見落とさずに診断できますか?
ある病院に11歳になる大型の雑種犬(雄)が来院しました。
主訴は散歩中にふらつきが見られるとのこと。
飼い主さんに詳しい話を聞いてみると、家の中ではふらつきはなく、散歩中もしばらくすると普通の歩き方に戻ると言います。
実際に病院内を歩かせてみると、歩けないほどではありませんが、確かに後肢がおぼつかないのがわかりました。
高齢の大型犬であることを考え、まずはX線検査をおこなうことにしました。
以下が、その画像です。
X線画像をチェックすると、変形性脊椎症らしきものが見えます。
また神経学的検査をしてみると、両後肢の姿勢反応の低下と両後肢の脊髄反射の亢進も認められました。
これらの検査から変形性脊椎症、馬尾症候群の可能性が高いこと。また、股関節に軽度の形成不全と関節炎の疑いがあることがわかりました。
どうやら、整形外科疾患で間違いなさそうです。
しかし獣医師の先生は、胸の当たりにモヤモヤした気持ち悪さを感じていました。
主訴を思い出してください…
この患者の主訴は「散歩中のふらつき」です。
しかし、そのふらつきは散歩に出かけてしばらくすると正常に戻るうえ、家の中では見られないとのことでした。
これらの情報と検査の結果から、獣医師の先生は、「整形外科疾患で散歩中にだけふらつくことなんてあるのか?」と、疑問を抱きました。
もし、本当に整形外科疾患なら、家の中でもふらつきが見られるはずです。
普通であれば、ここまでの検査結果から整形外科疾患を診断するところですが、違和感を覚えた獣医師の先生は、血液検査をすることにしました。
以下が、血液検査の結果です。
血液検査の結果、血糖値に異常が認められました。
そこで、もっと詳しく調べるため、超音波検査もおこないました。
“超音波画像をよく見ると膵臓領域に気になる点が…”
高齢の大型犬ですから、心臓は軽度のMRであることや肝臓の構造の粗さなど、色々と引っかかる部分はあります。
ですが、副腎のサイズは正常。前立腺は肥大しますが、前立腺がんのような状況ではありません。
低血糖であることを踏まえ、さらによく画像を見てみると、膵臓領域に何か1センチほどのMassがあるように見えます。
獣医師の先生はハッとしました。
何が見つかったのか…?
血清インスリン濃度を検査した結果、「インスリノーマ」であることがわかりました。
つまりこの症例はインスリノーマによる低血糖で、散歩中にグルコースの要求量が高まったときに「ふらつき」という神経症状が出ていたのです。
飼い主さんの意向により、この患者は対処療法に務めることになりました。
もし、整形外科疾患だけに注目していたら、併存していたインスリノーマはきっと見落としていたに違いありません。
大学では学べない「併存症」
今ご紹介したインスリノーマの症例は、併存症の一例です。
併存症にはさまざまなケースがありますが、獣医師の先生なら、誰もが当たり前のように併存症を経験します。
しかし、大学では個別による疾患の治療は学べますが、併存症の治療を教わることはありません。また、セミナーや勉強会などでも、併存症を専門的に学べる機会はほとんどないと思います。
「併存症」と「合併症」の違い
よく混同されますが、併存症と似た言葉に「合併症」があります。
合併症は専門書もあるうえ、ある程度お決まりのパターンで二次的に発症するため、それほど治療に悩むことはありません。
その一方で併存症は、品種や原疾患などに一切関係なくランダムに発生します。よくみられる傾向を一つ挙げるなら、高齢の動物に多いということくらいでしょう。
獣医療において伴侶動物の高齢化が重要なテーマとなる中、併存症が見落とされる問題も重要性を増しています。
とは言え、併存症は治療の選択に絶対の正解がなく、その都度先生がご自身で考えて治療していくしかないのが現状です。
そのため、初めての症例に遭遇したときは、どういう治療をするのがベストなのかと、頭を悩ませるかもしれません。
そこで今回、実際の症例から併存症の診断、治療戦略をわかりやすく学べる教材をご用意しました。
