教材リリース日:2022年11月
<教材の内容を少しだけご紹介します…>想像してみてください… ある動物病院に9歳のトイプードルが来院しました。
「今日はどうされたのですか?」と飼い主さんに聞いてみると、呼吸がハーハー荒くなり突然、パタリと倒れ込んでしまったとのこと。
飼い主さんは、愛犬に何が起こったのかわからず、不安な様子です。
問診、身体検査、画像診断とひと通りの検査を終えた獣医師は、その結果から「てんかん」を疑いました。
しかし、抗てんかん薬(フェノバルビタール)を投与した後も、てんかんと思われる発作はまったく消失しません。
困った獣医師は、専門の二次診療施設を紹介することにしました。
そして、二次診療施設で再度検査をおこなった結果、この症例は、てんかんではなく失神を起こしていたことがわかったのです。
今お話したのは、想像上の話です。しかし、こんな話をしたのには、ちゃんと理由があります。
それは、失神とてんかんの鑑別に苦慮するケースは、決して少なくないことを知ってもらうためです。
また、失神やてんかんを飼い主さんの視点から考えてみてください。
失神やてんかんは、一時的な意識の消失を伴います。見た目にも明らかに異常が生じているため、「このまま死んでしまうのではないか」とパニックになる飼い主さんもいらっしゃいます。
そんな飼い主さんの不安が大きい問題だからこそ、正しく診断、治療できれば、飼い主さんの信頼も一段と厚いものになるのではないでしょうか。
だからこそ、失神に対する症例への正しい診療アプローチを学んでいただきたいのです。
今回、私たちは、麻布大学の藤井洋子先生にご依頼し、失神を疑う症例へのアプローチを教えていただきました。
たとえば、「突然、発作を起こして倒れました」と飼い主さんが来院されたとき。
この主訴だけでは、その動物が「失神」なのか、「てんかん」なのか、または「痙攣」なのか、正しく判断できません。
もし、「痙攣を起こした」「ピクピクしていた」と伝えられたとしたら、神経系の疾患を疑った検査をしたくなるかもしれませんが、少し考えていただきたいのです。
なぜなら、失神を疑う症例では、飼い主さんと獣医師の認識に大きなズレが生じやすいからです。
愛犬、愛猫がふらついて倒れると、当然、飼い主さんは大きな不安におそわれます。
そのため、「どれくらい倒れていましたか?」と質問したときも、実際は10秒くらいしか倒れていない場合でも、「1分くらい倒れていました」と答えることもあります。
つまり、獣医師は飼い主さんと認識の違いがあることを理解し、飼い主さんの言葉を鵜呑みにしないことが重要なのです。
では、どのように診療に役立つ情報を得れば良いのか?
失神を疑う症例では、何よりも正確に問診をとることが求められます。たとえば、失神に関する聞き取りでは、
など、できる限り詳しく、掘り下げて聴取することが重要です。
また、「失神以外の徴候があるかどうか?」をチェックするのも忘れてはいけません。
なぜなら、失神の原因となる疾患は、さまざまな種類があるから。背景となる疾患がなく、失神しか症状がないケースは、とても少ないのです。
問診のポイントをおさえ、とにかく丁寧に情報を聞き取ることが、失神を疑う症例に対応する第一歩になります。
失神を疑う症例でよくある失敗が、失神をてんかんと勘違いしてしまうこと。
たとえば、冒頭でお話したような、「抗てんかん薬(フェノバルビタール)を投与したけれど、思うように症状が改善しない」というケースは少なくありません。
「痙攣が良くならないから、別に問題があるかもしれない」と治療アプローチを変えられるのなら、一概に間違った対応とは言えません。
しかし、動物に適切な治療をおこない、できるだけ早く飼い主さんの不安を払拭してあげることを考えれば、失神とてんかんの鑑別は重要なポイントになります。
失神とてんかんを正しく鑑別することは、その症例が循環器系に問題があるのか、または神経系に問題があるのかを見極めることにもつながります。
たとえ診断にいたらなくても、鑑別の結果、循環器科に紹介すべきか神経科に紹介すべきかがわかれば、治療期間を長引かせることもありません。
