院した犬のリパーゼが高くても急性膵炎と診断してはいけないのか?

東京大学附属動物医療センター消化器内科の中川先生が徹底解説!

東京大学附属動物医療センター消化器内科の中川先生が徹底解説!

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毎日、当たり前のように来院する嘔吐・下痢の犬猫ですが…

毎日、当たり前のように来院する嘔吐・下痢の犬猫ですが…

先生は、日々の臨床でこんな経験はありませんか?

もし、どれかひとつでも気になる項目があるのなら、今回のご案内はとても重要です。

なぜなら、東京大学附属動物医療センターの中川先生から、「ホームドクターのための嘔吐・下痢の診断アプローチ」を学べるチャンスだから。

この方法なら、嘔吐・下痢の裏に隠れた緊急性の高い疾患も見逃さずに検出できるようになりますが…

もし、嘔吐症例のリパーゼが高かったら?

もし、嘔吐症例のリパーゼが高かったら?

先生ならどうするか、一緒に考えてみてください。

今からお話するのは、都内にある動物病院の話です。ある日、10歳のパピヨンが、嘔吐と活動性低下を主訴に来院しました。

飼い主さんに詳しい話を聞いてみると、つい先日、ペットホテルから帰宅したとたんに嘔吐をくり返すようになり、現在は食事もほとんど食べないとのことです。

問診を終えたドクターは、嘔吐の原因を調べるため手際よく検査をおこないます。嘔吐の症例は毎日のように来院しますので、ドクターの検査も慣れたものです。

身体検査をしたところ、やや徐脈の印象を受けましたが、それ以外に問題はありません。体重、BCSともに異常はないため、急性に体調が悪くなっているのは間違いなさそうです。

さらに詳しく調べるため、ドクターは血液検査と腹部エコー検査をおこないました。

撮影したエコー画像をチェックしましたが、異常と思われる所見はありません。しかし、血液検査の結果をみると、v-LIPが350U/Lと明らかに高い数値が出ていました。

リパーゼが平均よりも高いことを確認したドクターは急性膵炎を診断し、すぐに膵炎の治療をスタートしましたが…

本当に急性膵炎なのか?

本当に急性膵炎なのか?

今お話したのは、あるドクターの実話を少しだけ脚色したフィクションです。でも、わざわざこんな話をしたのには、きちんと理由があります。

それは、犬猫で一番多い臨床徴候である嘔吐・下痢の診断アプローチをもう一度見直してほしいからです。

もし先生が、経験や直感に頼った画一的な診断をしているのなら、誤診や嘔吐・下痢の裏に隠れた疾患を見逃す可能性が高いと言えます。

その根拠をご説明するため、冒頭でお話した急性膵炎を診断されたパピヨンを思い出してください。

先ほどのドクターは、嘔吐と食欲廃絶、さらにリパーゼの数値が高いことを理由に急性膵炎を診断しました。確かに両方が揃えば、急性膵炎を疑いたくなる気持ちはわかります。

しかし、腹部エコー検査では、膵炎と一致する画像所見はありませんでした。ここまでの検査で得られた情報だけで急性膵炎を診断するのは、少し急ぎ過ぎと言えますが…

結局、何の病気なの?

結局、何の病気なの?

では、このパピヨンのように膵臓の数値が高い症例は、どう考えればいいのでしょうか?

急性腹症を呈した犬を調べた2014年の論文では、急性腹症の犬38頭中27頭は、非膵臓疾患であり、その非膵臓疾患の41%で膵臓の数値(Snap、Spec cPL)の上昇が認められたと報告されています。

半数近くの症例で、膵臓の数値が上昇していますが… "半数近くの症例で、膵臓の数値が上昇していますが…"

さらに膵臓の数値が上昇した原因を詳しく調べてみると、小腸異物、小腸梗塞、肝臓腫瘤、肝臓リンパ腫、肝腫瘍など、多岐にわたる疾患が検出されました。

つまり、リパーゼはさまざまな疾患で上昇するものであり、リパーゼの数値と嘔吐などの臨床徴候だけで急性膵炎は診断できないのです。

先ほどお話した急性膵炎を診断されたパピヨンも、大学病院で詳しく検査した結果、非定型アジソン病(非定型の副腎皮質機能低下症)と判明したのですが…

診断が犬猫の生命を左右する

診断が犬猫の生命を左右する

先生もご存じのとおり、病気の動物を救う上でもっとも大切なのが診断です。獣医療において、診断こそが動物の生命を左右すると言っても、決して大げさではありません。

現在の獣医療では、病気さえ正しく診断できれば、何らかの治療はおこなえます。たいていの疾患は根治できますし、たとえ難治性の疾患であっても高いQOLを維持する治療はできるはずです。

逆に、診断のステップで間違いがあれば、どれだけ最先端の治療をしても間違った治療にしかなりません。このような診療では症状は改善せず、病気は進行してしまうでしょう。

では先生は、嘔吐・下痢の症例を正しく診断できている自信がありますか?

