先生もよくご存じのとおり、クッシング症候群は犬に多くみられる内分泌疾患です。
プードルやダックスフント、ヨークシャーテリア、マルチーズなどが好発犬種として知られており、中齢~高齢犬に発症の割合が高い傾向があります。
比較的ポピュラーな疾患ですが、診断の手順が複雑なうえ、治療法の異なる下垂体性と副腎腫瘍性の2種類があるため、苦手意識をお持ちの獣医師もたくさんいます。
クッシング症候群の犬には、特徴的な臨床徴候があります。
たとえば、多飲多尿は90%以上の犬に、また、80%ほどの犬に腹部膨満や、皮膚病変(脱毛、石灰沈着など)がみられます。
また、クッシング症候群の犬は、その90%以上でALP値の上昇がみとめられますので、この数値を参考にしている先生も多いと思います。
しかし患者の中には、ALP値が上昇しているにもかかわらず、臨床症状がほとんどあらわれないグレーゾーンの症例もいます。
他にも、食欲不振(または廃絶)にもかかわらず、クッシング症候群の臨床症状がみられるという、矛盾した症状を示すケースもあります。
クッシング症候群と診断して良いのか、どうなのか…
このような明確にクッシング症候群と言えない症例は、トリロスタンを処方しても治療が上手くいかないケースが多くみられます。
もしかしたら、先生も判断の難しいクッシング症候群の症例に悩んだ経験があるかもしれません…
今お話したのは、クッシング症候群の一つのタイプに過ぎません。
他にもクッシング症候群には、トリロスタンの処方が不要なケースや、併発疾患を発症しているケースなど、さまざまなタイプがあります。
大事なことは、これらのクッシング症候群のタイプを正しく見極め、症例にあった適切な治療をおこなうことです。
では、具体的にどうやってタイプを見極め、治療すれば良いのか?
今回、日本獣医生命科学大学の森昭博先生を講師にお迎えし、最新のクッシング症候群の診療アプローチを学べる教材をご用意しました。
クッシング症候群は、外科的治療、内科的治療の2種類があります。
しかし、外科的治療は現実的に難しいことが多いため、内服薬による治療を選択するケースがほとんどです。
そして、クッシング症候群の内科療法でもっとも使われているのが、副腎皮質ホルモンの合成を阻害する「トリロスタン」です。
先生も、クッシング症候群を治療するときは、アドレスタンやデパソン錠などのトリロスタン製剤を使用されていると思いますが…
トリロスタンの副作用は、元気消失、食欲不振、下痢、嘔吐などが知られています。
先生は、これらの副作用をみて何か気がつきませんか?
いま挙げた4つの副作用は、全てコルチゾールおよびアルドステロンの両方が低下が原因で起こる、アジソン症状です。
つまり、クッシング(分泌過剰)をアジソン(分泌低下)にすることで出る症状が、トリロスタンの副作用と言えます。
問題はこれだけではありません。
実は、トリロスタンには、副腎壊死を起こすリスクもあるのです。
森先生は、これまで多くのクッシング症候群症例を診療した経験から、「フレンチブルドッグは、トリロスタンによる副腎壊死が起こりやすい犬種である」とおっしゃいます。
そのため、フレンチブルドッグへのトリロスタンの投与は、特に慎重にならなくてはいけません。当然、「とりあえず、トリロスタン」といった治療はNGです。
トリロスタンを使用するときには、まず、考えなくてはならないことがあります。
それは、「本当にトリロスタンが必要なのか?」ということ。グレーゾーンのクッシング症候群の症例には、トリロスタンが不要であるケースも少なくありません。
また、トリロスタンの投与は、下垂体に大きな負担をかけます。その結果、神経症状が出てしまい、旋回運動をするなどの異常行動を起こすこともあります。
こうなると、クッシング症候群の症状は良くなったとしても、病気は悪化していることになります。
このような失敗を防ぐには、トリロスタンの用量はもちろん、投与後の定期的なモニタリングも欠かせません。
今回の教材では、トリロスタンを正しく使用する上で重要になる…
などのポイントを森先生のわかりやすい解説で学べます。
くり返しお伝えしているとおり、クッシング症候群は、診断、治療の複雑な疾患です。
治療が上手くいくこともあれば、思い通りにコントロールできないことも少なくありません。