講師は、麻布大学獣医学部の講師を務める五十嵐先生です。
- プロフィール
- 獣医師歴16年。2005年に北海道大学を卒業後、動物病院勤務や東京大学での研修医・大学院、さらに酪農学園大学勤務を経て2017年10月に麻布大学 獣医学部 獣医学科 小動物内科学研究室に着任。各種学会での講演や外部セミナーなども積極的におこなう。
- 【専門商業誌】
-
- Vet Board QUIZ Veterinary Board 2(7) 78-85 2020年7月
- 巨大結腸症 (X線読影メソッド(第23回)腹部各論) Clinic Note 16(7) 45-48 2020年7月
- 特集 糞便のもつ新しい価値 消化器疾患と腸内細菌叢 獣医領域でわかってきたこと mVm 29(4) 15-21 2020年5月
- 内科医が考える食道の外科 GO-VET 3(1) 4-11 2019年12月
- ジェネラリストのための目で見て覚える 腹部X線・超音波の異常像 第18回 大腸 CAP (Companion Animal Practice) 34(10) 60-72 2019年10月
- あんなこんな合併症や併存症~症例から学ぶ臨床的な思考法~消化器疾患(消化管) CAP (Companion Animal Practice) 34(9) 38-51 2019年9月
- ジェネラリストのための目で見て覚える腹部X線・超音波の異常像 第17回 小腸(後編) CAP (Companion Animal Practice) 34(9) 88-104 2019年9月
- ジェネラリストのための目で見て覚える腹部X線・超音波の異常像 第16回 小腸(前編) CAP (Companion Animal Practice) 34(8) 90-103 2019年8月
- 犬や猫の腸内細菌叢とプロバイオティクス~ビオイムバスター錠の特徴と期待される効果~ CAP (Companion Animal Practice) 34(7) 105-112 2019年7月
- 犬や猫における腸内細菌叢研究の現状 (研究者の最新動向) Precision medicine 2(4) 373-377 2019年4月
- 巨大食道症の診断と管理 診断~症状と原因疾患の鑑別~ CAP (Companion Animal Practice) 34(3) 12-19 2019年3月
- 消化器疾患 猫の三臓器炎 : 胆管炎、膵炎、炎症性腸疾患:IBD (特集 猫の疾患 総まとめ(後編)) Clinic Note 15(3) 6-17 2019年3月
- 吐く症例 : 食道疾患を疑う稟告と診断の進め方 (特集 臨床徴候シリーズ(vol. 8)吐出・嘔吐) J-vet : jounral for veterinary practitioner 32(1) 13-25 2019年1月
- 肝腫大・副腎 (X線読影メソッド(第5回)腹部X線) Clinic Note 15(1) 75-80 2019年1月
- 猫の呼吸器疾患の診断に必要な画像検査 Felis 8(2) 56-71 2018年11月
- 犬や猫における腸内細菌叢と消化器疾患 ペット栄養学会誌 21(3) 145-151 2018年10月
- 犬の慢性腸症UPDATE 腸内細菌叢と抗菌薬反応性腸症ARE GO-VET 1(3) 26-35 2018年6月
- もうあせらない!一次診療のエマージェンシーケア~2018年 Part 2~救急状態にある動物の徴候と応急処置,禁忌事項 4)「急性膵炎」 Clinic Note 14(6) 6-20 2018年6月
- 症候シリーズ Vol.21 下痢② 繊維反応性大腸性下痢 SA Medicine 20(3) 24-27 2018年6月
- 症候シリーズ Vol.21 下痢② 抗菌薬反応性腸症 SA Medicine 20(3) 8-11 2018年6月
