獣医療の現場では、1分1秒を争う救急対応が必要な場面があります。たとえば、肺や胸腔、気道などの異常による「急性呼吸器疾患」はそのひとつです。
慢性の呼吸器疾患であれば、基本的にゆっくりと進行します。最後には呼吸が苦しくなりますが、ゆっくりと進行するため、「どう治療するか」を考える時間があります。
しかし、急性呼吸器疾患はそうはいきません。特に新規発症の患者は突然呼吸が苦しくなり、急に命を落とす危険もあるため、1分1秒を争う救急対応が求められます。
これは救急医に限った話ではありません。重症の急性呼吸器疾患で来院する患者はたくさんいますので、一次診療施設にも適切な対応が求められているのですが…
目の前に救える生命があるのなら、どんなことをしてでも助けたい。きっと先生も、こう思い日々の診療をおこなっているはずです。しかし、肺水腫や肺炎などの重症症例が来院したとき。
患者を前に何をして良いのかまったくわからず、ただ酸素室を見守っている自分に歯がゆさを感じたことのある獣医師はたくさんいます。
そして、「急性呼吸器疾患のアプローチを知っていれば生命を救えたかもしれない」と、悔しさに涙を流す。
もしかすると、先生も過去に似たような経験があるかもしれません。一次診療施設では、まず最初に「この子が苦しんでいる原因は何だろう?」「まずはその原因を検査しなくては」と考え、薬剤投与や無理な検査を優先するケースがみられます。
その結果、手遅れになってしまうことも少なくありません。急性呼吸器疾患のアプローチで最優先すべきは、「生命の危険があるかどうか」を探ること。
呼吸を苦しくしている原因の究明は、それからでも遅くはないのです。このように、「まず何をすべきか」を知っているだけでも、救える生命はもっと増やせるのですが…
獣医療の治療アプローチの中には、ヒト医療でエビデンスのある方法を応用したものがたくさんあります。
たとえば、ヒト医療では当たり前におこなわれている超音波検査やがん、心臓病、腎臓病の治療アプローチ、緩和ケアなどは、ヒト医療のノウハウが獣医療に応用されています。
では、人工呼吸管理はどうでしょうか? ヒト医療では急性呼吸器疾患の患者に対し、当たり前のように人工呼吸管理がおこなわれています。
新型コロナウイルスの重症患者に対しても、人工呼吸器やECMOなどの人工肺を用いて治療をおこなっています。
人工呼吸器管理はヒトの治療に必要不可欠と言える状況ですが、獣医療においては、まだ十分に浸透しているとは言えません。
獣医救急で人工呼吸が必要となる病態は大きく4つあります。それは、①心肺停止 ②呼吸器疾患 ③頭蓋内疾患 ④外科手術の4つです。
ヒト医療では、人工呼吸を含む心肺蘇生トレーニングが普及した結果、普及前は約6%だった救命率が20%以上にまで向上しました。ちなみにTRVA 夜間救急動物医療センターのデータだと死亡率は約半分になったという実績があります。
獣医療においても、適切なアプローチができれば救命率の向上は確実であり、それだけ重要度の高い治療法であると言えます。
とは言え、心肺停止や急性呼吸器疾患は患者の生死に直結するため、人工呼吸器を導入したからといって気軽にチャレンジできるものではありません。
経験も大事になりますが、まずは正しいアプローチや知識を学ぶことが重要になります。では、1分1秒を争う現場で、どうすれば適切な対応ができるのか?
今回、一次診療施設でもできる急性呼吸器疾患のアプローチを教えてくれる講師は、TRVA 夜間救急動物医療センターの副院長を務める塗木先生です。
救急で来院した動物を診て、「あれっ?」と思ったとき。何よりも最優先ですべき大事なことがあります。
患者は高齢のチワワで、「立てない」という主訴で来院しました。ハアハアと苦しそうに呼吸をしていて、意識もあまりない状態です。
このようなとき、どんな思考を働かせ、臨床的なアプローチをおこなうかが、患者の生命を救う重要なポイントになります。
患者を見て、「何かおかしい」「これは危なそうだ」と思ったとき。救急医が考えていることは、たった2つです。
それは、
① 生死に関わる異常があるかどうか
② どうやって安定化させるか
この2点です。
たとえば、患者の呼吸が苦しそうなら、酸素投与による安定化を考えます。また、血圧が下がっているのなら、すぐに点滴を開始します。このように、スピーディーな患者ごとの重症度判定と安定化が重要になるのですが…
ひと言で「生死に関わる異常」と言っても、その種類はさまざまです。そのため確認の順番を間違えてしまうと症状が悪化し、手遅れになる可能性もあります。
そのような事態を防ぐため、救急患者に対する診療では、「ABCDアプローチ」と呼ばれる手順が用いられます。
これは、生命を脅かすリスクの高い異常を迅速に発見する手順を示したもので、
① 呼吸 (Airway、Breath)
② 循環 (Circulation)
③ 脳神経 (Dysfunction of CNS)
④ その他 (泌尿器、中毒、体温異常など)
これらの頭文字を取ったものになります。
ABCDアプローチに則って診療をおこなう上で重要なのは、必ずこの順番で診ていくこと。なぜならABCDの4つの中でも、急性呼吸器疾患がもっとも短時間で死に至るリスクが高いからです。
ABCDのいずれかに異常が認められた場合は、すぐに安定化をおこないます。
救急のアプローチでは生命の危険があるかどうかを最優先で探り、それから原因のアプローチをおこなうことが絶対のルールです。
生命維持のため、急性呼吸器疾患の確認が重要なのはお伝えしたとおりです。
もし、患者が心肺停止しているのであれば、すぐに人工呼吸管理を含めた心肺蘇生が必要になります。ですが、一般的には酸素室での内科管理からスタートすることが多いと思います。
では、症例に変化があったり、状況が悪化した場合。このままICUで治療を進めるのか、または人工呼吸に変更するのか? その判断は、どのようにすれば良いのでしょうか?
