犬膿皮症や猫の上部気道疾患、また、細菌性尿路感染症など。
これらは、日常診療で遭遇する機会の多い疾患のひとつです。細菌が原因の疾患なので、治療にはもちろん抗菌薬を使用します。
では先生は、使用する抗菌薬の種類や量、使用期間など、どのように決めていますか?
もし、「何となく」や「とりあえず」で使用しているのなら、それは大変危険な行為と言えます。
「副作用には注意しているよ」と思うかもしれませんが、抗菌薬のリスクは副作用だけではありません。
不適切な抗菌薬治療は、患者はもちろん、飼い主さんや獣医師、また社会さえも見えないリスクに巻き込むことになるのです。
なぜなら、「薬剤耐性菌を発生させるリスク」がとても高いから。
近年、薬剤耐性菌の増加はヒト医療だけでなく、獣医療においても深刻な問題になっていることを先生はご存じでしょうか?
薬剤耐性菌の増加が生じると、治療薬の選択肢が狭まるだけでなく、同居個体や飼い主さん、獣医師、看護師へ耐性菌を伝播感染させる機会が多くなります。
また、散歩中に耐性菌がばら撒かれることもあるため、公衆衛生の観点からも無視できない重要な問題と言えます。
このような話は、決して他人事ではありません。
2016年にある獣医師のコミュニティで、「薬剤耐性菌の感染症例に遭遇した経験はあるか?」というアンケートが実施されました。
その結果は81%の獣医師がYESと回答。「確定的ではないがあったように思う」という回答を含めると、実に95%の獣医師が薬剤耐性菌の感染症例に遭遇していることがわかりました。
つまり、薬剤耐性菌の問題は、とても身近な存在と言えるのですが…、
近年、「One Health」という概念が注目されていることをご存じですか?
One Healthとは、「ヒト、動物、環境(生態系)の健康は相互に関連しており、それぞれの健康を維持するには、どれひとつとして欠くことができない」という考え方です。
先ほどもお話したとおり、薬剤耐性菌は動物からヒトへも感染します。ヒトと生活空間を共有する伴侶動物は、当然、感染させるリスクも高くなります。
しかしこれまでの獣医療では、伴侶動物における薬剤耐性菌の問題は、畜産動物ほど注目されませんでした。
その背景には、耐性モニタリングの対象外であることや、使用する抗菌薬がヒト用のものが多いこと、研究報告が少ないことなどが挙げられます。
とは言え、犬や猫から多くの薬剤に耐性を示す多剤耐性菌が多く報告されていること。また、獣医師や看護師といった動物病院スタッフや飼い主からも同様の多剤耐性菌が分離されるとの報告があることも、また事実です。
つまり、ヒト、動物、環境の三者の健康を守るためには、動物側にいる私たちも積極的な薬剤耐性菌対策をおこなっていくことが求められるのですが…、
極端な話、抗菌薬を使用しなければ、薬剤耐性菌の発生リスクはぐっと減ります。
しかし、いかに抗菌薬にデメリットがあろうとも、「獣医臨床で抗菌薬を使わない」というわけにはいきませんよね。
そのため獣医師には、「治療のレベルを下げることなく抗菌薬の使用量や使用期間を減らす知識」が求められることになります。
とは言え、具体的にどうすればいいのか?
今回、薬剤耐性菌を増加させない適切な抗菌薬の使い方を、鳥取大学の原田先生から学ぶことができます。
薬剤耐性菌の発生を防ぐため、さまざまな注意が呼びかけられています。
抗菌剤の「適正使用」や「慎重使用」などは、そのひとつです。
でも、少し待ってください。適正使用や慎重使用と言われても、そこに基準はありません。そのため、「具体的にどう抗菌薬を使えばいいのか?」と思ってしまいませんか?