- ミニチュア・ダックスフンドに好発する免疫介在性疾患:消化器疾患 肉芽腫性胃腸炎/炎症性結直腸ポリープ Clinic Note 14(3) 20-26 2018年3月
- ミニチュア・ダックスフンドに好発する免疫介在性疾患:総論 Clinic Note 14(3) 6-8 2018年3月
- 【全身疾患と眼 後編】高脂血症 獣医眼科プラクティス 2(2) 49-56 2018年2月
- 症候シリーズ Vol.19 くしゃみ・鼻汁 鼻炎・副鼻腔炎 SA Medicine 20(1) 6-13 2018年2月
- 消化管系なっとく内科治療 2018 Part 8 食事療法と腸内細菌叢 ARCH 8 46-53 2017年12月
- 症候シリーズ Vol.18 下痢① ミニチュア・ダックスフンドの炎症性結直腸ポリープ SA Medicine 19(6) 30-33 2017年12月
- 海外文献情報 GO-VET 1(1) 88-89 2017年12月
- 【X線読影メソッド】(Part2)腹部+整形外科疾患 消化管閉塞(消化管内異物) Clinic Note 13(11) 27-31 2017年11月
- 犬の腸炎の治療における抗菌薬の意義 MPアグロジャーナル 31 4-7 2017年10月
- プレドニゾロン抵抗性の炎症性腸疾患に対しシクロスポリンの併用で維持している猫の1例 Felis 7(1) 126-132 2017年4月
- Cutting Edge 犬種特異的な炎症性腸疾患の病態ー腸内細菌叢と制御性T細胞の関連性― 月刊メディカル・サイエンス・ダイジェスト 43(4) 174-176 2017年3月
- 猫の腸内細菌叢 ―どこまでわかっているのか― Felis 6(2) 50-57 2016年10月
- 炎症性腸疾患と腸内細菌叢のかかわり (特集 犬と猫の慢性腸症) J-vet : jounral for veterinary practitioner 29(8) 34-43 2016年8月
- 炎症性結直腸ポリープのミニチュア・ダックスフンドにおける糞便中短鎖脂肪酸濃度の解析 獣医畜産新報 68(7) 520-521 2015年7月
- 【一般向け雑誌・新聞など】
-
- 腸内細菌研究の最前線[対談] Japan Kennel Club JKC Gazette 2020年2月
- 研究最前線 アレルギー抑制 犬がカギ 読売新聞(朝刊/神奈川版)2018年9月27日
- 猫ドック体験レポート 学研 うちの猫のキモチがわかる本 夏号2010年版 2010年5月
- 【表彰】
-
- 2018年6月 Analysis of fecal short chain fatty acid concentration in miniature dachshunds with inflammatory colorectal polyps, 2017年JVMS優秀論文賞, 日本獣医学会
- 2018年3月 国内の人気犬種における好発疾患についての疫学的調査, 学術賞(奨励賞), 神奈川県獣医師会
- 2015年2月 炎症性結直腸ポリープのミニチュア・ダックスフンドにおける糞便中短鎖脂肪酸濃度の解析, 研究アワードJVM賞, 日本獣医内科学アカデミー
併存症の診療の難しさとは?
併存症の診療には、いくつか獣医師を悩ませることがあります。
たとえば診断では複数の疾患があることで、
- どちらの疾患が今ある症状の原因なのか?
- 他にも、見落としている疾患はないだろうか?
など、慎重に考えなくてはなりません。
ひとつの疾患ばかりに目がいってしまった結果、他の疾患を見落としてしまうなんてことも、しばしば起こります。
また治療においても、
- どの疾患を優先して治療すれば良いのか?
- その治療をおこなうことで、他の疾患が悪化しないだろうか?
という問題が獣医師の先生を悩ませます。
では、このような教科書的な答えのない問題を解決し、適切な治療をおこなうにはどうすれば良いのでしょうか?
併存症の診療における
もっとも重要なポイントとは?