先ほどもお話したとおり、経験や直感に頼った画一的なアプローチでは、診断を間違えてしまうこともあります。これは、臨床経験の長い先生ほど、知らず知らずのうちに犯してしまっているエラーと言えるかもしれません。

急性の嘔吐・下痢症例であれば、数日様子をみているだけで回復するケースもあるでしょう。でも、それが嘔吐・下痢を軽視する原因になってはいないでしょうか?

思い出してみてください。きっと先生も、対症療法の反応が乏しい嘔吐・下痢の症例に悩まされた経験があるはずです。

嘔吐・下痢の裏に隠れた緊急性の高い疾患を見逃してしまった結果、治療が遅れてしまい生命を落としてしまう犬猫も少なくありません。

このような不幸な犬猫を減らすには、どんな症例に対しても同じように画一的なアプローチで診断するのではなく、順序立てて体系的に嘔吐・下痢を診断できる必要があります。

では、具体的にどうやって診断すればいいのか?

今回、東京大学附属動物医療センター消化器内科の中川先生から、隠れた疾患も見逃さない嘔吐・下痢の診断アプローチをわかりやすく学べる教材をご用意しました。

中川泰輔 先生
中川泰輔 先生
中川泰輔 先生
【プロフィール】
麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、たけうち動物病院(伊勢原市)勤務。 その後、東京大学附属動物医療センター内科系診療科研修医、日本動物高度医療センター(川崎市)勤務を経て、2017年から東京大学附属動物医療センター消化器科。 肝・胆・膵疾患含め、犬猫の消化器疾患を幅広く診療している。

【メディア掲載履歴】
・SA Medicine
・Clinic note
・Veterinary Oncology
【学会、セミナー、講演会】
・日本獣医内科学アカデミー(2018, 2019, 2020, 2021, 2022, 2023)

中川先生に嘔吐・下痢の診療術を学ぶべき「5つの理由」

中川先生に嘔吐・下痢の診療術を学ぶべき「5つの理由」

理由①
消化器疾患の専門医の診療技術

消化器疾患のスペシャリストである中川先生のもとには、たくさんの一次診療施設から、嘔吐・下痢が改善しない症例が紹介来院します。

急性から慢性まで、本当にさまざまな症例が来院するのですが、ホームドクターの治療がうまくいかなかった原因を調べてみると、診断を間違えているケースがとても多いとおっしゃいます。

つまり中川先生は、「一次診療のドクターは、どこで嘔吐・下痢の診断を間違えやすいのか?」、その原因を熟知されているということ。

本教材は、「なぜ診断を間違えたのか?」「どこに注意すればいいのか?」「治療は何を優先すればいいのか?」など、ホームドクターが取り組みやすい形で解説していますので、学んだ翌日からすぐに実践できます。

理由②
シンプルで再現性の高い診断アプローチ

嘔吐・下痢を主訴に来院する犬猫はとても多いため、診断は再現性の高さが重要です。しかし、経験に頼った画一的なアプローチでは、どうしても診断の再現性は低くなってしまいます。

たとえば、嘔吐と下痢で来院した中齢のポメラニアンを例に考えてみます。

問診と血液検査を終え、詳しい検査のためにエコー検査をした結果、肝酵素の異常とキウイフルーツのような断面像が認められたとしましょう。このような場合、多くのドクターは、ポメラニアンが好発犬種である「胆嚢粘液嚢腫」を診断すると思います。

この診断自体は間違いではありません。先生が学んできた知識は、即臨床医に役立つすばらしいものなのは疑いようのない事実です。

でも、好発犬種ではない犬が来院した場合も、すぐに胆嚢粘液嚢腫を診断できるでしょうか? もし、「ポメラニアンだから」という理由で診断したのなら、診断の再現性は低いと言えます。

