住宅街にある、小さな動物病院の話です。ある日、6歳の雑種犬が嘔吐を主訴に来院しました。飼い主さんに話を聞いてみると、数ヶ月前から元気と食欲も低下している様子です。食事のあと、しばらくすると食べたものを吐き出してしまうとのことでした。
詳しく検査するため、院長は血液検査とレントゲン検査、超音波検査をおこないました。胃か腸の異常を疑いましたが、目立った異常はみられません。そこで、飼い主さんと相談し、内視鏡検査をおこなうことにしました。
院長が説明したときは、全身麻酔のリスクと10万円以上する検査費用に驚いた顔をしていましたが、愛犬の生命には変えられないと、承諾してくれました。
しかし、内視鏡検査をしても、「リンパ球形質細胞性腸炎」という病理診断名で、何が原因なのかわかりませんでした。
結局、院長は飼い主さんに大学病院を勧めたのです。
架空の話ではりますが…
近年、嘔吐や下痢などの主訴で来院した患者に対し、「内視鏡検査をしたけど、確定診断に至らなかった」というケースが増えています。
もしかすると、先生にも心当たりがあるかもしれませんが…
先生もよくご存じのとおり、内視鏡検査は、全身麻酔下でおこなう検査です。そのため、ひと昔よりも安全にできるようになったとは言え、超音波検査のように気軽におこなえる検査とは言えません。
また、動物への身体的な負担だけでなく、飼い主さんの経済的な負担も大きい検査です。
内視鏡検査の結果、診断にたどり着けたならまだしも、検査をしたのに何もわからなかったのでは、飼い主さんの不安は増すばかりです。
事実、大学病院などの二次診療施設では、内視鏡検査をしたけど確定診断に至らなかったと紹介来院されるケースが増加しています。
ところが、紹介された患者を詳しく検査してみると、実は他のところに原因があり、内視鏡検査は不要だったというケースが意外に多いのです。
先生は、このような問題を、どう考えますか?
今からお話しすることは、とても重要です。
なぜなら、嘔吐や下痢などの症例に対する不要な内視鏡検査(または、肝生検)は、消化器疾患の体系的な診断アプローチを学べば解決できる問題だから。
つまり、本当に内視鏡検査が必要な症例なのか、正確に選別できるようになるのです。
しかし、消化器疾患の体系的な診断アプローチは、大学で学べる内容ではありません。また、学んですぐに実践できるような専門書もありません。
そこで今回、かかりつけ医の先生が明日から使える、消化器疾患の体系的な診断アプローチを学べる教材をご用意しました。
講師は、東京農工大学大学院 農学研究院 准教授を務める大森先生です。
今回の教材は、
①嘔吐
②下痢
③肝酵素上昇
これら3つに対する診断アプローチがメインテーマです。
かかりつけ医の先生が学んだ内容をすぐに役立てるよう、まれな疾患は扱わず、遭遇する機会の多い疾患だけを掘り下げて学べる内容になっています。
では、具体的にどんな内容が学べるのか? 3つのテーマのうちの1つ、嘔吐を例に少しだけご紹介しましょう。
嘔吐の症例では、飼い主さんは獣医師に「吐く」ことを伝えてきます。
嘔吐の診断アプローチの最初のステップは、この「吐く」症状が嘔吐なのか、それとも吐出なのかを鑑別します。嘔吐と吐出の鑑別は、以下の表を元に考えます。
表の赤字が、嘔吐と吐出の鑑別で大森先生が重視しているポイントになります。
その中でも、特に重要なポイントが、「誤嚥性肺炎の併発」の項目です。
嘔吐の場合は、誤嚥性肺炎が併発することはまれですが、慢性的な吐出の場合は、多くの症例に誤嚥性肺炎がみられます。
誤嚥性肺炎は急激に悪化したり、経過によっては突然死することもあるため、嘔吐の症例では必ずチェックしなくてはなりません。
嘔吐の原因は、大きく非消化器系と消化器系の2つに分かれます。
非消化器系は、主に中毒や薬剤、内分泌疾患、中枢神経疾患などにアプローチします。
もう一方の消化器系は、肝胆道系疾患や膵臓、腹膜などの腹腔内臓器(消化管以外)と、消化管(胃、小腸、大腸など)に分けてアプローチするのがポイントです。
