先生もご存じのとおり、近年、心エコー図検査が大きな注目を集めています。
心エコーにはさまざまな利点がありますが、中でも無麻酔、非侵襲的に検査でき、リアルタイムに多くの情報が得られることは、他の検査にはない大きなメリットです。
今では、犬の粘液腫様僧帽弁疾患や猫の肥大型心筋症の診断には、心エコー図検査が必須といっても決して大げさではありません。
しかし、獣医療業界全体で心エコーの熱が高まるにつれ、心エコーに関する疑問や技術的な問題が多くの先生を悩ませています。
たとえば、心エコー図検査で一番多い悩みは、「キレイな画像をうまく描出できない」他にも、
など、画像を撮った次のステップで悩んでいる先生も多いようです。
もしかすると先生も、同じように悩んだ経験があるかもしれませんが…
その答えはシンプルです。
なぜなら多くの先生が、「心エコーは心エコー、病気は病気」のように、別々のテーマとして学んでいるから。
その結果、心エコーで数値は取れる。でも、「この病気の場合は、どの数値が必要なのか?」「どの項目を見れば良いのか?」という問題を抱えてしまうのです。
この問題を解決するには、病気と見るべき項目を合致させる必要があるのですが…
心エコーと病気が合致していない先生や、数値の判断に苦手意識をお持ちの先生の多くは、ある勘違いをされています。
それは、「心エコーの項目、全部の数値を取らないといけない」ということです。
結論からお伝えすると、全部の数値を取る必要はありません。
心エコーには複数の評価項目があるため、その全てを測定し、評価しなければならないと思われがちです。
しかし、それらの項目はある程度の優先順位が決まっているため、疾患に対して見るべき項目は限られています。
言い換えるなら、「この病気なら、優先的にこの項目を見れば良い」という一定の基準があるのです。
つまり、病気と見るべき項目さえ合致させれば、心エコーを診断に活用するだけでなく、測定した数値をもとに適切な病態評価(重症度評価)もできるのです。
コストを掛けずにワンランク上の評価ができるのですから、心エコーを診断だけに使っているのはもったいないと思いませんか?
では、具体的にどんな手順で、何を評価すれば良いのか?
今回、心エコーを用いた病態評価のコツを教えてくれる講師は、麻布大学 附属動物病院 特任助手を務める新実先生です。
適切に病態を評価するには、正しい診断が欠かせません。
また、正しい診断のためには、適切に画像を描出できることが重要です。つまり、適切な病態評価は、病態を評価する前の段階からすでに始まっていると言えます。
以下に、猫の肥大型心筋症(HCM)を例に、「病態評価の3ステップ」をご説明します。
STEP1は、猫の肥大型心筋症(HCM)の診断です。先生もよくご存じのとおり、HCMは、左室壁厚が6mm以上で診断されます。
HCMの診断で大切になるのが、左室壁の計測方法。つまり、「左室壁のどの部分を、どうやって計測するのか?」です。
ひと言でHCMといっても、左室壁の肥大パターンはさまざまです。たとえば、心筋が左右対称性に肥大するものがあれば、その逆に非対称性に肥大するものもあります。
他にも、左右のみではなく中隔壁や自由壁のみ肥厚するケースも多くあります。
では、どうやって描出すれば、見落としのない診断ができるのでしょうか?
ある研究によると、対称性に肥大するHCMが全体の41%であるのに対し、非対称性に肥大するHCMは59%も存在すると報告されました。
つまりHCMの約6割が、中隔壁や自由壁などの非対称性肥大のHCMなのです。心エコーのMモードには、「中隔壁の一部と自由壁の一部のみしか評価できない」という欠点があります。
そのため、見落としなく診断するにはMモードだけでなく、必ずBモードによる評価が必要になるのです。
ここまで、正しいHCM診断のポイントをご説明しましたが、これはほんの一部です。
他にも、
・Bモードで、どこを測定すれば良いのか?
・10kgの猫でも、2kgの猫でも6mmが基準なのか?
・注意すべきHCM予備軍の症例の特徴
・グレーゾーンとして扱うべき症例とは?
・過大測定を防ぐには?