結論からお伝えすると、それは「引き出しの数を増やすこと」と言えます。
診断検査では、さまざまな疾患に対する幅広い知識と経験はもちろん、合理的な診断能力も求められます。
併存する疾患は循環器疾患や皮膚疾患、整形外科疾患など、科目を超えてあらわれるため、総合診断医としてのスキルが重要です。
また、治療のときには、複数ある疾患それぞれの深い知識をはじめ、代替案となる治療の選択肢をもっておくことも欠かせません。
つまり、あらゆる疾患に総合的に対応できる引き出しの数こそが、併存症の診療におけるもっとも重要なポイントになるのです。
とは言え、疾患に対する幅広い知識と経験は、何年、何十年という時間をかけて積み重ねるしかありません。
そこで…
「14の症例」から
併存症の診断・治療を体験
日常診療で遭遇する併存症の症例は、実にさまざまです。
比較的簡単に診断できる基本的な併存症から、診断の仕方がわからないもの、診断はできるが治療に悩むものなど、色々なパターンがあります。
引き出しの数を増やすには、基本はもちろん「なんだこれは…」と目を疑うケースまで、ありとあらゆる併存症を経験しておくことが重要です。
そこで今回は、五十嵐先生が診療した実際の症例から14例を厳選し、
① 見落としたくない併存症(ベーシック)
・油断していると見落としがちなもの
・基本的な併存症だが慣れてくるとおろそかになるもの
② 見落としたくない併存症(アドバンス)
・診断の仕方がわからないもの
・片方の疾患に目を取られ、もうひとつの疾患が検出しにくいもの
③ 治療で悩む併存症
・診断はできるが、治療の折り合いを付けるのが難しいもの
・どこから手をつけたら良いのかわからないもの
・どちらの疾患を優先して治療すれば良いのかわからないもの
このように、テーマごとにわかりやすく学べる内容にしました。
すべての症例は、先生にも併存症の診断、治療を疑似体験していただけるように、「ケーススタディ形式」で収録されています。
また今回の教材には、もうひとつ特徴があります。
治療の「失敗例」も収録しました
「失敗は成功の母」ということわざがある通り、失敗の経験は先生を成長させます。
同じように失敗症例から学べることはたくさんありますが、経験の浅い獣医師の先生の失敗症例と、経験豊富な獣医師の先生の失敗症例では、学べる内容はあきらかに異なります。
後者は、疾患の幅広い知識と経験に裏付けられた診療をおこなった上での失敗ですから、多くの獣医師の先生が気付けない失敗原因や実践的なリスク回避、対応策を学ぶことができます。
ただし失敗症例と言っても、医療ミスではありません。
「治療が奏功しなかった」「必ずしもベストな治療選択肢とは言えなかった」などの症例ですので、同じような症例の患者さんが来院された際の失敗を防げるはずです。
五十嵐先生のような獣医内科学のスペシャリストの失敗症例は、なかなか目にすることはできません。
それでも今回、成功症例だけでなくあえて失敗症例も収録したのは、これから併存症の診断と治療を学ぶ先生に、五十嵐先生と同じ失敗をしてほしくないからです。
ぜひ先生も、五十嵐先生から併存症の治療戦略を学んでください。そうすれば…
- これから先も増え続ける併存症の診断・治療がわかる
併存症は、品種や原疾患に関係なく、完全にランダムに発生します。よく見られる傾向をひとつ挙げるなら、「高齢の動物に多い」ということです。伴侶動物の高齢化が深刻な問題となる中、併存症の診断、治療を学ぶことはとても意義のあることです。
- 併存症の治療戦略を体系的に学べる
併存症の診断、治療を大学で学ぶことはありません。また、セミナーや勉強会でも、併存症をテーマに専門的に掘り下げて学べる機会はほとんどありません。今までは、自分で経験して勉強するしかありませんでしたが、今回の教材なら体系的に併存症の治療戦略が学べます。
