教材リリース日:2021年12月
糖尿病と言えば、人間にとってポピュラーな生活習慣病の一つです。
しかし、今や糖尿病は人間だけの病気ではありません。高齢化や生活環境の変化などにより、糖尿病になる犬猫が増えているのです。
日本の動物病院を受診した犬の調査によると、肥満傾向にある犬は全体の55パーセント。なんと、半数以上が肥満であり、糖尿病のリスクを抱えているのです。
先生も、たびたび糖尿病の症例が来院するようになったと感じているかもしれませんが…
糖尿病は、体系的な治療法を学べる機会がありません。そのため、糖尿病の症例が来院しても、「どうやって治療すれば良いのか?」、その具体的なやり方がわからない先生もたくさんいらっしゃいます。
そのような先生は、血糖値を下げるにはインスリンが有効だろうと考え、「とりあえずインスリンを投与する」といった自己流の治療をおこなうケースが多いようです。
先生は、どのように治療されていらっしゃるでしょうか? 結論からお伝えすると、この治療法は間違いです。
とりあえずインスリンを投与する方法は、適切に血糖をコントロールできないだけでなく、酷いケースでは、生命にかかわる合併症を引き起こすリスクもあります。
では、糖尿病は、どうやって治療するのが正解なのか?
今回、東京都世田谷区にある「アルマ動物病院 糖尿病・内分泌病センター」の長谷川承先生に、その具体的な方法を教えていただきます。
大学院時代から現在まで、糖尿病の治療と研究をライフワークとされている長谷川先生。ジェネラリストとして、これまで165万頭以上の診療経験をお持ちのベテラン獣医師ですが、糖尿病症例の治療数も国内トップレベルです。
しかし、糖尿病の治療は個体差が大きいため、経験豊富な長谷川先生でも治療法を体系立てるのにはとても苦労したとおっしゃいます。最初のころは、予想もしない血糖変動から、低血糖を起こしてしまったこともあったそうです。
今回、先生が学べるのは、長谷川先生が試行錯誤をくり返し、症例数をかさねることでようやく体系化できた糖尿病の治療ノウハウです。ここで少しだけ、そのポイントをご紹介しましょう。
糖尿病の治療は、血糖値の管理が基本であり、いちばん重要な作業です。
なぜなら、血糖値の変動が犬猫の身体の状態をあらわす重要なバロメーターになるからです。
DKA(糖尿病性ケトアシドーシス)と呼ばれる重篤な急性代謝障害を起こさないよう、注意深く管理しなくてはなりません。
しかし、良かれと思っておこなった治療が逆効果になるケースもあります。
その代表的なものが、インスリンの投与から治療を開始することです。
「インスリンは血糖を下げるための、糖尿病治療の基本ではないか?」と思われたかもしれません。
ですが、長谷川先生は、「糖尿病の治療は、食事から開始しなければならない」とおっしゃいます。
なぜなら、食事療法を決めないと、インスリンの種類と量が決められないからです。
つまり、食事療法を決めないままインスリンを投与することは、患者が本当に必要とするインスリンの種類も、量もわからないまま治療することになるのです。
インスリンを投与しても血糖コントロールがうまくいかない最大の原因は、不確実な食事療法にあると言えます。
まずは、食事療法の内容を決定する。それから、インスリンの種類と量を決め、血糖コントロールをおこなうのが糖尿病治療の第一歩です。
もう一つ、糖尿病の治療を成功させる大事なポイントがあります。それは、血糖曲線の作成と評価です。
血糖曲線の作成には少しコツがいりますが、正しく作成、評価できれば、糖尿病症例の7~8割は適切な血糖コントロールができると、長谷川先生はおっしゃいます。
今回の教材では、
など、長谷川先生のわかりやすい解説で学べますが、それだけではありません。
さらに、血糖曲線を作成する手間を大きく減らす連続血糖測定器「Free Styleリブレ」の使い方もご説明します。
Free Styleリブレは、センサーを身体に装着し、リーダーで定期的に読み取るだけで連続した血糖変動を観察できる機器です。
リブレを使用すれば血糖測定のための採血や入院などのストレスなく、在宅で信頼性の高い血糖曲線を作成できるようになります。
うまく活用できれば、とても楽に血糖コントロールができますが、デメリットがないわけではありません。
教材内では、リブレの使い方と合わせ知っておくべきデメリット、長谷川先生のリブレ採用例などもご紹介します。
糖尿病の治療は、規則正しい食事と適切なインスリン投与が重要です。これには、飼い主さんの協力が欠かせません。
先生がどれだけ頭を悩ませ、優れた治療プランを考えたとしても、飼い主さんの協力が得られなければそれを実施するのは難しいからです。
しかし、飼い主さんは十人十色。協力的な人がいれば、そうでない人もいますし、それぞれ考え方や性格、生活パターンも異なります。
そこで重要になるのが、飼い主さん教育です。動物が糖尿病だとわかると、飼い主さんは、「自分が糖尿病にしてしまった」というショックと、治療に対する不安でパニックになります。
