肝性黄疸ではなく、閉塞性黄疸でした…
総胆管遠位しか評価していなかったから…
これは、酪農学園大学の田村昌大先生からお聞きしたことです。
明らかな黄疸がある犬の症例で、ホームドクターの先生および当院の研修医は閉塞性黄疸を疑い総胆管を評価しようと考えていました。しかし、総胆管遠位(十二指腸乳頭部付近)で総胆管は2 mmと拡張していなかったため、先生方は閉塞所見は無く、肝性黄疸と判断した症例がいました。
しかし、実はその症例は総胆管中部に閉塞がある症例でそれぞれの先生方が疑っていたとおり閉塞性黄疸でした。
なぜそのような事が起きたかというと、総胆管の走行が十分に理解されておらず、評価しやすい、要するに見るのが簡単な総胆管遠位(十二指腸乳頭部付近)しか評価していなかったからです。
さて、先生はこの話をお聞きになり、どのように思われたでしょうか?
肝性黄疸と閉鎖性黄疸では、後の処置が変わってきますよね。評価を見誤ると、動物に間違った治療を続ける、無駄な投薬を続けることになりかねません。さらに、飼い主さんに「いつになったら治るのかな…」と不安にさせることになってしまいます。
また…
上腹部エコーの描出方法がわからない…
具体的な評価項目もわからない…
という声をお聞きしています。これは仕方ないことかもしれません。胃の噴門や幽門、胆道系、右肋間アプローチなど上腹部エコーのテーマとなるセミナーがあまり開催されることがないからです。
ですが、田村先生は、右肋間アプローチの評価ができると格段に情報量が増えるとおっしゃっています。
右肋間からの短軸アプローチは何も「膵臓や総胆管の観察、PV/Aoの測定」だけではありません!もっともっと、多くの情報を得ることができるのです。
エコー検査はCT検査に劣るツールでは無く、系統的にアプローチすれば十分、一次診療で多く病態を評価し、診断する事ができます。上腹部においても同様です。上腹部のエコーの走査と観察のコツを掴めば、多くの情報を得ることができます。
そのため、今回、肝胆膵内科および超音波検査を専門とする酪農学園大学の田村昌大先生をお招きして、「上腹部エコーの走査と観察のコツ」というテーマで2回にわたりウェビナーを開催することになりました。
このウェビナーに参加すれば…
・上腹部エコーで狙った画像をキレイに描出する方法
・上腹部エコーで認められた異常についてどう考えれば良いのか?
・上腹部エコーの具体的にどの項目をチェックするべきなのか?
をしっかりと学べるので、明日からの診療に役立てることができることでしょう。
上腹部エコー検査の走査と観察のコツ
ウェビナーの概要
今回は前半、後半の2回に分けたウェビナーで
前半:苦手な先生も多い「胃(噴門から胃体、そして幽門まで)」を中心に実症例を交え、走査と観察のコツの解説
後半:評価できると格段に情報量が増える右肋間アプローチについて評価ポイントを挙げながら具体的に解説
上腹部は肝臓、胃、膵臓、胆嚢など比較的重要性の高い疾患が好発する領域です。しかし、これら臓器のエコー検査は、鑑別診断リストおよび解剖学的理解の上でのプローブ走査が重要となります。今回のセミナーは、肝臓や膵臓など比較的講演などで話題に挙がりやすい臓器では無く、「胃、胆道系、右肋間アプローチなど上腹部エコーのステップアップに役立つ内容」を趣旨としたセミナー構成となっております。
■前半(3月3日)20時~22時
苦手な先生も多い「胃(噴門から胃体、そして幽門まで)」のエコー検査を中心に実症例を交え、走査と観察のコツを解説いただきます。
●検査前の準備…毛刈り、適切なプローブの選択するためには?
●胃の超音波検査
・幽門部の描出…2つのアプローチ方法を習得、犬と猫での描出方法の違いについて
・症例解説①…ビーグル、9歳1ヵ月、7.7kg、主訴は慢性嘔吐、体重減少
・症例解説②…フレブル、4歳8ヶ月、7.8kg、主訴は慢性嘔吐、胃壁肥厚
・よく遭遇する胃の腫瘍
・噴門部のアプローチ
・症例解説③…ゴールデンレトリバー、11歳7か月、26kg、胃腺癌
・症例解説④…フレブル、7歳9か月、6.6kg、胃腺癌
・症例解説⑤…MDH、10歳、4.3kg、胃腺癌
・症例解説⑥…シーズー、13歳7ヶ月、3.8kg
■後半(3月7日)20時~22時
評価できると格段に情報量が増える右肋間アプローチについて評価ポイントを挙げながら具体的に解説いただきます。
■右肋間からの短軸アプローチを習得
・右肋間からの短軸アプローチのコツ
・右肋間からの短軸アプローチで確認できる8つの項目
・膵右葉と幽門の観察
・PV/Aoの評価
・PV/Aoの評価で注意しておきたい点(特に胃十二指腸静脈シャントの場合)
・総胆管の評価
・黄疸症例で総胆管を評価する際のポイント
・肝門部リンパ節の評価
・門脈血栓の評価
・肝静脈波形の評価
・門脈-胃十二指腸静脈の評価
・奇静脈シャントの有無
・GDVの遠肝性血流評価:正中アプローチ
・GDVの遠肝性血流評価:右肋間アプローチ
・GDV経由の先天性門脈体循環シャント
・奇静脈の短軸アプローチ
・おまけ:こんな例外も…肝部の門脈と後大静脈が欠損
等々…、2回にわたり、上腹部エコー検査の走査と観察について学ぶことができます。
弊社では、田村昌大先生を講師にお迎えし、これまで2回のウェビナー(肝臓エコーのトリセツ、門脈高血圧症の診断と治療)を開催しました。それらのウェビナーに参加した先生たちの感想をご紹介いたします。
Zoomを使ったLIVE配信なので、先生の自宅や病院でセミナーを受講することができます。ネットにつながるパソコンやスマホがあれば、簡単に参加できます。オンライン上でのセミナー受講です。チャットを使えば、質問することもできるので、まるで実際のセミナー会場で受講しているような気分になります。
LIVE配信は、テレビの生放送のようなものです。録画ではありません。質疑応答の時間も設けています。セミナーのときに疑問に思ったことなど、田村先生に直接、質問することができます。LIVEに参加するメリットは、その場で、疑問などが解消することではないでしょうか。
また、ウェビナー受講後にも繰り返しみることができるように、セミナーを収録した動画もお渡し致します。ウェビナー後、いつでもお好きな時に復習することができます。
※セミナー収録動画は編集ができ次第のご提供になります。
今回のセミナーは、肝臓や膵臓など比較的講演などで話題に挙がりやすい臓器ではなく、胃の噴門や幽門、胆道系、右肋間アプローチなど上腹部エコーがテーマです。
田村先生がおっしゃるには、この2回のウェビナーに参加すれば…
より実践的かつアドバンス的な内容の講義を行います。本講義を受講することで、どこを重点的に評価すべきで、次に何をすれば良いのかが見えてくると思います。
とのことです。
上腹部エコーであっても、系統的にアプローチすれば十分、一次診療で多く病態を評価し、診断する事ができます。そうすれば、今まで以上に動物を元気にしてあげることができます。そして、今まで以上に飼い主さんから信頼されることでしょう。
このようなことにどれくらいの価値がありますか?
今回のウェビナーの受講費は6,050円(税込)です。後日、アーカイブ配信をご提供予定ですが、9,900円(税込)での販売予定です。少しでも興味を持たれたなら、今すぐご参加ください。