- 「引き出しの数」をたくさん増やせる
併存症には決まったパターンがないため、診断、治療には幅広い知識と経験が必要です。本来は何年も時間をかけて積み上げる必要がありますが、今回は併存症の症例を多く学べるので、いっきに引き出しの数を増やすことができます。
- 同じような症例が来院したときに適切な対応ができる
今回の教材は、見落としたくない併存症から、思わず「なんだこれは…」と言いたくなるようなレアケースや失敗症例まで収録しています。これらの症例から学べば、同じような症例が来院したときに迷わず適切な対応ができるでしょう。
- もっと患者のQOLを向上できる
併存症は高齢の動物に多いため、中には治療のできない疾患もあります。そのような場合でも、QOLを向上させ、できる限り長生きさせられる治療法が学べます。
- 地域から信頼される病院になれる
もし併存症を見落とし、他の病院で検出されることになったら、「あそこの病院はちゃんと見てくれない」というクチコミの原因となりかねません。地域から信頼される病院になるには、適切な併存症の診断、治療は欠かせません。
併存症の診断と治療
CASE STUDY
併存症の基本
- 「併存症?」「併発症?」基本となる用語の整理
まずは、基本となる用語の整理から学んでいきます。先生は、合併症や併発症、併存症の違いを正しく理解できていますか?
- なぜ今、併存症に注目すべきなのか?
併存症は、伴侶動物の高齢化に伴い増加傾向にあります。統計データを見ながら、併存症を学ぶことの重要性をご説明します。
- 併存症の診断における問題点とは?
たとえば、どちらの疾患が症状の原因なのかという問題は、そのひとつです。他にも、診断における問題点があります。
- 併存症の治療における問題点とは?
併存症の治療には、特有の問題点が大きく2つあります。必ず知っておいてください。
- 併存症の診療には、何が求められるのか?
先生は、併存症の診断、治療には何が必要だと思いますか? それぞれに必要なものを掘り下げてご説明します。
症例紹介「見落としたくない併存症(ベーシック)」
- 【症例】難治性てんかん治療中の併存症
ミニチュアダックス、1歳4か月齢、未避妊雌の症例です。難治性てんかんの治療中の患者です。活動性の低下と肝酵素の上昇を主訴に紹介来院されました。
- 肝酵素が上昇する原因とは?
肝酵素の急上昇は、薬剤性や麻酔の影響など、さまざまな原因が考えられます。本当の原因を突き止めるには、何を検討すれば良いのでしょうか?
- 胆嚢壁の肥厚から、何を疑うべきか?
この症例には、胆嚢壁の肥厚がありました。実は、胆嚢壁の肥厚がある場合は、ある程度の当たりを付けることができます。
- 【症例】アトピー性皮膚炎と膵炎の併存症
雑種犬、14歳、避妊雌の症例です。もともとアトピー性皮膚炎で通院していましたが、膵炎を起こしたあと、皮膚病が悪化したケースです。
- 【症例】急性膵炎と胸水貯留、WBCが上昇した症例
ビーグル、13歳、雌の症例です。急性膵炎と胸水貯留の治療後、WBCが急激に上昇したケースを詳しく解説します。
- なぜ、好中球増多症が続くのか?
この症例は膵炎が改善した後もWBCの上昇が続きました。この場合、何を考えていくべきか詳しく解説します。
症例紹介「見落としたくない併存症(アドバンス)」
- 【症例】難治性てんかんの症例のその後
先ほどご紹介した症例の後日談です。活動性の低下は改善せず、寝てばかりいるようです。さらに吐出が認められたということで来院されました。
- 続発性巨大食道症の鑑別
この症例はX線検査の結果、巨大食道症であることがわかりました。難治性てんかんであることを踏まえると、続発性巨大食道症の原因は何が考えられるでしょうか。
- 知っておくべき、抗てんかん薬の副作用とは?