嘔吐・下痢は犬猫でもっとも多い臨床徴候だからこそ、違う症例が来院したときも同じように病気を診断できる再現性の高いアプローチの習得が重要です。

今回は、経験や直感だけに頼らない、再現性の高い診断アプローチを中川先生のわかりやすい解説で学べます。

嘔吐・下痢のそれぞれで再現性の高いアプローチを解説します "嘔吐・下痢のそれぞれで再現性の高いアプローチを解説します"

理由③
分類ごとの初期対応を解説

嘔吐・下痢の症例は「急性なのか慢性なのか?」「軽症なのか重症なのか?」など、分類によって初期対応が変わります。

初期対応を間違えると、いつまでも嘔吐・下痢が改善しなかったり、急性の症例を慢性化させてしまうので注意しなくてはなりません。

ここで一例として、急性で軽症の嘔吐の場合の初期対応を考えてみましょう。

このケースは、原因をはっきりと特定できないことも多いのですが、まずは、必ず除外すべき疾患が2つあります。それは「寄生虫と異物」です。

なぜなら、寄生虫と異物の2つは、診断さえできれば治せる疾患だから。見逃すと不要な検査や重篤化につながるため、最初に除外しなければなりません。

急性で軽症の嘔吐で、寄生虫と異物のどちらでもない場合は、皮下点滴や一日分の制吐薬で対症療法をおこないますが、治療を長引かせないようにする必要があります。

今ご説明したのは、急性で軽症の嘔吐症例の初期対応ですが、重症の場合はまったく別の疾患を考えた初期対応が必要です。

今回の動画セミナーでは、ホームドクターが取り組みやすいよう、急性と慢性、軽症と重症など、嘔吐と下痢の分類ごとの初期対応を解説します。

一度覚えてしまえば、もう初期対応に迷うことはありません "一度覚えてしまえば、もう初期対応に迷うことはありません"

理由④
隠れた疾患の検出方法がわかる

経験に頼った画一的な診断アプローチだと、どうしても嘔吐・下痢の裏に隠れた疾患に気づけないケースがあります。

たとえば、急性で重症の嘔吐症例の「アジソン病(副腎皮質機能低下症)」はその代表的なもの。とくに非定型アジソン病は要注意であると、中川先生はおっしゃいます。

でも、なぜアジソン病は見逃されやすいのでしょうか? それは、アジソン病がホルモン検査(ACTH刺激試験)をしない限り、絶対に診断できない病気だからです。

「急性で重症の嘔吐症例では、アジソン病を疑わなくてはならない」という考え方ができなければ、見逃してしまう確率はとても高くなります。また、ステロイドを開始してしまった場合は、アジソン病の診断が極めて難しくなることも知っておかなければなりません。

これは、下痢、嘔吐の裏に隠れた疾患を検出する方法の一例ですが、見逃されやすい疾患は他にもたくさんあります。中川先生のアプローチを実践すれば、疾患の見逃しは大幅に減らせます。

この考え方ができれば、隠れた疾患にもすぐに気づけます "この考え方ができれば、隠れた疾患にもすぐに気づけます"

理由⑤
多数の病変のエコー所見を収録

嘔吐・下痢の診断においても、エコーはとても重要です。とくに慢性嘔吐の症例で消化器疾患がある場合の器質的異常の確認にエコー検査は欠かせません。

必ずしもエコー検査で確定診断にいたるケースは多くありませんが、次にやるべき検査が明確になるメリットは大きいでしょう。

また、エコー検査で異常をピックアップするには、正常所見だけでなく異常所見もたくさん知っておくことが重要なのは、先生もご存じのとおりです。

そこで今回は、胃がん、幽門前庭粘膜過形成、胃腺腫、猫の十二指腸腺腫、犬の小腸線がんなど、さまざまな消化器疾患のエコー所見を収録しました。

画像読影のポイントは、もちろん中川先生がわかりやすく解説してくれます。

典型的な異常所見を知っていると、診断がスムーズになります 典型的な異常所見を知っていると、診断がスムーズになります
"典型的な異常所見を知っていると、診断がスムーズになります"

