「腎臓病の患者には、点滴して
ご飯あげておくしかないんでしょ?」
と思っていませんか?
腎臓病の患者の体の中で
「何が起きているのか?」
「何を調べなければならないのか?」
「何をやらなければならないのか?」
ちゃんと診断をつけて、理論的に治療できているでしょうか?
また、飼い主さんに
「なんでこの薬を飲まないいけないのか?」
「見た目は変わらないが、こういうところを悪化させる要因になるので、このような治療をしましょう」
と説明できていますでしょうか?
これは宮川先生から伺った話ですが、、、
“実際、獣医師さんは「この患者は腎臓病だからこの薬をあげてください」と飼い主さんに説明しているが、なぜ、この薬を処方しているのか、理解していないケースが多いです。”
本来なら飼い主さんに「この薬を飲むと、●●に良いです」「治療や薬を止めると、●●の理由で病態が悪化しますよ」と説明できる必要があるのではないでしょうか。
そのため、今回、宮川先生にイヌ・ネコ5症例から考える腎臓病の診断と治療について、ウェビナーで講義していただきました。
ウェビナーの講師紹介
- プロフィール
- 日本獣医畜産大学獣医学部獣医学科を卒業した後、2010年に日本獣医生命科学大学大学院で犬および猫の慢性腎臓病の早期診断の研究で博士(獣医学)号を取得。2011年より、日本獣医生命科学大学 獣医高度医療学教室助教に着任。同時に本学付属動物医療センターで腎臓科、循環器科を担当する。現在は、日本獣医生命科学大学 獣医内科学研究室第二 准教授を務める。
- 【講演など】
- JBVP年次大会2013-2019(腎泌尿器に関して)
WJVF年次大会2015, 2017-2019(腎泌尿器に関して)
JBVPレクチャーシリーズ2015, 2018(いずれも腎臓病関係)
JBVP年次大会2013-2019(腎泌尿器に関して)
動物臨床医学会年次大会2014, 2015, 2017, 2018(いずれも腎臓病関係)
日本獣医循環器学会 (春季合同学会) 2015, 2019(いずれも腎臓病関係)
獣医内科学アカデミー 2010, 2011, 2013, 2016-2019(いずれも腎臓病関係)
宮川先生から講義概要を解説していただきました…
慢性腎臓病は、マニュアル通りに診断、治療することが難しい疾患です。ガイドラインにあるように、「ステージがいくつだったら、こういう治療を行う」というように簡単にいくものではないと思います。特に、腎臓病に罹患している症例では、他の疾患を合併していることが多く、慢性腎臓病の存在が他疾患の治療を難しくする、あるいはその逆もあります。ここでは、腎臓病の実際の症例を紹介し、腎臓病の診断や治療において考えることは何なのか、ということをお話しさせていただきました。
Zoomセミナー(アーカイブ版)の内容は?
”ZOOMセミナー動画の一部を公開中”
この5症例の腎臓病の診断と治療を解説いただきました
■1症例目
- シグナルメント:ヨークシャテリア、6歳10ヶ月齢、去勢雄、体重2.90kg
- 来院理由:母親と同腹子が糸球体腎炎と診断されたため、
毎年健康診断のため来院(3年間異常なし)
- 臨床徴候:なし
- 治療:なし
- 身体診察所見:特記すべき異常なし
■CKDの定義とステージ
■腎性蛋白尿の違い
■蛋白尿の解釈
■高血圧の診断と治療対象
■標的臓器障害(TOD)について
■糸球体疾患に対する治療目標
■ACE阻害薬・テルミサルタンは何の治療に効くのか?
■2症例目
- シグナルメント:パピヨン、6歳6ヶ月齢、避妊雌、体重2.90kg
- 来院理由:蛋白尿の精査(HDの検査でUPC6.4)
- 臨床徴候:食欲不振(50%)、活動性低下、黒色軟便、嘔吐
- 治療:プレドニゾロン、ファモチジン、アモキシシリン
- 身体診察所見:口腔内乾燥、腹部圧痛
■CKDの犬での膵炎の発症について
■膵炎(or慢性腸炎)を合併した場合の治療方針
■3症例目
- シグナルメント:柴犬、0歳8ヶ月齢、避妊雌、体重10.15kg
- 来院理由:多飲多尿の精査、BUNの上昇
- 臨床徴候:多飲多尿150-200ml/kg/day
- 治療:特になし
- 身体診察所見:特に異常なし
■品種によるクレアチン値について
■腎異形成について、腎異形成の発症、腎異形成の診断
■イヌおよびネコでの炭素系吸着剤の効果
■腸内細菌叢の変化と尿毒症
■便秘薬が尿毒症を軽減する
■4症例目
- シグナルメント:ブリティシュショートヘア、
3歳1ヶ月齢、去勢雄、体重4.45kg
- 来院理由:血尿の精査(1ヶ月前に肉眼的血尿、その後は潜血尿)
- 臨床徴候:特になし
- 治療:ロベナコキシブ、ユリナリーS/O
- 身体診察所見:特に異常なし
■閉塞性腎症の発症機序
■閉塞性腎症、腎盂腎炎と瘢痕化
■突発性高カルシウム血症について
■閉塞性腎症の猫の特徴
■なぜ療法食が結石の一因になるのか?
■5症例目
- シグナルメント:雑種猫、4歳4ヶ月齢、去勢雄、体重6.95kg
- 来院理由:慢性腎臓病、血尿の精査(HDの検査でCre2.3、SDMA11)
- 臨床徴候:肉眼的血尿(尿の濃さに多少の違いはあるが、半年間維持している)
- 治療:下部尿路用療法食(ドライフード)
- 身体診察所見:口腔内乾燥
■腎臓病は進行の速さから病名が異なる
■腎盂腎炎について
■腎盂腎炎の明確な診断基準がない
■腎盂腎炎と診断したら…
■尿細管機能障害によって発生する問題
■おまけ:プロポロストNaは使うべきか?
■セミントラ vs ラプロス
実際に宮川先生の
ZOOMセミナーを学んだ
先生たちの声
腎臓病の症例解説。わかりやすく学べます
今回のセミナー動画では、ただ腎臓病の診断・治療を形式的に学ぶのではなく、症例から腎臓病の診断・治療について解説していただきました。
宮川先生が長い年月をかけて蓄積されたデータ、薬の用途や使用タイミングなども学べます。
これらは、学校や専門書では学べない、とても価値ある情報ではないでしょうか?罹患率が高く、遭遇する機会が多い腎臓病です。
腎臓病の原因や病態を正しく把握して、適切な治療を選択していきませんか?
そうすれば、、、
- もっと自信を持って腎臓病の診断と治療ができる
- 治療の根拠をわかりやすく説明できる
- 腎臓病の薬剤やフードを選択できる
- もっと飼い主さんと動物のQOLをあげられる
- 大学では学べない、腎臓病の診断と治療法が学べる
イヌ・ネコ5症例から考える
腎臓病の診断と治療
Zoomセミナー(アーカイブ版)
総収録時間:97分
通常価格5,960円(税込)
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