かつて、心エコーといえば専門医のものでした。
心臓という動きのある臓器を、血液の流れと力強さ、タイミングまで含めて描出・評価する。それには高度なスキルが求められるため、限られたドクターしか実施できなかったのです。
しかし近年、エコー装置の普及にともない、本格的に心エコーを学ぶホームドクターが増えてきました。
その背景には、「犬猫の高齢化」という現実があります。
先生もご存じのとおり、獣医療の目覚ましい発展により、以前と比べて犬猫はとても長生きになりました。本当にすばらしいことですが、その結果、心疾患を抱える動物も急増しています。
咳、呼吸の異常、活動性の低下、不整脈など。こうした症状の本当の原因を探る上で、「心臓の動きをリアルタイムに観察できる」心エコーの重要性は、日々高まっていますが…
大学で心エコーを学ぶ時間は、講義と実習の限られた時間のみ。
ごくわずかな時間しかないため、多くのドクターは、卒業後に臨床で必要性を感じてから、独学で学びはじめます。そのため、
こう感じながらも日々の診療に追われ、何となくやり過ごしているドクターも多いと聞きます。でも、本当にそれでいいのでしょうか?
正しいやり方を知らないまま独学で心エコーを実施していると、どうしても誤診・見落としのリスクが高くなります。その結果、「逆の治療をしてしまう」。そんなケースも少なくないのです。
「猫の肥大型心筋症」を疑ったドクターのお話です。
来院したのは、12歳の猫。ここ数日、ご飯もあまり食べず、ぐったりしている。呼吸はゼーゼーと荒く、聴診器を当ててみると、うっすら心雑音も聴取できました。
「年齢的にも、循環器の問題があるかもしれない」。そう考えたドクターは飼い主さんに説明し、その場で心エコーをおこないました。
しかし、描出された心臓は肋骨にマスクされ、画像も不鮮明。「ここでいいのかな…?」と迷いながら計測するも、正直、自信が持てない。
その判断で、処方したのはピモベンダン。とくに珍しい対応ではないかもしれません。でも、この治療が「逆効果」だったとしたら?
猫の肥大型心筋症の本質は、心臓の収縮が過剰になってしまうこと。
収縮が強すぎるあまり、拡張が不十分になり、心臓に血液が戻らず全身に十分な血液を送れないのです。悪化すれば、肺に血液がうっ滞し、肺水腫を起こすこともあります。
そんな状態の悪い猫に、「収縮を促す薬」を投与してしまったら?
一時的には、ラクになったように見えるかもしれません。しかし、長期的には心臓にさらに負担をかけ、病状を進行させてしまう危険があるのです。
つまり、良かれと思っておこなった治療が、真逆の方向に作用してしまう。このミスの原因は、あいまいな心エコーにあります。
たとえば、
こんな声を、多くのドクターから聞きます。そして、その原因の多くが「断片的な独学」にあります。
ネットで見た情報、誰かから聞いたコツ、学会の資料など。バラバラの知識を何とかつなぎ合わせて、自分なりにやっている。
でも、心エコーを診断に活かすには、正しい基本技術と臨床での実際の見え方を順序立てて「体系的」に学ぶことが重要です。
心エコーが難しいと感じるのは、先生に技術がないからではありません。ただ単に、「体系的な教え方に出会えていないだけ」というケースが、ほとんどなのです。
そこで今回、心エコーをまだ学んだことない先生や、独学で不安を抱えている先生のために、診断に繋がる「見落としのない心エコー」をわかりやすく学べる教材を制作しました。
講師は、年間4,000件以上の心エコーを実施する循環器のスペシャリストであり、「東京動物心臓病センター」のセンター長を務める岩永孝治先生です。
心エコーが難しいと言われる理由のひとつに、四次元的な評価が挙げられます。心エコーは、動いている心臓を、その機能や血流、時間まで含めて評価しなくてはなりません。
これは、他のエコーにはない高度な技術が求められます。そのため、臨床経験が豊富なドクターと経験の浅いドクターでは、同じようにプローブを当てても、検査の正確性に大きな差が出てしまうのです。
つまり、心エコーで診断につながる情報を得たいと思うなら、臨床経験が豊富なドクターに教わるのが一番の近道になるのです。
その点、岩永先生は、心エコーを教わる最高の講師と言えます。
なぜなら、「心臓病専門」の動物病院の院長を務める岩永先生は、年間4,000症例以上の心エコーを実施しているドクターだから。彼の正確かつスピーディーな心エコーテクニックは、多くのドクターから注目されています。
もし先生が、「間違いのない心エコー技術を学びたい」と思われるなら、岩永先生に教わっておけば間違いありません。
心エコーで、診断に必要な情報を得るために、もっとも重要なこと。それは、「キレイな画像を描出できるかどうか」です。
どれだけ心疾患の知識があっても、描出された画像が不鮮明で読みにくければ、誤診・見落としのリスクが高くなってしまいます。