他にも、中川先生から嘔吐・下痢の診療術をたくさん学べる今回のプログラム。その一部をご紹介すると…

即臨床!絶対身につく嘔吐・下痢の診療術

即臨床!絶対身につく嘔吐・下痢の診療術

「3大特典」をプレゼント

「3大特典」をプレゼント

今回の教材には、3つのご購入者限定特典が付いています。

【特典1】
診断精度を高める方法

まずひとつめの特典は、「診断精度を高める方法」を解説した映像(約22分)です。

嘔吐・下痢に限った話ではありませんが、日々の診療は①検査、②診断、③治療のステップでおこなわれます。この3ステップの中でも、一番重要になるのが「診断」です。なぜなら、診断を間違えてしまうと、どんな治療をしても間違ったものになるから。

そこで今回は、確定診断への道のりを掘り下げて解説した特典映像をご用意しました。この特典映像では、

など、診断精度を高める方法を中川先生のわかりやすい解説で学べます。

この方法なら、もっと診断精度を高めることができます "この方法なら、もっと診断精度を高めることができます"

【特典2】
内視鏡生検の基本手技

嘔吐・下痢を主訴に来院した犬猫の中には、詳しい検査のために内視鏡生検が必要になるケースがあります。

内視鏡生検は、開腹生検に比べると侵襲性が低く、粘膜病変の観察も可能なため、基本手技を習得していると診療の幅が広がります。

この特典映像では、以下の内容を学べます。

基本を正しく押さえれば、簡単にサンプルを採取できます "基本を正しく押さえれば、簡単にサンプルを採取できます"

【特典3】】
セミナーで使用したレジュメ

収録された中川先生の講義がまとめられた「セミナーレジュメ」をお渡しいたします。映像をじっくり視聴するお時間がなければ、まず、このレジュメから先に目をとおしてください。そして、気になる個所の映像から視聴していただければ、効率のよい学習が可能です。もちろん、復習用のテキストとしてもご活用いただけます。

中川泰輔先生の映像教材を推薦します

中川泰輔先生の映像教材を推薦します

臨床の現場で「本当に」役立つ知識

中川先生は、東京大学の消化器内科の科長を務められており、臨床医にとって「生きた知識とは何か」を教えてくれる貴重な先生です。

生きた知識は、過去の報告などに基づく疫学的データ/エビデンスと、実際に多数の症例を自身で診断し治療した経験の両方がないと生まれないものです。

これは、人工知能のようにただ情報をたくさん知っている情報屋とは全く異なります。

嘔吐、下痢などの消化器症状は、どんな疾患でも引き起こされるからこそ、教科書通りの情報だけを羅列されても、それをどのように目の前の患者に落とし込むのかがわからないと勉強が難しい分野です。

一方で、今や飼い主様はさまざまなところで情報を得られるようになっており獣医師に求められている知識量は格段に増えており根拠に基づいた検査・治療が強く求められています。

本映像教材は、臨床医にとって現実的に必要なエッセンスが詰まっており、この映像教材を見ることで抗生剤や止瀉薬、ステロイドなどをただ順番に投与していくような診察から一線を引いて、診断に基づいた適切な治療が自信を持って飼い主様に提供できるようになと思います。

東京大学大学院農学生命科学研究科
附属動物医療センター 消化器内科
阪本 恵美 先生

「嘔吐・下痢の診断術」を学びこんな結果を手に入れませんか?

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「本当に、納得いく内容なのか?」と思われた先生へ、60日間返金保証をお付けいたします(ネット配信版は対象外)

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来院の多い臨床徴候だからこそ確実なアプローチを

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臨床歴が長くなると、どうしてもひとつのやり方に固執しがちです。

嘔吐・下痢など、日々の臨床で遭遇する機会の多い主訴であれば、なおのことアプローチもワンパターンになってしまうと思います。

しかし、経験や直感だけに頼った画一的なアプローチでは、どうしても隠れた疾患に気づけないケースも出てくるでしょう。その結果、病気を進行させてしまったのでは、先生も悔やみきれないと思います。

だからこそ、違う症例が来院した場合も、同じように病気を診断できる再現性の高いアプローチを習得してほしいと考えています。

ぜひ先生も、中川先生に嘔吐・下痢の診断アプローチを学び、隠れた疾患まで確実に治療できるようになってください。

この価格(リリースキャンペーン価格)での販売は、10月16日まで。10月17日以降は、定価の30,800円(税込)に戻ります。初回在庫(100セット)がなくなる前にお申し込みください。

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