この問題を解決するため、近年、ISCAID(International Society for Companion Animal Infectious Diseases)により、抗菌薬の使用におけるガイドラインが発表されました。
ISCAIDは、伴侶動物の感染症に関する対策、情報提供などをおこなう国際団体です。
これまでに、尿路感染症(2011→2019に改定)、犬膿皮症(2014)、呼吸器感染症(2017)に対する抗菌薬治療のガイドラインを策定しています。
そして、このISCAIDのガイドラインには優れた特徴があります。
それは、副作用や薬剤耐性リスクなどの視点から、使用する抗菌薬の推奨度を一次選択薬~二次選択薬(または三次選択薬)と分類していることです。
この推奨度は疾患に対する有効性よりも、薬剤耐性菌が発生した場合の影響や副作用のリスクを優先して決定されています。
つまり、一次選択薬よりも二次、三次選択薬が優れているわけではないこと。
実際の治療においては、できる限り薬剤耐性菌の発生リスクの低い一次選択薬で治療を完結できることが望ましく、一次選択薬が無効の場合に初めて二次選択薬を使用することが推奨されます。
たとえば…
「犬膿皮症」における抗菌薬治療を考えてみましょう。
犬膿皮症は、犬の皮膚感染症の中でも圧倒的に遭遇する機会の多い疾患ですよね。本題は抗菌薬治療ですので、ここでは診断の詳細は省きます。
ISCAIDの「犬の表在性細菌性毛包炎の診断と抗菌治療に関するガイドライン」で推奨される一次選択薬は以下の4種類です。
犬膿皮症においては、セファレキシンやクラブラン酸加アモキシシリンが選択されることが多く、ほとんどの症例はこれらの抗菌薬で治癒に至りますが、ここで注意点があります。
それは、過去に副作用が認められた抗菌薬は選択しないこと。
なぜなら、抗菌薬における副作用の多くは患者の体質に依存しているため、過去に副作用が認められた抗菌薬を使用することで、同じ副作用がくり返される可能性が高いからです。
もし一次選択薬の効果がみられない場合は、以下の二次選択薬を使用します。
二次選択薬には、フルオロキノロン系、第3世代セファロスポリン系の薬剤が含まれます。
ここで注意が必要なのは、メチシリン耐性菌を保菌している場合です。
メチシリン耐性菌には、フルオロキノロン系、第3世代セファロスポリン系の薬剤はほとんど効果がありません。
そのためドキシサイクリン、ミノサイクリン、クロラムフェニコール、ホスホマイシンなどの薬剤を選択する必要があります。
このように、ガイドラインでは犬膿皮症に対して適切な抗菌薬治療を行う上で必要な知識を提供してくれています。
今、ご紹介したのは、先生が今回学べる内容のほんの一部です。
今回の教材では、患者の全般的な評価から微生物の推定、特定方法、また小動物医療に使用される代表的な抗菌薬の特徴や副作用まで、原田先生のわかりやすい説明で学べます。
他にも、原田先生のデモンストレーションを見ながら、「5分でできる検体のグラム染色」の手順もマスターできます。
また、ISCAIDのガイドラインに基づく抗菌薬治療は、
これらを実際の症例と合わせ、わかりやすく学ぶことができます。ISCAIDのガイドラインが日本語で学べる機会はほとんどありませんので、これはとても貴重な内容です。
ぜひ先生も、未来の健全な獣医療のため、正しい抗菌薬治療を学んでください。そうすれば…
薬剤耐性菌の増加を防ぐ抗菌薬治療ができる
薬剤耐性菌の増加は、獣医療において深刻な問題です。薬剤耐性菌により治療の選択肢が限られるばかりか、ヒトへの感染リスクもあります。今回のISCAIDのガイドラインでは薬剤耐性菌の発生リスクにも考慮した抗菌薬治療を紹介しています。
「抗菌薬が効かない」症例に悩まなくなる
先生もこれまでに抗菌薬が思うように効かず、頭を悩ませた経験があると思います。そんな場合でも、適切な二次選択薬、三次選択薬を使用することで、治療効果を高めた抗菌薬治療を実施できます。
自信を持って迷わず抗菌薬治療ができる
ISCAIDのガイドラインを理解すれば、選択すべき抗菌薬が即座にわかります。今まで、「とりあえず」や「何となく」で抗菌薬を選択していたのなら、自信を持って使用できるようになるはずです。