先生は、抗てんかん薬にどんな副作用があるのか、ご存じですか? 少しマイナーな薬剤の副作用ですが、ぜひ知っておいてください。
- 【症例】散歩中のふらつきに隠れた併存症
雑種犬、11歳、雄の症例です。普段は元気で食欲も良好ですが、散歩中にふらつきがあるとのこと。どのように併存症を診断するのか、詳しく解説します。
- 【症例】左鼻の鼻出血に隠れた併存症
ウェルシュ・コーギー、12歳、避妊雌の症例です。鼻汁やくしゃみはありませんが、左鼻の鼻出血が認められました。一般状態は良好ですが、どんな併存症があるのでしょうか。
- 高血圧の原因をどう考えるか?
この症例には、高血圧が認められました。片側性の鼻出血であることを踏まえると、どのような原因が考えられるでしょうか。
- 【症例】体表Mass切除後に低ALB血症を起こしたケース
トイプードル、12歳、去勢雄の症例です。1年前に体表Massを切除したあと、11日前に下痢、食欲低下、低ALB血症が認められたケースの併存症です。
- 膵特異的リパーゼの課題とは?
膵特異的リパーゼには、ある課題が存在することが知られています。ぜひ、知っておいてください。
- 【症例】呼吸困難と食欲不振、嘔吐のフレンチ・ブルドッグ
フレンチ・ブルドッグ、8歳、雌の症例です。半年前から呼吸困難で食欲不振、活動性はあるが疲れやすいとのこと。どのように併存症を診断するか、詳しく解説します。
- 短頭種気道症候群に併発しやすい疾患とは?
短頭種気道症候群は、消化管病変を併発することが多くあります。よく見られる5つの疾患を詳しくご説明します。
症例紹介「治療で悩む併存症」
- 【症例】食欲の低下と黄疸に隠れた併存症
スノーシュー、10歳、避妊雌の症例です。ステロイドを使うと良くなりますが、休薬すると黄疸が再発するということで紹介来院されました。
- 【症例】前肢跛行、サプリメントが効かない犬の併存症
シェルティー、12歳、避妊雌の症例です。ω-3脂肪酸サプリメントの効果がないため、NSAIDsの使用を検討していましたが、血液検査の結果に問題があるケースになります。
- 肝酵素上昇時、NSAIDsを使用して良いのか?
あまり好ましい選択肢ではありませんが、禁忌でもありませんので、判断が難しいかもしれません。先生はどう思いますか?
- 【症例】免疫介在性好中球減少症の治療中の犬のケース
トイプードル、7歳、避妊雌の症例です。免疫介在性好中球減少症の治療中でしたが、肝酵素の上昇が認められたため紹介来院されました。
- 【症例】肝酵素の上昇と副腎の両側腫大の併存症
マルチーズ、8歳、去勢雄の症例です。一見してクッシングのように思われましたが、どんな併存症があるのでしょうか。
- クッシングにステロイドを使用しても良いのか?
これは、とても頭を悩ませる問題です。ステロイドの副作用を我慢してもらうか、または別の作戦を立てるか。先生ならどうされますか?
- 【症例】悩ましいPLEとCKDの症例
ポメラニアン、10歳、雄の症例です。腸リンパ管拡張症によるPLEのある犬で、慢性腎臓病の既往歴がありました。
- CKDの犬に低脂肪食を与えても良いのか?
CKDの犬に対し、PLEの治療で用いる低脂肪食(超低脂肪食)を与えたり、プレドニゾロンを投与するのは問題ないのでしょうか。
- 【症例】前十字靭帯のOPEにおける糖尿病の管理
5年前より、肝Mass(肝細胞腫疑い)のあるシベリアンハスキーの症例です。2年前には糖尿病を発症し、1か月前より右後肢跛行するようになりました。
- 糖尿病における外科手術のリスクとは?
