先生は、肺高血圧症(PH)について、どのようにお考えでしょうか。
肺高血圧症は、肺疾患や低酸素などにより、肺動脈圧が異常に上昇してしまう疾患です。近年では、動物病院における心エコー装置の普及などを背景に、犬においても遭遇する機会の多い疾患になりました。
中には、「肺高血圧症という名前は聞いたことがあるけど、よく知らない」「それほど重要視していない」という先生もいらっしゃいます。しかし、肺高血圧症は進行性の疾患であり、発見が遅れると生命にかかわる危険性があります。
また、肺高血圧症はそれ単独で起こるよりも、何らかの基礎疾患に併発することが多い疾患です。そのため、基礎疾患を治療しても呼吸状態が悪いケースでは、「実は、肺高血圧症を見逃していた」ということもめずらしくありません。
根治を目指すには、基礎疾患の治療が最優先になりますが、獣医療では基礎疾患の原因を特定するのが難しいことも多く、診断、治療に悩む先生も多いのが実情です。
近年では、獣医大学で肺高血圧症を学ぶ機会もありますが、授業の中でほんの30分ほど取り扱うだけ。そのため、実際の症例における診断、治療、合併症の確認、治療薬の選択や経過などは、先生ご自身が積極的に学んでいく必要があるのですが…
肺高血圧症の症状や身体検査所見は、基礎疾患に大きく影響されます。
そのため、一筋縄にはいかないケースも多いのですが、以下の場合に先生はどのタイミングで肺高血圧症を疑いますか?
慢性的な咳と呼吸状態の悪化を主訴に来院したウェスティの症例です。
一見すると、それほど苦しそうには見えなくても、SPO2は85%。この数値から、そうとう呼吸が苦しいのがわかります。
これはウェスティを撮影したレントゲン写真です。
肺は真っ白に映っています。心陰影も大きく見え肺野も白いので、心原性肺水腫との鑑別が必要になりそうです。さらに詳しく見るため、VD像も撮影しました。
右側の肺胞はかなり白くなっており、心陰影はハッキリとわかりません。心不全でこのようになっているのなら肺水腫を考えなくてはなりませんので、心エコー図検査をおこないます。
写真では少しわかりにくいかもしれませんが、右心系が拡大しており、左心系は圧迫されて押し潰されているような印象を受けます。
ここにカラードプラを乗せると、三尖弁逆流が確認されました。そこで、ウェスティを左側横臥位にし、三尖弁逆流を測ってみると3.9m/sという数値が計測されました。
そして、肺高血圧症の診断では、このTR速度の数値がとても重要になるのですが…
肺高血圧症の確定診断には、カテーテル検査が必須です。
しかし、肺動脈にカテーテルを入れるとなると透視検査も必要であり、犬の場合には麻酔もかけなくてはならないので相応のリスクがあります。
そのため、カテーテル検査が必要不可欠とは言え、「それは現実的な方法ではない」と考える先生もいらっしゃるでしょう。その場合に有効なのが、心エコー検査で肺高血圧症を予測する方法です。
肺高血圧症が起こると、当然、肺動脈圧は上昇します。
すると、同時に右室内圧の上昇と、三尖弁輪が拡大されます。そして、その結果として、「2次性三尖弁逆流(TR)」が引き起こされるのです。
肺高血圧症を予測する上でポイントになるのが、このTR速度です。この値が「TR速度>2.8m/sec」を超えると、肺高血圧症を疑うひとつの要因になります。
とはいえ、どれくらい正確に肺高血圧症を予測できるものなのでしょうか? 以下が、カテーテルを用いて実際に計測した肺動脈圧と、TR速度を示した相関図です。
図の横軸がカテーテルで計測した実際の肺動脈圧、縦軸がTR速度です。
一見して、非常に高い相関係数が得られているのがわかると思います。肺動脈圧が低いときはTR速度も低く、肺動脈圧が高くなるにつれてTR速度も高くなっています。
この結果からも、TR速度をもとに肺動脈圧を推定すれば、ある程度正確に肺高血圧症を予測できることがご理解いただけると思いますが…
TR速度から肺高血圧症を予測できることは、今ご説明したとおりです。
しかし、これで絶対に肺高血圧症の見落としを防げるのかと言うと、そう簡単なものではありません。実際の獣医療の現場では、
・身体検査で全身の状態を見る
・呼吸器徴候、右心不全徴候 (肝腫大の有無の確認)
・SPO2を測る (重症例で低下)
・X線検査
・心エコー図検査、三尖弁逆流
など、さまざまな評価法を組み合わせ、精度を高める必要があります。
また、肺高血圧症の症状は基礎疾患に大きく影響されるため、より多くの症例から診断、合併症、治療薬の選択や治療法を学ばなくてはなりません。
とは言え、肺高血圧症の診断治療法を専門的に学ぶ機会は、それほど多くありません。
そこで今回、肺高血圧症の見落としを防ぎ、早期発見を可能にするノウハウを学べるDVD教材を先生にお渡しいたします。