嘔吐の原因でもっとも多いのは、消化管の異常です。
なので、消化管の異常を予測した問診や検査をしがちですが、ちょっと待ってください。
嘔吐を示す症例に対し、消化管だけを狙い撃ちした検査をすると、誤診や見落としのリスクが高くなります。
誤診や見落としを減らす上で大切なのは、アプローチの順番です。
早まる気持ちを押さえ、まずは、中毒や薬剤、内分泌疾患などの非消化器系からアプローチします。
それから、消化器系の腹腔内臓器(消化管以外)。最後に大本命の消化管にアプローチすることで、誤診や見落としを激減できるのです。
急性で重度の症例や、慢性的に嘔吐している症例は、スクリーニング検査の対象です。
スクリーニング検査では、血液検査や尿検査(糖尿病が疑われる場合)、画像検査などをおこないますが、嘔吐の症例に欠かせない重要な検査があります。
それは、糞便検査です。
先生も、下痢の症例(または、下痢と嘔吐の症例)には、糞便検査をしていますよね。
しかし、糞便検査の対象になるのは、なにも下痢の症例だけではありません。「嘔吐だけ」の症例にも糞便検査が重要であると、大森先生は言います。
消化管内寄生虫に感染した犬や猫では、嘔吐だけが症状として出るケースもあります。
このような疾患を見逃さないためにも、下痢を伴わない「嘔吐だけ」の症例にも糞便検査をおこなうことが重要です。
今ご紹介したのは、嘔吐に対する診断アプローチのポイントの一部です。
今回の教材では、嘔吐をはじめ、下痢、肝酵素上昇の3つに対する診断アプローチが学べますが、それだけではありません。
大森先生の教材は、今回が2作目です。前作の教材を購入された方や、大森先生のセミナーに参加された方から大好評なのが、この実践トレーニングです。
実践トレーニングの目的は、体系的な診断アプローチを習得してもらうこと。
実際に、嘔吐や下痢で東京農工大学医療センターに来院した症例のデータを見ながら、
①問診および身体検査から、症例の問題点を探す
②問題点から、鑑別疾患リストを作成する
③鑑別疾患リストから、検査プランを立案する
これら一連の流れを、一緒に考えながら学んでいきます。
多くの先生は、これまでの経験から一連の流れを無意識的におこなっています。
しかし、無意識的におこなうと、「この疾患だろう」という固定観念から、誤診や見落としのリスクが高くなる危険性があります。
体系的な診断アプローチとは、今まで無意識的におこなっていた診断プロセスを意識的(論理的)におこなうこと。あらゆる可能性を疑うことで、誤診や見落としは大幅に減らせるのです。
消化器疾患は、犬猫ともにとても多い疾患です。先生の病院にも、嘔吐や下痢を主訴に来院される患者がたくさんいると思います。ある企業の調査では、全来院の約3割が消化器疾患だったという結果が出たほどです。
具体的な数字は病院ごとに多少異なると思いますが、1年を通して多い疾患であることは間違いありません。
そのような症例に対し、本当に必要かどうかもわからないまま高額な内視鏡検査をおこなうのは、動物にも、飼い主さんにも、また病院にも良いこととは言えません。
だからこそ、もっと自信を持って診断できるように、大森先生から消化器疾患の体系的な診断アプローチを学びませんか? そうすれば先生も…
収録された内容の一部をご紹介すると…
私は二次診療の現場で腫瘍外科に長年従事しておりますが、本映像教材のテーマである「嘔吐、下痢、肝酵素上昇」を主訴または紹介理由に来院した症例において、腫瘍が原因であったことを数多く経験しております。消化器症状は、臨床現場で頻繁に遭遇する臨床症状であり、特に一次診療の現場では対症療法で十分である場合も多いかと思います。
しかし、中には膵炎、腎臓疾患あるいは腫瘍のような重大な原因が隠れていることもあります。本映像教材では、あくまで一次診療の現場に立つ先生方の立場に立って、消化器症状を「軽症、重症」、「急性、慢性」に分類することで、スクリーニング検査が本当に必要なのか?