糖尿病における外科手術の一番のリスクは、周術期の感染リスクです。他にも、知っておくべきリスクがいくつかあります。
- 【症例】ステロイド投与後に高血糖を起こした犬のケース
トイプードル、9歳、雄の症例です。散歩中に急に肢端が腫脹したため、ステロイドを投与。その後、高血糖と多飲多尿を起こした犬が紹介来院されました。
“実際の症例を見ながら、わかりやすく併存症の治療戦略が学べます”
五十嵐寛高先生を推薦します
一通りの講義を終え、初めて臨床実習に来た学生に必ず言う言葉がある。「現実の症例では病気が一つである保証はどこにもない。常に複数の疾患がある可能性を考えておかないと診断や治療ミスにつながる。」このことは非常に重要である一方、講義ではほとんど習わない。例えば、糖尿病では尿路感染症を併発しやすいことは学んでも、そのことが検査所見や治療にどういう影響を与えるかは学ばない。それぞれ独立した疾患として診断法や治療法を学ぶのみである。併存疾患の種類によっては、検査結果に相互に影響を与える可能性がある。その結果として、一方の疾患はある検査数値を上昇させるが、もう一方が低下させるような場合には、打ち消しあって正常範囲になっていることも考えられる。併存症の可能性を念頭に置いておかなければ、このような場合に両方を見落とす危険性がある。また、治療法も二つの疾患で矛盾した治療が必要になる可能性がある。その場合に、そのままそれぞれで治療を考えるのはナンセンスだろう。どちらが優先度が高いのかを考え、選択しなければならない。こうして書くと当たり前のように思えるかもしれないが、実践するのは意外と難しい。この教材では麻布大学の五十嵐先生がご自身の経験を踏まえ、併存疾患をどう診断し、どう治療していくのかについて多くの症例に基づいて解説されている。結局のところ症例ごとに異なるため、そのまま他の症例に当てはまるわけではないが、基本的な考え方、アプローチ法を学ぶきっかけになればと思う。
酪農学園大学伴侶動物内科学 准教授
玉本 隆司様
今すぐお申し込みの先生に限り
明日から役立つ
「特典」をプレゼント
セミナーで使用したレジュメ
DVDに収録された五十嵐先生の講義がまとめられた、レジュメ冊子をお渡しいたします。DVDをじっくり視聴するお時間がなければ、まず、この冊子から先に目をとおしてください。そして、気になる個所の映像から視聴していただければ、効率のよい学習が可能です。もちろん、復習用のテキストとしてもご活用いただけます。
【特典映像】併存症の症例を追加解説!
もっと症例が見たい!そんな先生のために、五十嵐先生の愛猫の闘病記録をZoomを使用して撮影。多くの併存症と戦った記録を症例解説します。本編と同じように、臨床現場で同じ境遇の猫ちゃんが通院された際の診療にお役立てください。(ネット配信にてご視聴いただけます)
60日間返金保証をお付けします
(ネット配信版は対象外)
「もしかしたら、もう、知っている内容ばかりかもしれない…」「内容を理解できるか不安だ…」「期待にそえる、教材なのか?」など、こう思われた場合もご安心ください。
なぜなら、DVD教材の内容にご納得できなければ返金させていただくからです。60日間、じっくりとDVDをご覧いただき、先生の選択が正しかったかどうかをご判断ください。
送料も、返金振込料も、弊社が負担させていただきます。返金保証が付いている、獣医師向け教材なんて、ほとんどありません。これは、今回リリースするDVD教材への自信そのものです。
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- DVD2枚組(計193分)
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教材内訳 |
- 3セクション(計193分)
- レジュメ冊子(PDFダウンロード)・特典VOD映像(43分)
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販売価格 44,980円 (税込49,478円)
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つまり、先生は、ご自身の選択が正しかったか、60日間かけて、じっくりと判断できます。今回のDVD教材を手に入れる上で、先生に一切のリスクはありません。
ただし、注意点があります。この価格(DVDリリースキャンペーン価格)での販売は、1月18日まで。1月19日以降は、定価の44,980円に戻ります。
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