たとえば、「プローブの持ち方」は、画像の良し悪しを大きく左右する要素のひとつ。ところが、プローブの持ち方をしっかり学ぶ機会はほとんどなく、自己流のままエコー検査をしている先生も多いのが現実です。
握り方・手の角度・動物に当てる力加減・位置の微調整など、ちょっとしたクセで狙った断面をうまく描出できないケースも少なくありません。
だからこそ、今回の動画セミナーでは、心エコーの基礎の基礎であるプローブの持ち方から、基本の「16断面」の描出方法まで、ひとつずつ丁寧に解説しています。
これから本格的に心エコーを学ぶ先生にとっては、キレイな画像を描出する「土台づくり」として。また、すでに心エコーを実施している先生には「答え合わせ」としてもご活用いただけます。
心エコーで、多くのドクターを悩ませるのが「評価の難しさ」です。
教科書を何冊も読み込んでも、「本当にこれで正しいのか?」と不安を感じる。実際、そんな声をよく耳にします。それもそのはず。教科書には「基本的な指標」こそ載っていますが、それが現場で本当に役立つかどうかまでは、教えてくれないからです。
たとえば、犬の僧帽弁閉鎖不全症の重症度評価。
一般的には「LA/Ao(左心房/大動脈径の比)」という指標が使われます。これは、教科書でも広く紹介されている評価法ですが、岩永先生は、「LA/Aoでは、正しい評価は難しい。重症度評価は、左心室を見た方がはるかに正確なんです」とおっしゃいます。
なぜなら、左心房の大きさと逆流量は比例しないから。左心房が大きいからといって、必ずしも逆流が多いとは限らないのです。その一方で、左心室は逆流量に比例して拡大するという明確な特徴があります。
つまり、LA/Aoで評価するよりも、左心室に注目した方が、はるかに精度の高い評価が可能になるのです。
これは、今回の動画セミナーで学べるテクニックのほんのひとつに過ぎません。今回は、このような教科書には載っていない「臨床で本当に使えるテクニック」をたくさん学べます。
「猫は小さな犬ではない(Cats are not small dogs)」という有名な格言のとおり、犬と猫では、そもそもの身体の作りが大きく異なります。
たとえば、猫の心臓は犬よりも小さく、位置も深くて見つけづらい。「ここが心臓かな?」とプローブを当ててみても心臓がなかったり、肋骨や肺でマスクされることがあります。
さらに、猫は犬に比べてジッとしているのが苦手です。犬では問題なかったプローブ操作が、猫になると通用しないケースもよくあります。
つまり、犬と猫では、描出のテクニックも評価のポイントもまったく別モノなのです。
そこで本教材は、170枚以上のエコー画像と動画を用いて、犬と猫のそれぞれの描出と評価のコツを学べるよう構成しました。
さらに、臨床でもっとも遭遇頻度の高い2つの疾患。「犬の僧帽弁閉鎖不全症」と「猫の肥大型心筋症」、それぞれの診断アプローチも掘り下げて解説しています。
「百聞は一見にしかず」という言葉がありますが、心エコーにおいては、まさにこの言葉が当てはまります。
いくら講義で知識を学んでも、実際にどんな手つきでプローブを動かし、どう断面を描出しているのかまではイメージしにくいもの。でも、一度「実技」を見ると、「なるほど、こうすればいいのか!」と、点と点だった知識が線につながる感覚が得られます。
本教材には、岩永先生の実技デモンストレーションも、たっぷり収録しました。
犬と猫の両方をモデルに、基本断面の描出から計測・評価のポイントまで、実演でわかりやすく解説しています。
見どころは、年間4,000症例以上の心エコーを実施するスペシャリストの「手の動き」そのもの。プローブの位置・角度・当てるテンポ、一切のムダがない岩永先生のテクニックには、実践のエッセンスが詰まっています。
くり返し視聴し、練習すれば、岩永先生のように「わずか5分」で基本の16断面すべてを描出するのも夢ではありません。
他にも、岩永先生から心エコーを臨床に活かすポイントをたくさん学べる今回のプログラム。その一部をご紹介すると…
1.保定のコツとポジショニング(特典映像)
動物の中には、素直にプローブを当てさせてくれる子もいれば、ジッとするのが苦手な子もいますよね。スムーズに心エコーを実施するには、動物に合わせた保定が欠かせません。この特典映像では、犬と猫の両方をモデルに、保定のコツをわかりやすく学べます。また、検査のしやすいポジショニングも解説しますので、ぜひ、お役立てください。
2.プローブの持ち方一覧
エコー検査の基本であり、キレイな画像描出に欠かせないテクニックが「プローブの持ち方」です。心エコーにおいては、描出する断面ごとプローブの持ち方も変わります。詳しい内容は本編で解説していますが、慣れるまでは断面と持ち方が一致しないケースもあるでしょう。そんなときは、この「プローブの持ち方一覧」が役立ちます。
3.講義で使用したレジュメ
