獣医療の中でも、整形外科は特に専門性の高い分野です。
そのため、学んだ知識を診療に活かそうとしても思いどおりにいかず、ギャップを感じてしまうケースは少なくありません。
たとえば先生も、前十字靭帯断裂や膝蓋骨脱臼など、一つひとつの疾患は詳しく学んだけれど、患者を前にすると思うような診療ができなかった経験はありませんか?
実際、ある程度の経験をお持ちでも、整形外科疾患に苦手意識のある先生は多くいらっしゃいますが…
先生が普段行われている、犬の跛行診断を思い出してください。
どのような手順で診断をされていますか?
とりあえずレントゲン検査で原因を調べる。レントゲン検査で原因がわからなければ、「痛み止めを打って様子をみましょう」と説明する。
こんな手順で行われてはいませんか?
このような診療できちんと跛行が改善されれば、何も問題はありません。
でも、思うように跛行が改善せず、困った経験があるとしたら?
「痛み止めを打って様子を見ましょう」
「レントゲンを撮ったけど、異常はないから大丈夫」
このような診療は、症状に改善が見られなかった場合には獣医師の先生、飼い主さん、患者さんの3者にとってマイナスとなる可能性があります。
たとえば、レントゲン検査を考えてみてください。
跛行の原因もわからないまま、とりあえずレントゲン検査をするのは、飼い主さんにとって経済的な負担になるだけに終わる可能性があります。また、保定される動物にも無用なストレス与えるかもしれません。
それだけではありません。
レントゲンを撮影される先生やスタッフにも、本来なら不要な労力や時間、被爆などのマイナス面があります。
「とりあえず」で使用する痛み止めも同じです。
十分な診察もしないまま痛み止めを打つことは、改善する場合にはよいかもしれませんが、もし症状が改善しない場合には、動物にとって負担であるばかりか、飼い主さんの信頼も失ってしまう可能性があります。
このような対応が、誤診や見落としの原因となる可能性も少なくありません。
ついつい、やってしまいがちな「とりあえず」の診療ですが、長い目で見ると病院の収益や評判を落とすリスクとなるのです。
もし先生が、この先10年、20年と地域に愛され、信頼される病院経営をしたいとお思いなら、整形外科疾患の診断精度を上げることは有用かもしれないですが…
CTやMRIなど、高度な画像検査機器があれば、診断精度を上げられるとお思いかもしれません。
しかし麻酔や鎮静が必要なうえ、コストを考えるとすぐに実行できる解決策とは限りません。
ご安心ください。このような特別な道具がなくても跛行診断の精度の向上が期待できるのです。
今からお伝えする方法なら、飼い主さんに余計な経済的負担を強いることはありません。また、先生は余計な労力を減らし、病院の収益や信用もアップできる可能性があります。
では、具体的にどんな診断方法なのか?
今回、跛行診断の精度を上げる方法を教えてくれる講師は、麻布大学附属動物病院 整形外科 特任助手を務める一戸先生です。
一戸先生は、跛行診断を大きく3つのステップに分けて実施しています。
この手順で診察をおこなうことで誤診や見落としを防ぎ、正しい診断ができる可能性があると言います。
そのステップは、以下の3つです。
まず、最初のステップは、鑑別疾患リストの作成です。
来院した患者の主訴をはじめ、犬種や年齢、性別などの個体情報を詳しく確認し、鑑別疾患リストを作成します。
鑑別疾患リストを作成するメリットは、ゴチャゴチャと頭が混乱してしまうのを防ぎ、適切な診断・治療方針を立てやすくなることです。
もしかすると先生も、整形外科疾患以外であれば鑑別疾患リストを作成されているかもしれません。
整形外科疾患においても、疾患の絞り込み方やリスト作成のポイントを覚えれば、診断にたどり着ける可能性が高くなります。
では、具体的にどうやってリストを作れば良いのでしょうか?
鑑別疾患リストを作成するとき、注意しなければならないポイントがあります。
それは、若齢犬と中高齢犬では、疑われる疾患が異なることです。
たとえば、外傷を受けた経歴がないにもかかわらず、突然、後肢に跛行を生じた高齢犬がいたとします。
触診したところ膝蓋骨脱臼がありますが、一般状態は良好な場合、膝蓋骨脱臼は日常診療で多く遭遇する疾患なので、このような患者の場合は、膝蓋骨脱臼と断定したくなるかもしれません。
若齢犬なら問題ないかもしれませんが、特に中高齢犬の場合は注意が必要です。
なぜなら、膝蓋骨脱臼が原因ではないとは断定できませんが、慢性的な膝蓋骨脱臼は疼痛を伴うことが少なく、膝蓋骨脱臼単独で跛行の原因となるケースは考えにくいからです。
そのため、患者が特に中高齢犬の場合はすぐに膝蓋骨脱臼と断定せず、前十字靭帯損傷の併発を疑わなくてはなりません(若齢の場合も完全に否定されるわけではないですが、可能性はそれほど高くありません)。
これは、見落とされやすい疾患のほんの一例です。
このような見落としを防ぎ、診断の助けとなる鑑別疾患リストを作るには、犬種や年齢ごとの好発疾患を知っておくことが重要になります。
今回のメインとなるのが、ステップ2の整形外科学的検査です。
鑑別疾患リストを作成したあとには、
大きくこれら4つの検査をおこないます。
整形外科学的検査をするにあたって、高額な機器や特別な道具は一切必要ありません。先生の両腕さえあれば検査可能ですが…
整形外科学的検査では、患者の歩き方を観察したあとに触診をおこないます。
では先生は、普段どのように触診をしていますか?