心配のあまり、ちょっとしたことで不満を抱くようになるため、対応を誤るとせっかく築き上げた獣医師との信頼関係も壊れてしまいます。
獣医師はそんな飼い主さんに寄り添い、規則正しい食事とインスリン投与の必要性を理解させながら、治療を進めていかなくてはなりません。
治療の主体は飼い主さんになりますので、血糖コントロールの管理とともに飼い主さんのケアも重要なポイントです。
今回の教材では、飼い主さんとの良好な協力関係を築けるよう、飼い主さん教育についても、長谷川先生に教えていただきます。
適切に血糖コントロールをおこなうには、ある程度の経験が必要です。
糖尿病症例は、伴侶動物の高齢化や生活習慣の変化などの影響により増加傾向にありますが、皮膚疾患や消化器疾患ほど多いわけではありません。
そのため、糖尿病の治療経験を積むには、どうしても時間がかかります。そこで役立つのが、過去の症例に学ぶことです。
糖尿病の治療にあたった獣医師が、どのように血糖コントロールをおこない、良好な数値を維持し続けたのか、その具体的な方法を知ることが、糖尿病の治療を成功させる近道になります。
しかし、糖尿病の症例を学べる機会は、それほど多くはありません。
そこで今回は、長谷川先生が治療をおこなった糖尿病症例を見ながら、具体的な治療方法を学べるよう「症例集」も収録しました。
糖尿病の治療方法の一つに、「強化インスリン療法」と呼ばれるものがあります。
強化インスリン療法をひと言でご説明するなら、糖尿病症例に対し、正常な動物のインスリン分泌を再現する治療法のこと。
つまり、より正確に血糖をコントロールする治療法と言えます。たとえば、若齢犬が糖尿病を発症した場合。
若齢発症の糖尿病では、1種類のインスリン製剤では食後血糖を抑えきれず、良好な血糖コントロールが得られないことがあります。
このような場合でも、超速効型のインスリンを追加することで、1種類だけでは抑えきれない食後高血糖も適切にコントロールできるようになるのです。
とても有効な治療法ですが、強化インスリン療法のやり方を詳しく学べる機会はほとんどありません。
今回は、強化インスリン療法の基本から、そのやり方、さらに強化インスリン療法を採用した実際の症例まで、詳しく学べます。
糖尿病は年齢を問わず発症しますが、その中でも中高齢の動物に多い疾患です。高齢の犬猫が増え続けている今、糖尿病症例の数も比例して増えることは、すぐに想像できると思います。
だからこそ、「糖尿病には、とりあえずインスリン」という間違った治療法ではなく、適切に血糖をコントロールする正しい治療法を先生に習得してほしいのです。
その技術が、たくさんの動物の生命を救うことはもちろん、動物と飼い主さんのQOLを飛躍的に向上させるのは間違いありません。
今回の教材は、糖尿病の基本をはじめ、食事療法、インスリン療法、血糖曲線の作成と評価、飼い主教育のポイント、症例解説など、糖尿病の治療に必要な知識を、長谷川先生のわかりやすい解説とともに学べます。
ぜひ先生も、長谷川先生から糖尿病の診療ノウハウを学んでください。そうすれば…
先生は、「ハイドロセラピー」をご存じでしょうか? ハイドロセラピーとは、「水を用いた運動療法」のこと。
水の浮力や抵抗力、水圧などを利用し、水中で身体に負担の少ない運動をすることで、身体機能を回復させる治療法です。
ハイドロセラピーは、運動が重要な糖尿病の治療はもちろん、骨折をはじめとする整形外科手術後のリハビリテーションや、変形性関節症などの関節疾患にも優れた効果があります。
この特典映像では、糖尿病治療の選択肢の一つとして、「ハイドロセラピーとは、どのような治療法なのか?」を具体的にご説明します。
治療選択肢が広がりますので、ぜひ、長谷川先生の説明とともにご覧ください。
DVDに収録された長谷川先生の講義がまとめられた、セミナーレジュメをお渡しいたします。DVDをじっくり視聴するお時間がなければ、まず、この冊子から先に目をとおしてください。
そして、気になる個所の映像から視聴していただければ、効率のよい学習が可能です。もちろん、復習用のテキストとしてもご活用いただけます。
教材内訳 |
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価格 |
販売価格 45,980円 (税込50,578円) |
返金保証 | なし |
特記事項 |
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※安心の暗号化通信を採用しています。
この商品のお申込みフォームは、世界でもトップレベルである、グローバルサイン社のセキュリティシステムを利用しており、個人情報保護、セキュリティ強化のため、SSL暗号化通信を採用しています。お申込みの際に個人情報の漏洩は一切ありません。
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