収録された岩永先生の講義がまとめられた「レジュメデータ」をお渡しいたします。映像をじっくり視聴するお時間がなければ、まず、このレジュメから先に目をとおしてください。そして、気になる個所の映像から視聴していただければ、効率のよい学習が可能です。もちろん、復習用のテキストとしてもご活用いただけます。
本教材のセクション1では心エコー図検査の基礎、各標準断層像を描出する際のプローブの動き、Mモード、スペクトルドプラ、カラードプラ、および組織ドプラなどの心エコー図検査を実践し理解するための基本的な情報をわかりやすく解説しています。
また、セクション2および3では、各種先天性心疾患や犬・猫に好発する弁膜症や心筋疾患について、実際の検査画像を提示しながら検査の際に注目すべきポイントなどを解説しています。
難解な専門用語でなく平易な用語を使用しているので、これから心エコー図検査の技術を学ぼうと考えている方々には特におすすめの教材です。
また、初学者向けの内容だけでなく、ある程度検査技術に習熟した方にとっても痒いところに手が届くような内容になっていますので、一通り検査の技術は身についたけれど得られた画像や計測値をどう評価したらいいのか自信のない先生、ある程度は評価もできるようになったけれど基礎を学び直したい先生にも満足いただけると思います。
心エコー図検査ほど職人芸的な検査はないと思う。概して職人は寡黙で背中で語るとイメージされる方が多いと思うが、心エコーは画像検査なので画像で語るというべきであろうか。
講師の岩永先生は、昔ながらの職人気質を持ちながら、一方で、循環器疾患を多数診療し、飼い主さんへの説明も日々実施する臨床医である。
特筆すべきことは、診療件数が多く豊富な知識のみならず、多数の実経験に基づいた解説があること。本教材でも多数のきれいな心エコー図自体が画像で雄弁に語りながら、かつ岩永先生が臨床で使用する際のコツ、悩みやピットフォールをわかりやすく解説してくれている。
また各心疾患における病態生理や心エコー所見を、図や箇条書きによる要点解説でまとめてくれているのもわかりやすかった。
さらに実際の犬と猫の臨床症例における心エコー図検査の一連の流れや、岩永先生の考え方も確認できる。お勧めの教材です。
心エコーのスペシャリストとして活躍されている岩永先生ですが、本映像教材でも心エコーのあて方、評価の方法、計測値を踏まえた病態など、詳細に解説されています。
心エコーをこれから始めようとしている先生だけでなく、心疾患に興味を持たれている先生、さらには循環器好きな先生には復習もできる、すばらしい映像教材になっていると思います。
各セクションの内容については以下の通りになっています。
Section1:見落としを減らす心エコーのポイント解説
見えにくい場合の調整方法(肺や骨によって)、フォーカスの調整方法、プローブの持ち方など、心エコーをあてるための基礎をわかりやすく伝えています。
また、各断面についてのあて方、観るポイント、どの断面で何を評価するのか? などを詳しく説明されていて、エコーをこれから始めようと思う方、復習で見る方、いずれの方にも分かりやすく説明されています。
Section2:症例解説 犬
犬の各種先天性心疾患、僧帽弁閉鎖不全症、肺高血圧症について解説されています。各種先天性心疾患については、エコー像や病態もわかりやすく説明されています。どの断面でどのように評価するのか、またそれぞれの重症度評価も解説されています。
さらに心疾患でよく遭遇する僧帽弁閉鎖不全症、肺高血圧症についても、先天性心疾患のパートと同様に病態から解説されているので、復習にも適しています。
最後に実際にエコーをあてて流れを解説しながら観察すべきポイントも解説されています。
Section3:症例解説 猫
肥大型心筋症、拘束型心筋症に関してのメカニズム、病態などを詳細にわかりやすく解説されていていますので、これから心臓を学びたい人や循環器を好きな先生への復習にも最適です。
また、その他の心筋症に関しても説明されていて、心不全と診断する場合のチェック項目を詳細に説明されています。
Section4:実症例を使用した心エコー検査のポイント解説
本セクションでは、各種断面、計測方法を解説しています。またエコーを当てる上での注意点、方法、各種断面、測定方法、観察が必要な部位、観察された画像の考え方、評価方法など解説しています。さらにそれぞれ基本の断面をどのように変化させれば、基本断面と違う断面で観察できるのか、どういう病気の時に必要なのかも解説されています。
本セクションの途中からは各段面の描出から計測まで、岩永先生が通常行われているスピード感で検査されているところを観ることもできます。
特典映像:心エコー
犬と猫のエコーを当てる上でのポイントや注意点、保定方法をわかりやすく解説しています。目から鱗…的な注意点もありますので、ぜひご覧ください。
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