もし、「ここが痛そうだな」と思ったところを何となく触っていらっしゃるだけだとしたら、十分な触診ができているとは言えません。
なぜなら、触診は「体系的に順序立てておこなうこと」が重要だから。
しかし先生の多くは、体系立てられた手順の触診を学んだ経験がないかもしれません。ですが、正確な診断をするうえで、触診は問診や視診とならんで重要な検査法なのは言うまでもありません。
歩様や姿勢の観察から疑わしい原因を考えたときも、その原因を裏付ける触診ができれば見落としを減らせる可能性があります。
レントゲン検査をするにも、当てずっぽうではなく根拠をもって検査ができるはずです。
だからこそ、跛行診断の精度を上げるには、体系的な触診が欠かせないのですが…
たとえば、起立位で前肢を触診するとき。
触診する部位は、
このように、大きく7つあります。
触診しながら痛みや腫れがないか、触れたときに嫌がる部分はないかなどを調べますが、このとき必ず守るべきポイントがひとつあります。
それは、体表のランドマークを中心に左右対称に触ること。
なぜなら、左右同時に触診することで、患肢と対側肢を比較しながら、異常に気がつきやすくなるから。つまり、見落としを大きく減らせる可能性があるのです。
今ご説明したのは前肢の触診ですが、後肢の触診や横臥位の触診では、また守るべきポイントが変わりますので注意が必要です。
ステップ1と2を終えれば、おおかたのアタリがつけられます。
あとは診断をするため、レントゲンやCT検査など患者に合わせた検査をおこなうだけです。
レントゲン検査をする場合にも、触診で異常部位がわかっていますので、「どこを撮影すべきか」というポイントが明確に絞られてくるはずです。
そのため、「とりあえずレントゲンを撮ったけど、原因がわからない」「痛み止めで様子をみましょう」など、飼い主さんの信頼を失う診療をする可能性を減ずることができるかもしれません。
飼い主さんに説明するときも、根拠と自信をもって跛行の原因を伝えられるでしょう。
ここまでご説明したように、精度の高い跛行診断をおこなうには、
① 鑑別疾患リストの作成
② 整形外科学的検査の実施 (体系的な触診)
③ 必要に応じた特殊検査の実施
この3ステップが重要になるのですが…
これから春先にかけて、年に一回の犬の予防シーズンがきます。
病院はワクチン接種やフィラリア検査などで忙しくなります。実は、この時期は体系的な触診をマスターする絶好の機会です。
なぜなら、正常な動物をたくさん触れる機会があるから。
たくさん正常な動物に触れることで、跛行診断で触診をするときに、「あれ、前と違うな」「いつもと感触が違うぞ」など、異常に気づきやすくなります。
この予防シーズンに体系的な触診をくり返し経験すれば、限られた診療時間の中で、もっと正確に、すばやく診断にたどり着ける跛行診断をマスターできるかもしれません。
今回の教材は、跛行診断のポイントや触診の手順を解説しただけのものではありません。
触診のときに、どのように触り、どう順序立てておこなうのか、その一連の流れを一戸先生のデモンストレーションを見ながら学べます。
体系的な触診が、直感的に学べるよう作り込まれています。
ぜひ先生も、この機会に一戸先生の跛行診断を学んでください。そうすれば…
映像に収録された、一戸先生の講義がまとめられたレジュメ冊子をお渡しいたします。映像をじっくり視聴するお時間がなければ、まず、この冊子から先に目をとおしてください。そして、気になる個所の映像から視聴していただければ、効率のよい学習が可能です。もちろん、復習用のテキストとしてもご活用いただけます。
もうひとつの特典は術後管理シートです。今回の映像で学んだ内容を参考にしながら、シートの項目を埋めていくと、より簡便に跛行の変化、治療効果の判定もひと目でわかります。複数の獣医師で情報を共有する際にも、この管理シートが役に立ちます。
教育用動画は、一次診療を行う小動物臨床獣医師にとって、必ず役に立つ内容が多く含まれている。とくに我が国においては、小型犬の飼育頭数が依然として多いことから、整形外科学的疾患に罹患した症例を避けて通ることはできないのが実情である。明らかな症状を示す骨折や大きい関節の脱臼であれば、診断は比較的容易かもしれない。しかし、靱帯の損傷に代表される、関節の微妙な不安定性に起因する疾患を検出することが容易ではない症例も少なくない。よって、骨または関節の疾患に特化した診断アプローチを解説した本動画を視聴し、学習することは非常に有用である。本動画は、整形外科学的疾患に対するアプローチ、とくに実施が難しいと考えられがちな、徒手検査手技を中心に構成されている。動画内でも述べられているが、診療においては“飼い主さんからの聞き取り”に始まり、姿勢、歩様、触診(起立位および横臥位)に続く、系統的な“流れ”を意識して各種検査を行うことが、“ヌケ”や“モレ”、を(すなわち、誤診を)可能な限りなくすために、非常に重要であることは間違いない。さらに、本動画においては、実際の骨または関節疾患に罹患した症例の歩様動画や整形外科学的検査所見などの情報を示しながら解説されていることから、視聴された先生が実際の症例を診察する際、非常に参考にしやすい構成となっている。本動画に示された検査手技が広く普及することによって、日本の小動物臨床の現場における、整形外科学的疾患の診断精度が向上することを期待している。
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