など、診断のポイントはたくさんあります。
本映像教材では、実際の心エコー映像を見ながら、HCMを正しく診断するポイントをくわしくご説明します。
STEP2は、ステージングです。ステージングには、「ACVIMガイドライン」によるステージ分類を用います。
ACVIMガイドラインで提唱されているステージ分類は、犬と同じようにA~Dの5段階に分かれています。臨床徴候の有無によりA~BとC~Dに分けるのが、基本的な分類方法です。
犬の場合、AとB1の分類は心雑音から僧帽弁の異常を判断します。
しかし、猫の場合は心雑音のみでは心筋肥大を判断できないため、AとB1の評価には心エコーが必要になります。
また、HCMの約22%はギャロップ音や心雑音が聴取されないので、心雑音がないからとHCMを否定することはできません。さらに、B1とB2の分類にも注意が必要です。犬であれば、心拡大の有無でB1とB2の分類をおこないます。
一方の猫は心拡大の有無ではなく、「心不全リスクの高低」により分類されますが、ここに大切なポイントがあります。
それは、「何が心不全の高リスクになるのか?」です。
ガイドラインにはさまざまな心不全リスクが挙げられていますが、その中でも特に重要になるのが、「中~重度の左房拡大」です。
そのため、HCMを診断したあとには、左房サイズの評価が重要になります。
猫の左房サイズの測定方法には、
① 長軸断面で測定した左房実測値を用いる方法
② 短軸断面で測定したLA/Aoを用いる方法
これらの2種類があります。
どちらの計測方法を用いても問題ありませんが、それぞれの測定方法には異なる基準値がありますので注意してください。
ここまでご説明したのは、適切な病態評価のためのステージングの一例ですが教材では、左房径の計測のポイントやLA/Aoの計測方法も掘り下げて解説します。
STEP3は、さらにくわしく病態評価をおこなう上で重要となるポイントを見ていきます。たとえば、HCMの猫は、どのような所見があると予後が悪くなるのでしょうか?
ある学術誌に掲載された研究によると、
① 左室壁が9mm以上に肥厚している症例
② 左房内径短縮率(LA-FS)の低下
③ 左室内径短縮率(FS)が30%未満
これらの3つの症例は予後が悪く、ステージB2の高リスク群であると報告されています。
そのため、左室壁が6mm以上ありHCMと診断された猫の場合でも、「9mmを超えているかどうか」も合わせて評価することが重要になります。
今ご説明したのは、左室壁による一歩踏み込んだ病態評価の例ですが、LA-FSについても計算式を用いてくわしい病態評価をおこないます。
教材では、他にも「もやもやエコー」や、僧帽弁収縮期前方運動(SAM)などから病態を評価する方法をご説明します。
今回の教材は、心エコーの基礎から学べます。使用するプローブの選び方や持ち方、操作方法、心エコーの画質調整や保定のポイント、病態評価に必要な断面の出し方などの基本も、掘り下げてくわしく解説しています。
なぜなら、基本を正しく実践できなければキレイな画像が描出できず、測定に誤差が生じるだけでなく、間違った評価をしてしまうからです。
また、今回の映像教材で解説する疾患は、
・犬の粘液腫様僧帽弁疾患(MMVD)
・猫の肥大型心筋症(HCM)
これら2つです。
犬の粘液腫様僧帽弁疾患(MMVD)と猫の肥大型心筋症(HCM)は、日常診療でよく遭遇する疾患ですので、学んだ内容をすぐに活かすことができます。
ぜひ先生も、新実先生から心エコーを病態評価に活用するコツを学んでください。そうすれば…
教材に収録された新実先生の講義がまとめられた、セミナーレジュメをお渡しいたします。教材をじっくり視聴するお時間がなければ、まずこの冊子から先に目をとおしてください。
そして、気になる個所の映像から視聴していただければ、効率のよい学習が可能です。もちろん、復習用のテキストとしてもご活用いただけます。
実際に心臓病を疑われる患者が来院された時、どんな流れで症例を評価しているのか? ということをまとめた症例集です。
先生が同じような症例に遭遇したときの参考資料としてご活用ください。診断精度、診断スピードの向上につながることでしょう。
また本教材を視聴していただいた後の、シミュレーション学習資料としてもご使用いただけます。
ぜひ飼い主さまの不安を解消してあげてください。
「心エコーを用いた犬の粘液腫様僧帽弁疾患(僧帽弁閉鎖不全症)と猫の肥大型心筋症の正しい診断と病態評価のポイントが良くわかる」
近年高齢の小型犬に粘液腫様僧帽弁疾患(僧帽弁閉鎖不全症)と中年齢の猫に肥大型心筋症(HCM)の発生が多く見られています。一次診療の病院でもこれらの症例に遭遇することが多いため、正しい診断と病態評価に基づく治療がその病院の評価につながります。心疾患の診断を進めるには、まず身体一般検査(聴診など)、血液検査、心電図検査、胸部X線検査による鑑別診断があります(5年前の本セミナーDVD「エコー検査の前に診断が80%わかる」参照)。 その上で心疾患の確定診断および病態評価(ステージ分類、予後判定)には心エコー検査は欠かせないツールであります。本セミナーでは総論としてまず心エコーで評価をしなければならない各心臓断面の描出法とその評価ポイントについて詳しく解説されています。次いで各論として、犬の粘液腫様僧帽弁疾患と猫の肥大型心筋症に分けて心エコーの新知見を加えた評価ポイントをまとめていて、大変わかりやすくなっています。 講師の新実誠矢先生は当院で5年勤務された後、循環器メッカの麻布大学獣医学部に移籍された新人気鋭の若手トップの循環器認定医であります。これから心臓病に興味を持った学生ならびに将来循環器認定医を目指す若い臨床家の先生にとって本セミナーは必須であり、是非お勧めします。
茶屋ヶ坂動物病院 会長 金本 勇 先生
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