抗菌薬の無駄打ちを大幅に減らせる
体調が悪い患者に対し、「感染症があるかもしれない」と考え、十分な検査もおこなわないまま抗菌薬を使用するケースがあります。抗菌薬の適正な使用法を学べば、このような抗菌薬の無駄打ちは大幅に減らせるでしょう。
飼い主さんにわかりやすくアドバイスできる
たとえば、「なぜ、この抗菌薬を使うのか?」「他に選択肢はないのか?」などを飼い主さんに説明する場合も、明確なガイドラインがあれば簡単になります。先生の言葉にも、さらに説得力が備わるようになるでしょう。
もっとたくさんの動物の生命を救える
薬剤耐性菌を発生させない抗菌薬治療ができるということは、薬剤耐性菌による感染リスクを大きく減らすこと。つまり、患者はもちろん、多くの動物の生命を救うことに直結します。
多くの先生方は学生時代、この抗菌薬は何系で、作用機序はどこでといった内容は習ったと思いますが、臨床の場面でどのように薬を選択するかといった、実践方法を学ぶ機会はほとんどなかったのではないでしょうか。それもそのはずで、伴侶動物の感染症について検討する国際団体が立ち上げられたのが2006年、抗菌薬使用にフォーカスをあてた最初の ガイドラインが公表されたのは、2011年になってやっとのことです。今回の原田先生のDVDでは、細菌の検査方法や抗菌薬の特徴に触れた上で、それらの国際ガイドラインに沿った感染症診療の進め方が解説されています。これらの内容は、大学などの高次診療施設でなければ行えない特殊な技術であったり、全例で初診時に漏れなく薬剤感受性試験をしたりといった、非現実的な話題ではありません。むしろ、細菌感染症を診断・治療する獣医師が、必ず知っておくべきスタンダードの考え方です。DVD内でも紹介されているとおり、罹患動物から検出された大腸菌のうち、第3世代セファロスポリンに耐性のものが犬で26.1%、猫で33.8%に及びます(農林水産省調査)。さらに直近の報告では、正常な犬猫でも10%ほどが耐性菌を保有していることが判明しました。このように耐性化が進む背景には、第1に抗菌薬の使用頻度が高いことが挙げられます。私に紹介あるいは相談される中でも、2次選択薬である第3世代セファロスポリンやフルオロキノロンが初期から、あるいは診断のつかない時点で使用されている例は多いです。もちろん、それぞれ必要と考えられた背景もあるわけですが、このDVDで基本となる考え方を身につけ、理想的な抗菌薬の使用法をマスターしていただければと思います。
北里大学 獣医学部 小動物第1内科学研究室 木村 祐哉先生
DVDに収録された原田先生の講義がまとめられた、レジュメ冊子をお渡しいたします。DVDをじっくり視聴するお時間がなければ、まず、この冊子から先に目をとおしてください。そして、気になる個所の映像から視聴していただければ、効率のよい学習が可能です。もちろん、復習用のテキストとしてもご活用いただけます。
「主要な感染症別の診断治療アプローチ概要」と「各抗菌薬の用法および用量」をまとめた2種類の別表もご用意しました。この別表をプリントアウトしておけば、DVDの内容を丸暗記しなくても、すぐに薬剤耐性菌の増加を防ぐ抗菌薬治療ができます。
「もしかしたら、もう、知っている内容ばかりかもしれない…」「内容を理解できるか不安だ…」「期待にそえる、教材なのか?」など、こう思われた場合もご安心ください。
なぜなら、DVD教材の内容にご納得できなければ返金させていただくからです。60日間、じっくりとDVDをご覧いただき、先生の選択が正しかったかどうかをご判断ください。
送料も、返金振込料も、弊社が負担させていただきます。返金保証が付いている、獣医師向け教材なんて、ほとんどありません。これは、今回リリースするDVD教材への自信そのものです。
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ただし、注意点があります。この価格(DVDリリースキャンペーン価格)での販売は、8月16日まで。8月17日以降は、定価の39,980円に戻ります。
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