まずは対症療法で良いのか?といった、実際のシチュエーションに即した初期診断から始まる診断アプローチを学ぶことができます。この診断アプローチを実践することができれば、対症療法で十分な症例から、腫瘍などの重大な疾患が隠れている症例までしっかりと鑑別でき、見落としや誤診もなくなると思います。さらに本映像教材では、診断アプローチだけではなく、消化器疾患に対する治療法についても最新のエビデンスに基づいて紹介されています。猫のトリコモナスの治療法や、嘔吐・下痢に対する療法食の選択法などは、まさに明日からの診療に役立つ情報です。
私は前回の「臨床推論I~スクリーニング検査と疾患予測~」も推薦させていただきましたが、臨床推論Iと臨床推論IIを併せてご視聴していただけると、より深い知識と実践力を身に付けることができると確信しております。
東京農工大学名誉教授
動物先端医療センター・AdAM 院長
伊藤 博 先生
問診から始まり、症例の問題点の把握、鑑別疾患リストの作成と順位付け、そして必要な検査プランの立案といった、臨床において必要とされる診断アプローチは、教科書だけの知識では実践するのが難しく、実際の臨床現場で様々な症例と対峙することによってはじめて体得できます。東京農工大学動物医療センターの総合研修医は、各診療科をローテーションでまわりながら、内科では大森先生からこのような診断アプローチを学ぶことができます。しかし、一般の動物病院ではどうでしょうか? 日々の診療の忙しさの中で、そのような機会と時間を作るのは難しいのではないでしょうか? 本映像教材は、まさにそのような獣医師向けの教材であると言えます。大森先生は経験の浅い獣医師と一緒に診療する機会が多いからこそ、初学者が陥りやすいピットフォールやツボを心得ており、本映像教材ではそのようなポイントをおさえた内容になっています。また、一定の経験を積んだ獣医師にとっても、日々何となく測定している血液検査の項目を改めて見直す良い機会になると思います。例えば、近年、膵炎を診断するために測定される機会の多い膵特異的リパーゼの測定意義と限界を知ることは、「膵特異的リパーゼの上昇=膵炎」という認識を持っている獣医師にとって目からウロコの内容になっています。このように、本映像教材は、幅広い獣医師にとってお薦めできる内容になっていますので、ぜひご視聴ください。
東京農工大学 農学部附属 動物医療センター
センター長 福島 隆治 先生
教材に収録された大森先生の講義がまとめられた、セミナーレジュメをお渡しいたします。教材をじっくり視聴するお時間がなければ、まず、この冊子から先に目をとおしてください。
そして、気になる個所の映像から視聴していただければ、効率のよい学習が可能です。もちろん、復習用のテキストとしてもご活用いただけます。
もう一つの特典は、消化器疾患の重症度を客観的に判定するためのスコア管理シートです。適切な診断に役立つ情報がわかりやすくまとめられます。教材で学んだ内容を参考にしながら、シートの項目を埋めていき、重症度の判定だけではなく、鑑別疾患リストの作成や検査プランの立案にお役立てください。(PDFダウンロード形式)
「もしかしたら、もう知っている内容ばかりかもしれない…」「内容を理解できるか不安だ…」「期待にそえる教材なのか?」など、思われた場合もご安心ください。
なぜなら、教材の内容に、ご納得できなければ返金させていただくからです。60日間、じっくりと、教材をご覧いただき、先生の選択が正しかったかどうかをご判断ください。
送料も、返金振込料も、弊社が負担させていただきます。返金保証が付いている、獣医師向け教材なんて、ほとんどありません。これは、今回リリースする教材への自信そのものです。
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販売価格 44,980円 (税込49,478円) |
価格 | 販売価格 44,980円 (税込49,478円) |
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※クレジットカードは分割払い・リボ払いもお選びいただけます。
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※安心の暗号化通信を採用しています。
この商品のお申込みフォームは、世界でもトップレベルである、グローバルサイン社のセキュリティシステムを利用しており、個人情報保護、セキュリティ強化のため、SSL暗号化通信を採用しています。お申込みの際に個人情報の漏洩は一切ありません。
今回の教材も、60日間返金保証がついています。
つまり、先生は、ご自身の選択が正しかったか、60日間かけて、じっくりと判断できます。今回の教材を手に入れる上で、先生に一切のリスクはありません。
ただし、注意点があります。この価格(リリースキャンペーン価格)での販売は、7月15日まで。7月16日以降は、定価の49,478円に戻ります。
DVDの初回在庫(100セット)には限りがありますので、ご興味を持たれた先生は、今すぐお申し込みください。
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