肺高血圧症の診断と治療戦略を教えてくれる講師は、酪農学園大学 獣医学類伴侶動物内科学ユニットⅡ 循環器科 准教授を務める堀先生です。
今回のDVDでは、「肺高血圧症とは、どんな病気なのか?」という基礎から原因疾患、肺高血圧症の診断と重症度評価、具体的な治療法と症例解説など、これまでは見落としていたかもしれない肺高血圧症の早期発見と治療に役立つノウハウを学ぶことができます。
基礎疾患に影響されやすく、発見の難しい肺高血圧症ですが、その診断治療のポイントを押さえることで、見落としを大きく減らせることは間違いありません。
ぜひ先生も、この機会に堀先生から肺高血圧症の診断治療法を学んでください。
では、具体的に今回のDVDから、どんなことを学べるのか? 内容の一部をご紹介すると…
今回はもうひとつ、堀先生に大事なことを教えていただきました。
それは、「肺エコーを用いた、心原性肺水腫の診断」です。ヒトの医療では多く使われている肺エコーですが、獣医療ではそこまでメジャーではないかもしれません。
しかし、胸部X線ではフォローできない病変の検出や初期の肺水腫の診断、麻酔中や入院中の経過診断などにおいては、とても有効な方法です。
今回、肺高血圧症のDVDをご購入された先生に限り、堀先生に教えてもらった「肺エコーを用いた、心原性肺水腫の診断」が学べるDVDもプレゼントいたします。
約50分のこのDVDでは、以下の内容をお伝えします。
・肺水腫の診断に、肺エコーをどう使うのか?
・肺エコーの見え方
・肺エコーを見るときに、まずチェックすべきポイント
・肺エコー検査の原理
・肺エコーで評価できる疾患、できない疾患
・肺エコー検査が普及する背景
・肺エコーをはじめるために知っておくべき「5つのポイント」
・保定とスキャン領域
・A-lineとB-lineのメカニズム
・「A-line=正常肺」なのか?
・「B-line=肺水腫」なのか?
・肺エコーの評価部位
・心膜LUSを用いた肺水腫の診断
・プローブの選択(リニアorコンベックス)
肺高血圧症の診断治療法と合わせ、ぜひ、肺水腫の診断法も学んでください。
今回は、堀先生の「肺高血圧症の診断と治療戦略」をわかりやすく学んでいただくため、セミナーで使用したレジュメを冊子にしてプレゼントいたします。
DVDに収録された堀先生の講義がまとめられた、セミナーレジュメを冊子にしてお渡しいたします。DVDをじっくり視聴するお時間がなければ、まず、この冊子から先に目をとおしてください。
そして、気になる個所の映像から視聴していただければ、効率のよい学習が可能です。もちろん、復習用のテキストとしてもご活用いただけます。
「もしかしたら、もう知っている内容ばかりかもしれない…」「内容を理解できるか不安だ…」「期待にそえる、教材なのか?」など、こう思われた場合もご安心ください。
なぜなら、DVD教材の内容にご納得できなければ返金させていただくからです。60日間、じっくりとDVDをご覧いただき、先生の選択が正しかったかどうかをご判断ください。
送料も、返金振込料も、弊社が負担させていただきます。返金保証が付いている、獣医師向け教材なんて、ほとんどありません。これは、今回リリースするDVD教材への自信そのものです。
販売価格 39,980円(税込43,978円)
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内容に満足しなければ、全額返金いたします。
クレジットカードは分割払い・リボ払いもお選びいただけます。
※クレジットカードによって、一部ご利用いただけない方法があります。
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※ この商品のお申込みフォームは、世界でもトップレベルである、ベリサイン社のセキュリティシステムを利用しており、個人情報保護、セキュリティ強化のため、SSL暗号化通信を採用しています。
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今回の教材も、60日間返金保証がついています。つまり、先生は、ご自身の選択が正しかったか、60日間かけて、じっくりと判断できます。今回のDVD教材を手に入れる上で、先生に一切のリスクはありません。
ただし、注意点があります。この価格(DVDリリースキャンペーン価格)での販売は、10月16日まで。10月17日以降は、定価の39,980円に戻ります。
DVDの在庫(初回限定70セット)には限りがありますので、ご興味を持たれた先生は、今すぐお申し込みください。
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