適切な治療はもちろん、紹介すべき科目を間違えて飼い主さんの信頼を失わないためにも、失神とてんかんの正しい鑑別が重要です。
ひと言で失神といっても、その原因はさまざまです。
しかし、日常診療で遭遇する機会の多い原因。言い換えるなら、「失神を生じる代表的な疾患」に多くの症例は当てはまります。
つまり、代表的な疾患をおさえておけば、失神を疑う症例が来院しても、あわてることなくスピーディーに診療できるようになるのです。
では、具体的にどんな疾患があるのか? 失神症例でもっとも多い疾患が、「肺高血圧」です。
肺高血圧は、失神を生じる重要な病態です。2020年には、アメリカ獣医内科学会(ACVIM)からガイドラインが発表されました。
今回の教材では、ACVIMのガイドラインに基づいた肺高血圧の解説はもちろん、肺高血圧以外で失神を生じる代表的な疾患である…
など、「まずはこれをおさえるべき」重要な疾患を、藤井先生のわかりやすい解説で学べます。
失神が疑われる症例の画像診断では、まず、胸部X線検査をおこないます。
検査の結果、あきらかな異常所見があれば良いのですが、顕著な所見がなかったとしても油断してはいけません。
なぜなら、胸部X線検査で異常所見がなくても、重大な疾患が隠れていることがあるから。
たとえば、先天性の大動脈狭窄や肺動脈狭窄、後天性の肺高血圧症や肺血栓塞栓症などは、胸部X線検査をしても顕著な異常がみられないことがあります。
ですから、画像に異常がない場合にも、「隠された疾患があるかもしれない」と考え、複数の検査を組み合わせた評価が重要になるのです。
不整脈が疑われる失神症例には、心電図検査が必要になります。
しかし、心電図を導入しているにもかかわらず、日々の臨床に活かせていなかったり、心電図検査に自信がないと苦手意識をお持ちの獣医師もたくさんいらっしゃるとうかがいました。
通常、大学の授業で心電図を十分に学べる機会は少ないため、心電図を使いこなそうと思えば、どうしても卒後にご自身で学ぶ必要があります。
そのため、心電図に苦手意識のある獣医師が多いのは、仕方のないことかもしれません。
ですが、失神症例へのアプローチを学ぶ上で、心電図を避けてとおることはできません。
そこで今回は、心電図波形の判読はもちろん、心電図評価のポイントや症例解説など、心電図を診療に活かす方法も詳しく解説します。
ぜひ先生も、藤井先生から失神を疑う症例へのアプローチを学んでください。そうすれば…
教材の内容を一部紹介すると…
今回の教材には、特典映像があります。
それは、「ホルター心電計の装着方法を解説した動画」です。
失神を疑う症例の中には、通常の心電図では異常がみとめられなくても、発作のときだけ不整脈が出るケースもあります。
このような通常の心電図では見落としがちな異常を正しくピックアップするには、ホルター心電計による検査が重要になります。
ホルター心電計は、自然に生活する中で心電図をとることが重要になりますので、動物にとって違和感のない装着が必要です。
そこで今回は、特典映像として、ホルター心電計の装着方法を詳しく解説した動画を収録しました。
この特典映像では…
など、藤井先生のわかりやすい解説で学べます。
ぜひ、一歩踏み込んだ失神症例への対応にお役立てください。
教材内訳 |
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価格 |
販売価格 45,980円 (税込50,578円) |
返金保証 | なし |
特記事項 |
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※安心の暗号化通信を採用しています。
この商品のお申込みフォームは、世界でもトップレベルである、グローバルサイン社のセキュリティシステムを利用しており、個人情報保護、セキュリティ強化のため、SSL暗号化通信を採用しています。お申込みの際に個人情報の漏洩は一切ありません。
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