だからこそ、ベテラン獣医師が診療にあたった過去の症例を学び、どのように診療を進めていけば良いのかを知ることは、とても重要ですよね。
そこで今回は、タイプの異なる10症例を森先生に解説していただきました。
典型的なクッシング症候群の症例はもちろん…
など、さまざまなクッシング症候群のタイプをご紹介します。
症例解説で、クッシング症候群の診療を疑似体験すれば、短期間で診療技術をアップできるだけでなく、診療の引き出しをたくさん増やせます。
今回の教材で学べるのは、クッシング症候群だけではありません。
副腎皮質機能低下症(アジソン病)に対する、最新の診療アプローチも森先生に教えていただきました。
先生もご存じのとおり、アジソン病は生命にかかわる深刻な病気です。しかし、特徴的な症状がないため、見逃されたり、誤診されるケースも少なくありません。
また、アジソン病は、完治は難しい病気ですが、適切な治療ができれば寿命まで生きられる病気です。
だからこそ、見落としや誤診のない正しいアジソン病の診療アプローチを学び、アジソン病に苦しむ動物を救ってほしいのです。
今回の教材では、アジソン病の概要はもちろん、具体的な診断、治療法、症例解説、飼い主さんへのインフォームドコンセントなど、森先生のわかりやすい解説で学べます。
ぜひ先生も、森先生からクッシング症候群とアジソン病の診療のコツを学んでください。そうすれば…
教材の内容を一部紹介すると…
犬猫の副腎疾患に関して症状から診断の要点、治療まで網羅した動画になっています。犬のクッシング症候群は一般診療でよく遭遇する疾患です。はじめに病態に関して下垂体性、副腎腫瘍性との違いを詳しく説明されており、以降の診断、治療が理解しやすいものとなっています。診断のパートではACTH刺激試験の結果の解釈の仕方やデキサメサゾン抑制試験との違い、内因性ACTH値の利用方法、エコー検査時の副腎抽出のポイントが解説されている為、新人からベテランの先生まで幅広く勉強できる教材となっています。治療のパートではトリロスタン投与の適応基準や、モニタリングの際の注意点、難治性の症例に遭遇した際の考え方まで網羅されており、明日の診療ですぐに役に立つ情報が満載の内容となっています。また要所にアジソン病の解説も含まれている為、トリロスタン投与による副作用時の病態のイメージが掴みやすくなっています。特典映像では猫の副腎疾患に関して解説されております。猫の副腎疾患は犬と比較し、遭遇率が低い分、苦手意識をもたれやすい疾患ではないかと思います。この教材では、犬の副腎疾患との違いを写真やデータを交えながら解説しており、本教材を閲覧することで遭遇機会の少ない猫の副腎疾患に対する理解を深めることに大きく貢献すると思います。本教材が獣医の内分泌診療の質の向上に繋がることを確信しており、諸先生方に推薦させて頂きます。是非とも御閲覧下さい。
今回の教材には、購入者限定特典を3つご用意しました。
1つ目は、「猫の副腎疾患の診断と治療」をわかりやすく解説した動画(約43分)です。
犬のクッシング症候群は、下垂体性、副腎皮質腫瘍のどちらであっても、コルチゾールは上昇します。つまり、2つのどちらのケースでも、似たような症状があらわれます。
猫の場合も同じように考える先生もいらっしゃるかもしれませんが…
なぜなら、猫のクッシング症候群では、下垂体性と副腎皮質腫瘍で、まるで違う病気のように異なる症状があらわれるからです。
そのため、猫の場合はまず、下垂体性なのか、または、副腎皮質腫瘍なのかを正しく診断することがとても重要になります。
しかし、クッシング症候群の猫は、それほど多くはありません。そのため、両方のケースを診断した経験のない先生も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、下垂体性と副腎皮質腫瘍の両方の症例をみながら、具体的な診療アプローチを学べる森昭博先生解説の動画を特典映像としてご用意しました。
特典映像で学べる内容の一部をご紹介すると…
約40分の特典映像では、本編にも負けない充実した内容を学べます。
特典映像に収録されている症例解説の中には、近年、高い治療効果で注目されているカベルゴリンの使い方もご説明しています。
森先生もオススメする有効な治療法です。ぜひ、森先生のわかりやすい解説をお聞きください。