人工呼吸は、自発呼吸では生命維持が困難な患者に対しておこないます。
自発呼吸で生命維持ができないケースとは、
① 換気ができない(二酸化炭素が吐きだせない)
② 酸素化ができない(身体に酸素が入ってこない)
③ ショック状態(循環がうまくまわらない)
これらが代表的な所見となります。
何らかの原因疾患により特に呼吸機能の低下がみられ、酸素室では管理できない場合は人工呼吸管理が必要になりますが…
今回、「救急医療における人工呼吸管理」を詳しく学べる映像教材を先生にお渡しする準備が整いました。
映像では、急性呼吸器疾患の基本から人工呼吸管理の導入、維持、離脱(ウィーニング)、抜管それぞれのステップが、実際の症例とともにわかりやすく学べます。
救急のアプローチですが、収録されている内容はすべて一次診療施設で実践できるアプローチですので、ご安心ください。おそらくすべては難しいかと思いますが…
「救える生命を増やしたい」と真剣に考えるなら、必ずご満足いただける内容であることをお約束します。
ぜひ先生も、救急医である塗木先生のアプローチを学んでください。そうすれば、
「いま目の前にある消えそうな命を救いたい」、そう願い救命に尽力することは医の原点であり、それこそが救急医療である。そして、専門性・分野に関わらず生きている動物を取り扱う我々にとって、救急医療は全ての獣医師が身につけるべきスキルではないだろうか。現在、日本の動物救急医療は、夜間救急動物診療施設を中心に知識や経験が積み重ねられてきた。近年、獣医療の発展に伴い、専門分野の確立が進み、高度医療が求められるようになってきている。そして、多くの外科手術が行われると同時に、術後の献身的な治療が要求される集中治療分野も徐々に発展してきている。
この映像教材では、救急・集中治療分野で最も多く遭遇し、かつ迅速な対応が要求される呼吸困難症例の初期評価から安定化、そして人工呼吸などの集中治療にわたり、必要な知識とスキルをエビデンスベースで分かりやすく、詳細に説明されています。特に、日本トップレベルの動物救急医療現場であるTRVA 夜間救急動物医療センターの副院長塗木貴臣先生が普段診療している実際の目線から、動物を観察し、何を読み取っているのかを動画を多く使って解説していただいています。特に、救急現場における呼吸困難症例では、検査による動物へのストレスにより状態が急変することもあり、身体検査で必要最小限の検査で診断まで最短ルートを導いていくスキルはぜひ皆様に見ていただきたい内容になっています。また、人工呼吸が必要になる症例の見極めから、人工呼吸の目的と管理まで、これから集中治療に挑戦したいという先生には最適な映像教材になることは間違いないと思います。
急性呼吸器疾患患者が来院したとき、皆さんはどのように対応をしていますか?ほとんど何もできずに悔しい思いをした経験はありませんでしょうか。このDVDではそのような患者が来院したときの見極め、初期対応、安定化について詳しく説明されています。
また、人工呼吸についてもその適応、詳細なコツなどもお話されています。聴けば聴くほど人工呼吸は奥が深く、専門の先生方にお任せしようと思いましたが、患者に勧める立場の我々も、何でも挿管して管理ではなくどのような利点欠点があるのか理解が大切です。
現在日本の救急現場、特に呼吸器疾患においてトップランナーである塗木先生が講演されています。ぜひ明日からの診療に役立て、多くの急性呼吸器疾患患者の対応に役立てて頂けたらと思います。
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