2つ目の特典、それは…
これら2種類のチェックシートです。
診断時チェックシートは…「どのような手順でクッシング症候群を診断すれば良いのか?」そのポイントがひと目でわかるようまとめられたシートです。
どのような症状が存在するかにはじまり、飼い主さんの困りごとやACTH刺激試験の数値など、「ここを見ればOK」というポイントがまとめられています。
もう一つのインフォームドコンセントシートは…「トラブルを未然に防ぐうえで、飼い主さんに伝えておくべき大事なポイント」がまとめられたシートです。
このシートは、そのまま印刷して患者の情報を書き込み、そのまま飼い主さんに渡して使うことができます。
ぜひ、明日からの診療にお役立てください。
3つ目の特典。もちろん今回も、セミナーで使用した森昭博先生のレジュメはプレゼントいたします。
しかし、今までの教材のセミナーレジュメとは、少し違う点があります…
これまでの教材のレジュメは、DVD版がモノクロ印刷の冊子、VOD(ネット配信)版は印刷不可のPDFで、お渡しをしていました。
しかし、今回のセミナーレジュメは、印刷可能なPDF形式でお渡しします。
本編の映像をご覧いただくとすぐにわかるのですが、今回のセミナーでは、わかりやすくご説明できるよう、森先生がレジュメに直接ポイントを書き込んでくれています。
先生も同じように、印刷したレジュメにポイントを書き込みながら学べば、クッシング症候群とアジソン病の診療アプローチをより理解できるようになるはずです。
先生ご自身が勉強されるときはもちろん、スタッフ研修や、病院内の勉強会にも、ぜひご活用ください。
クッシング症候群の診療アプローチは、今もなお進化し続けています。
診断はひと昔前よりもはるかに正確になり、さまざまなタイプのクッシング症候群を治療できるようになりました。
高価な薬剤を使わなくても、飼い主さんの経済的負担が少ない安価な薬剤でコントロールできるようにもなりました。
欧米では、クッシング症候群の犬の91.2%が、診断から15ヶ月以内に安楽死させられているというデータがあります。
これは、欧米の飼い主さんが「病気の犬を普通の犬に戻したい…」「病気のままでいるのはかわいそうだ…」と、考えていることが、ひとつの大きな原因ではないかと思われます。
しかし、日本はそうではありません。
たとえ病気だとしても、「なるべく元気で長生きしてほしい」「できることなら、天寿をまっとうさせてあげたい」と考える飼い主さんがほとんどでしょう。
だからこそ、完治の難しいクッシング症候群やアジソン病の症例が来院したとしても、できる限りの治療をおこない、動物と飼い主さんのQOLを向上させてほしいのです。
今回の森昭博先生の「10CASEレポート 副腎疾患完全攻略!」が、クッシング症候群、アジソン病の治療に役立つことをお約束いたします。
教材内訳 |
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価格 |
販売価格 45,980円 (税込50,578円) |
返金保証 | なし |
特記事項 |
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※安心の暗号化通信を採用しています。
この商品のお申込みフォームは、世界でもトップレベルである、グローバルサイン社のセキュリティシステムを利用しており、個人情報保護、セキュリティ強化のため、SSL暗号化通信を採用しています。お申込みの際に個人情報の漏洩は一切ありません。
教材内訳 |
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価格 |
販売価格 45,980円 (税込50,578円) |
返金保証 | なし |
特記事項 |
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※安心の暗号化通信を採用しています。
この商品のお申込みフォームは、世界でもトップレベルである、グローバルサイン社のセキュリティシステムを利用しており、個人情報保護、セキュリティ強化のため、SSL暗号化通信を採用しています。お申込みの際に個人情報の漏洩は一切ありません。